ページトップ
  • 平成4年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第4 住宅・都市整備公団|
  • 不当事項|
  • 工事

歩行者専用道路等の整備工事の施行に当たり、舗装用タイルの材料費等の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの


(242) 歩行者専用道路等の整備工事の施行に当たり、舗装用タイルの材料費等の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの

科目 (住宅・都市整備勘定) (項)宅地造成費
部局等の名称 南多摩開発局
工事名 南多摩地区B-1 119号線他整備工事
工事の概要 多摩ニュータウン内に築造した歩行者専用道路等の整備を行う工事
工事費 128,750,000円
請負人 岩田建設株式会社
契約 平成5年3月 指名競争契約
支払 平成5年4月 (前払金38,625,000円)
割高になっている工事費 1350万円

 上記の工事において、歩行者専用道路の舗装用タイルの材料費等の積算を誤ったため、契約額が約1350万円割高になっていると認められる。

1 工事の概要

(工事の内容)

 この工事は、住宅・都市整備公団南多摩開発局(以下「開発局」という。)が、多摩ニュータウン内の東京都多摩市永山の南多摩地区に、昭和58年から60年にかけて築造した歩行者専用道路(以下「歩道」という。)及び車道を同市へ移管するに当たり、これらの整備を行う工事を工事費128,750,000円で施行するものである。
 その工事の主な内容は、次のとおりである。

(ア) 施設整備工として、歩道の舗装用タイルの敷設、ベンチの腰掛け板の取替え、階段の手摺端部の設置等を行う。

(イ) 舗装整備工として、車道及び歩道のアスファルト舗装の打替えを行う。

(ウ) 街路整備工として、L型側溝の取替え等を行う。

(工事費の積算)

 開発局では、施設整備工費のうち、タイルの材料費及びベンチの腰掛け板の取替え経費を次のとおり積算していた。

(ア) タイルの材料費については、業者より徴した見積書のタイルの単価にその所要枚数を乗ずるなどして合計15,836,647円と算出した。

(イ) ベンチの腰掛け板の取替え経費については、業者より徴した見積書の腰掛け板の材料費及び労務費を合わせた単価に、2種類のベンチ(参考図参照) 1基当たりの腰掛け板の所要枚数(9枚又は15枚)を乗じ、さらにそれぞれのベンチの基数を乗じるなどして、合計3,930,800円と算出した。

 そして、上記のタイルの材料費等を含めた施設整備工費に舗装整備工費、街路整備工費等を加えて直接工事費を86,369,366円と算定していた。

2 検査の結果

(タイルの材料費等の積算誤り)

 上記の施設整備工費の積算について検査したところ、次のような事態となっていた。

(ア) タイルの材料費については、業者より徴した見積書の単価は1m2 (タイル50枚分に相当)当たりの単価であるにもかかわらず、誤ってタイル1枚当たりの単価とするなどして算出していた。したがって、前記のタイルの材料費15,836,647円は、正しくは310,625円となる。

(イ) 腰掛け板の取替え経費については、業者より徴した見積書の単価はベンチ1基当たりの単価であるにもかかわらず、誤って腰掛け板1枚当たりの単価とするなどして算出していた。したがって、前記のベンチの腰掛け板の取替え経費3,930,800円は、正しくは417,600円となる。

(その他の積算誤り)

 上記のほか、階段の手摺端部の設置工において設置箇所数を過大に算定するなどして過大な積算となっているものが計5,317,325円あり、また、L型側溝取替工において施工延長を過小に計上するなどして過小な積算となっているものが計7,613,594円あった。

(割高になっている工事費)

 いま、上記により工事費を修正計算すると、直接工事費86,369,366円は、69,626,413円となる。そして、諸経費等を含めた工事費総額は、現場管理費等で積算過小となっている4,565,550円を考慮しても、115,213,740円となり、本件契約額128,750,000円はこれに比べて約1350万円割高になっていると認められる。

(参考図)  

(参考図)