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  • 平成6年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
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庁舎警備請負契約における警備費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの


(142)−(143)庁舎警備請負契約における警備費の積算を誤ったため、契約額が割高になっているもの

会計名及び科目 郵政事業特別会計(項)業務費
1 部局等の名称 札幌中央郵便局
契約名 札幌中央郵便局庁舎警備請負
契約の概要 庁舎の夜間警備業務を請け負わせているもの
契約金額 10,029,625円
契約の相手方 菱光サービス株式会社
契約 平成6年6月 指名競争契約
支払 平成6年7月〜7年4月 10回
割高になっている警備費 390万円
2 部局等の名称 名古屋貯金事務センター
契約名 常駐警備請負
契約の概要 庁舎分館の警備業務を請け負わせているもの
契約金額 平成2年度〜6年度 計143,782,850円
契約の相手方 新光ビルシステム株式会社
契約 平成2年4月〜6年4月 指名競争契約、随意契約
支払 平成2年5月〜7年4月 60回
割高になっている警備費 2500万円
 上記の各契約において、警備費の積算を誤ったため、契約額が1において約390万円、2において約2500万円それぞれ割高になっていると認められる。

 札幌中央郵便局及び名古屋貯金事務センターでは、常駐の警備員による庁舎及び諸施設等への出入管理、面会者、来訪者に対する対応、内外の巡回などの庁舎警備業務を警備会社に請け負わせている。

 上記の両部局では、庁舎警備業務に係る警備費の積算に当たり、算定の基とした一般に公表されている積算参考資料(以下「積算参考資料」という。)に記載された警備料金の適用を誤り、必要のない割増しや加算を行うなどしたため積算額が過大となり、ひいては契約額が、1において約390万円、2において約2500万円それぞれ割高になっていると認められる。
 これを部局別に示すと次のとおりである。

1 札幌中央郵便局

 (1) 警備費の積算

  札幌中央郵便局における警備業務は、庁舎への出入管理、来訪者に対する対応、局内外の巡回などを、警備員2名が16時から翌日の9時20分までの夜間17時間20分にわたり、同郵便局の警備職員とほぼ1日交代で1箇月に13回行うものである。
  この警備業務に係る警備費の積算に当たっては、夜間1回当たりの勤務時間を16時間としたうえで、積算参考資料に記載された札幌地域の24時間勤務の1箇月(25日)1名当たりの建物施設常駐警備料金784,000円を基に、次のように算定していた。

 (ア) 積算参考資料の24時間勤務の月額料金784,000円を1箇月当たりの警備日数の25で除し、更に1日当たりの警備時間の24で除して時間単価とし、これに勤務時間16を乗じて1回当たりの警備単価を算定する。

 (イ) この警備単価に、1箇月の警備日数26日を乗じ、更に警備員の人数2を乗じて1箇月当たりの単価を算定し、これに当該年度の予定警備月数9.5箇月分を乗ずる。

 (2)検査の結果

  上記の警備費の積算について検査したところ、次のような事態となっていた。

  (警備費の積算誤り)

  同郵便局では、夜間16時間勤務は日数としては2日にわたることから、1回当たりの警備日数を2日とし、1箇月の警備回数が13回であるため、1箇月の警備日数を26日としていた。しかし、警備単価は勤務1回当たり16時間として算定されているものであるから、警備回数に更に2を乗じた警備日数によって警備費を算定していたのは誤りであり、16時間勤務の警備回数である13を乗じれば足りたものである。

  (割高になっている警備費)

  適正な警備回数である13回により、適用する警備料金を24時間勤務のものでなく実態に近い夜間15時間勤務のものとし、警備時間も実際の17時間20分として本件警備費を修正計算すると、6,090,184円となり、本件契約額10,029,625円はこれに比べて約390万円が割高になっていると認められる。

2 名古屋貯金事務センター

 (1) 警備費の積算

  名古屋貯金事務センター(分館)における警備業務は、警備会社の警備員2名が庁舎への出入管理、来訪者に対する対応、庁舎内外の巡回などを行うものである。そして、平成2年4月においては、警備員2名のうち、1名が24時間、他の1名は昼間の10時間それぞれ勤務し、同年5月以降は、2名による24時間勤務を行うこととしていた。
  この警備業務に係る警備費の積算に当たっては、積算参考資料に記載された名古屋地域の昼間9時間及び24時間勤務の1箇月(25日)1名当たりの建物施設常駐警備料金それぞれ291,000円、670,000円を基に、2年度の契約に係る警備費を次のように算定していた。

 (ア) 積算参考資料の24時間勤務の月額料金670,000円には、深夜勤務時間中の仮眠時間等の料金が含まれていないと考え、別途、仮眠時間1日4時間分について50%の割増しを行ったうえで、1箇月当たりの割増料金を271,742円と算定し、上記の料金に加算する。

 (イ) 積算参考資料に記載されている1箇月当たりの料金は、平日を警備することを前提とした料金であると考え、1箇月の平均の休祝日日数(5.4日)に25%の休祝日割増しを行う。
    そして、3年度以降の契約については、必要に応じて、積算参考資料の警備料金上昇率等を基に引き上げた額を警備費としていた。

 (2) 検査の結果

  上記の警備費の積算について検査したところ、次のような事態となっていた。

  (警備費の積算誤り)

  同センターでは、前記のとおり、1箇月当たりの料金に仮眠時間分の割増料金を別途加算し、また、休祝日割増しを行っていた。しかし、積算参考資料の料金は、深夜勤務時間中に仮眠をとることを前提に算定されており、また、平日、休祝日の区別なく1箇月分の料金として算定されているものであるので、仮眠時間分の割増料金を加算し、また、休祝日割増しを行っているのは誤りである。

  (割高になっている警備費)

 仮眠時間分の割増料金の加算及び休祝日割増しを除外して、2年度から6年度までの警備費を修正計算すると、計118,721,739円となり、本件契約額計143,782,850円は、これに比べて約2500万円割高になっていると認められる。