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老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるもの


(72)−(103) 老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)老人福祉費
部局等の名称 北海道ほか15府県
国庫負担の根拠 老人福祉法(昭和38年法律第133号)
事業主体 市28、町4、計32事業主体
国庫負担対象事業 老人福祉施設保護事業
国庫負担対象事業の概要 老人の健康保持等のため、平成8年度に養護を必要とする老人を特別養護老人ホーム等に入所させ養護するもの
上記に対する国庫負担金交付額の合計 27,708,259,675円
不当と認める国庫負担金交付額 39,803,036円

1 負担金の概要

 老人福祉施設保護費負担金は、老人の健康の保持及び生活の安定を図り老人の福祉に資するため、市町村(特別区を含む。)が、身体上又は精神上の理由等により居宅において必要な養護を受けることが困難な老人を特別養護老人ホーム又は養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)に入所させ養護する場合に、その費用の一部を国が負担するものである。
 そして、この負担金の各事業主体に対する交付額は、次により算定することとなっている。

老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるものの図1

 この費用の額及び徴収金の額は、それぞれ次により算定することとなっている。

(ア) 費用の額は、老人ホームを運営するための事務費(老人ホームの所在地域、入所定員等の別に応じて入所した老人1人当たり月額で定められている。)と入所した老人の生活費(地域別に1人当たり月額で定められている。)とを加えた額に入所人員を乗じて年間の施設ごとの額を算出し、これに移送費等を加えて算定する。

(イ) 徴収金の額は、入所した老人の前年の収入から租税、社会保険料、医療費等の必要経費を控除したもの(以下「対象収入」という。)に応じて定められている額と、その老人の主たる扶養義務者の前年分の所得税額等に応じて定められている額とを加えて算定する。
 ただし、4月から6月までの徴収金の額の算定については、入所した老人の前々年の対象収入、主たる扶養義務者の前々年分の所得税額等に応じて定められている額による。

2 検査の結果

 検査の結果、北海道札幌市ほか31事業主体では、対象収入等の認定に当たって調査が十分でなく、老人の収入を誤認するなどして対象収入を過小に算定したり、主たる扶養義務者の認定を誤っていたり、主たる扶養義務者の所得税額等を誤認して実際の額より少ないとしたりなどして、徴収金の額を過小に算定していた。このため国庫負担対象事業費が過大に精算されていて、国庫負担金39,803,036円が不当と認められる。
 上記の徴収金の額を過小に算定していた事態について一例を示すと次のとおりである。

事例 > 老人の対象収入を過小に算定していたもの

 A事業主体では、平成8年度に、特別養護老人ホームに入所している老人Bについて、同人の7年の対象収入は、国民年金486,764円であるとして、8年7月から9年3月までの徴収金の額を157,500円と算定していた。そして、8年4月から6月までの徴収金の額については、6年の対象収入により、47,400円と算定し、8年度分の徴収金の額を合計204,900円と算定していた。
 しかし、実際は、7年の対象収入は、不動産の売却に伴う所得が4,936,500円あるので、これを加えた5,423,264円であった。これにより8年7月から9年3月までの徴収金の額を計算すると2,160,000円となる。したがって、8年度分の徴収金の額は8年4月から6月までの徴収金の額47,400円との合計2,207,400円となり、差し引き2,002,500円過小となっていた。

 また、これを道府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。


道府県名 事業主体 年度 国庫負担対象事業費 左に対する国庫負担金 不当と認める国庫負担対象事業費 不当と認める国庫負担金 摘要

(72)

北海道

札幌市

8
千円
5,928,159
千円
2,964,079
千円
4,239
千円
2,119

老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(73)  同 室蘭市 8 876,916 438,458 2,019 1,009
(74)  同 江別市 8 435,867 217,933 2,243 1,121
(75)  同 北広島市 8 259,372 129,686 2,160 1,080
(76) 青森県 青森市 8 1,556,442 778,221 3,205 1,602
(77)  同 八戸市 8 1,137,209 568,604 3,756 1,878
(78) 宮城県 仙台市 8 4,753,540 2,376,770 12,180 6,090
(79)  同 塩竃市 8 314,105 157,052 1,970 985 主たる扶養義務者の所得税額等を誤認していたものなど
(80)  同 名取市 8 214,365 107,182 1,340 670 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(81) 秋田県 十文字町 8 119,329 59,664 2,051 1,025
(82) 群馬県 前橋市 8 1,445,796 722,898 1,516 758
(83)  同 伊勢崎市 8 568,666 284,333 2,519 1,259
(84) 千葉県 松戸市 8 1,111,757 555,878 2,963 1,481
(85) 石川県 七尾市 8 293,297 146,648 1,813 906
(86)  同 志賀町 8 147,536 73,768 1,002 501
(87) 大阪府 大阪市 8 13,681,204 6,840,602 3,185 1,592 主たる扶養義務者の認定を誤っていたものなど
(88)  同 箕面市 8 429,410 214,705 2,581 1,290 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(89) 和歌山県 和歌山市 8 2,302,095 1,151,047 2,443 1,221 主たる扶養義務者の認定を誤っていたものなど
(90)  同 橋本市 8 226,313 113,156 2,653 1,326 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(91) 岡山県 岡山市 8 3,878,318 1,939,159 7,416 3,708
(92)  同 倉敷市 8 2,116,513 1,058,256 763 381
(93) 山口県 新南陽市 8 266,462 133,231 1,122 561
(94) 香川県 高松市 8 2,024,658 1,012,329 2,091 1,045 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(95) 高知県 南国市 8 337,633 168,816 1,020 510
(96)  同 佐川町 8 287,131 143,565 1,044 522
(97) 福岡県 北九州市 8 6,059,236 3,029,618 1,405 702
(98)  同 久留米市 8 1,247,339 623,669 1,055 527
(99)  同 甘木市 8 405,838 202,919 1,522 761
(100)  同 穂波町 8 420,452 210,226 2,257 1,128
(101) 大分県 宇佐市 8 543,935 271,967 877 438
(102) 宮崎県 宮崎市 8 1,512,013 756,006 1,333 666
(103)  同 日南市 8 515,597 257,798 1,847 923
(72)−(103) の計

55,416,519 27,708,259 79,606 39,803