平成6年11月から7年10月までの間に、所管庁から現金出納職員の保管する現金の亡失についての通知を受理したものは728件810,288,836円である。これに繰越し分849件794,285,794円を加え、処理を要するものは1,577件1,604,574,630円であり、そのうち上記の期間内に処理したものは1,235件625,875,680円である。
処理を要するもの及び処理したものの所管別内訳は、次表のとおりである。
処理したものの内訳は次のとおりである。
〔1〕 現金出納職員に弁償責任があると検定したもの | 15件 | 40,794,469円 |
〔2〕 現金出納職員に弁償責任がないと検定したもの | 23件 | 36,061,481円 |
〔3〕 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの | 1,185件 | 209,418,637円 |
〔4〕 現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について、国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど | 12件 | 339,601,093円 |
現金出納職員に弁償責任があると検定したものの概要は次のとおりである。
〔1〕 近畿郵政局管内泉北郵便局出納員津秦某が、平成3年6月3日から10月9日までの間に、契約者から受領した簡易生命保険保険料7,628,520円を受入手続をしないで領得したり、契約者から預かった保険証書を使用して交付を受けた還付金1,276,652円を領得したりしたもの
〔2〕 北海道郵政局管内札幌澄川郵便局出納員山本某が、平成5年7月26日及び6年1月25日、契約者から受領した簡易生命保険保険料611,256円を受入手続をしないで領得したもの
〔3〕 近畿郵政局管内寝屋川郵便局出納員田村某ほか3郵便局の出納員11名が、部内職員からの保険貸付金等の支払請求に対し、当該請求が正当権利者からのものであるか否かの確認を怠って払い渡した現金29,278,041円をほしいままに領得されたもの
〔4〕 関東郵政局管内戸塚郵便局出納員栗原某が、平成5年1月8日、窓口において現金の受払事務に従事中、窓口カウンター内側の事務机の上に現金2,000,000円を置いたまま無監視の状態で離席したため、当該現金を亡失したもの
また、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは、次のような事態について、いずれも現金出納職員が善良な管理者の注意を怠ったことによりその保管現金を亡失したものではないと認めたものである。
〔1〕 凶器を所持した賊が郵便局に侵入し職員を脅迫するなどして現金出納職員の保管する現金を強取したもの
〔2〕 夜間又は休日、無人の郵便局に侵入した賊が金庫や郵便貯金自動領払機等を破壊して現金出納職員の保管する現金を窃取したもの
〔3〕 郵便局の現金出納職員が、現金の領得を目的とする部内職員からの還付金の支払請求に対し、当該請求が正当権利からのものであるか否かの確認に必要な書類が整っていることなどを確認して払い渡した現金を当該部内職員に領得されたもの
〔4〕 郵便局の現金出納職員が、窓口から一時離席した間に、代わって窓口における事務処理を行っていた部内職員に、保管する現金を領得されたもの