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  • 平成5年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
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  • 保険給付

雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの


(207) 雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(雇用勘定)(項)雇用安定等事業費
部局等の名称 宮城県ほか16都府県(支給庁)
仙台公共職業安定所ほか38公共職業安定所(支給決定庁)
支給の相手方 49事業主
特定求職者雇用開発助成金の支給額の合計 103,579,269円
不適正支給額 52,171,760円
 特定求職者雇用開発助成金の支給決定に当たり、事業主からの申請に対する調査確認が十分でなかったため、上記の49事業主に対して52,171,760円が不適正に支給されていた。これらについては、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。

1 保険給付の概要

(特定求職者雇用開発助成金)

 特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(前掲の「雇用保険の失業給付金の支給が適正でなかったもの」参照 )で行う事業のうちの雇用安定事業の一環として、55歳以上65歳未満の高年齢者など就職が特に困難な者(以下「特定求職者」という。)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇用した事業主に対して、当該雇用労働者に支払った賃金の一部を助成するものである。

(特定求職者雇用開発助成金の支給)

 この助成金は、事業主が特定求職者を公共職業安定所の紹介により新たに常用労働者として雇い入れたことなどを支給要件としている。その支給対象期間は雇入れ後1年(重度の身体障害者などについては1年6箇月)、また、支給額は支給対象期間に支払った賃金の額に所定の支給率(注) を乗じて得た額となっている。そして、公共職業安定所が、事業主から提出された申請書に記載されている当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日、支払賃金額等を審査して支給を決定し、これに基づいて、各都道府県が支給することとなっている。

(注)  所定の支給率 高年齢者の場合の支給率は1/4(中小企業事業主の場合は1/3)

2 検査の結果

(検査の対象)

 北海道ほか24都府県(支給決定庁 札幌公共職業安定所ほか213公共職業安定所)から特定求職者雇用開発助成金の支給を受けた事業主のうち、1,265事業主(支給額1,745,529,847円)について、公共職業安定所における特定求職者雇用開発助成金の支給決定の適否を検査した。

(不適正支給の事態)

 検査したところ、宮城県ほか16都府県で、49事業主に対する支給(支給額103,579,269円)について52,171,760円が不適正に支給されていた。これは、仙台公共職業安定所ほか38公共職業安定所において、事業主が誠実でなかったなどして、既に雇用している者を新たに雇用したこととしているなど申請書の記載内容が事実と相違していたのに、これに対する調査確認が十分でないまま支給の決定を行っていたことなどによるものである。
 なお、これらの不適正支給額については、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。

 これらの不適正支給額を都府県別に示すと次のとおりである。

都府県名 公共職業安定所 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した特定求職者雇用開発助成金 左のうち不適正特定求職者雇用開発助成金
千円 千円
宮城県 仙台ほか1 13 2 3,252 1,353
秋田県 能代ほか1 17 3 2,206 1,929
山形県 山形 13 2 2,324 1,325
福島県 福島 7 1 1,495 514
埼玉県 川口ほか2 25 4 5,675 2,921
千葉県 市川ほか2 17 4 6,970 4,567
東京都 池袋ほか1 12 2 4,770 1,853
新潟県 上越ほか4 24 6 8,962 5,246
長野県 小諸 2 1 1,637 1,135
岐阜県 大垣ほか3 46 5 10,082 5,562
静岡県 静岡ほか1 19 3 5,398 2,696
大阪府 阿倍野ほか1 9 2 9,223 2,100
兵庫県 姫路ほか1 16 2 3,427 1,662
福岡県 福岡中央ほか4 27 7 30,179 14,437
長崎県 大村 6 1 1,291 1,016
熊本県 熊本 7 1 1,678 673
鹿児島県 鹿児島ほか1 14 3 5,003 3,174
39箇所 274 49 103,579 52,171