科目 | (年金勘定) (年金勘定) |
(款)保険料収入 | (項)保険料収入 (項)農業者年金事業給付費 |
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部局等の名称 | 農業者年金基金 | ||||
事業の根拠 | 農業者年金基金法(昭和45年法律第78号) | ||||
事業名 | 農業者年金事業 | ||||
事業の概要 | 農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資するとともに、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することを目的として、農業者に対して経営移譲年金等の給付を行う事業 | ||||
(1) | 3年以上の長期にわたり未加入となっている者 | 2,870人 | 左の者が加入していないことにより徴収できない保険料相当額 | 11億8232万余円 | |
(2) | 長期未納となっている者 | 5,606人 | 左の者から時効により徴収できなくなった保険料額 | 14億4666万余円 | |
(3) | 支給の際の確認が適切に行われていない事態に係る経営移譲年金の受給権者 | 50人 | 左の者に対する不適切な年金支給額 | 7175万余円 | |
(4) | 特定譲受者が保険料を納めていなかったり資格を喪失していたりしている加算付経営移譲年金の受給権者 | 441人 | 左の者に係る支給済加算相当額 | 2億6262万余円 |
(平成10年3月26日付け 農業者年金基金理事長あて)
標記について、会計検査院法第36条の規定により、下記のとおり改善の処置を要求する。
記
1 制度の概要
貴基金では、農業者年金基金法(昭和45年法律第78号)に基づき、国民年金の給付と相まって農業者の老後の生活の安定及び福祉の向上に資するとともに、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与することを目的として、農業者に対して経営移譲年金、農業者老齢年金等の給付を行う農業者年金事業を実施している。
農地及び採草放牧地(以下「農地等」という。)につき耕作又は養畜の事業を行う国民年金の被保険者(被用者年金の被保険者等を除く。)であって、所有権又は使用収益権に基づいてその事業に供する農地等の面積の合計が50アール以上である農業者は、農業者年金の被保険者とするとされている(以下、この農業者を「当然加入被保険者」という。)。
また、農地等の面積の合計が50アール未満であっても30アール以上で一定の要件を満たす農業者などは、貴基金に申し出て農業者年金の被保険者となることができるとされている。
農業者年金事業における給付のうち主なものは、経営移譲年金と農業者老齢年金である。
経営移譲年金は、後継者(直系卑属のうちの1人又はその配偶者)又は第三者への経営移譲を援助促進して農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するため、経営移譲を行った者に対し支給されるものである。そして、後継者又は第三者のうち、農業者年金の被保険者等である農業専従者(以下「特定譲受者」という。)に農地等が集約されるような経営移譲を誘導し、効果を一層高めるため、経営移譲時に特定譲受者である者を相手方として経営移譲を行った場合には、一定の額を加算した経営移譲年金(以下「加算付経営移譲年金」という。)を支給することとされている。
また、農業者老齢年金は、経営移譲を行わなかった者が65歳に達したときに、老後の生活の安定に資するため支給されるものである。
(1) 支給要件
経営移譲年金は、保険料納付済期間等が原則として20年以上あり、かつ、65歳に達する前に適格な経営移譲を行った者に対し、経営移譲を行ったとき(60歳前に経営移譲を行った場合は60歳に達したとき)から支給されるものである。
上記の適格な経営移譲とは、経営移譲を行う者が経営移譲の終了日の1年前の日において農地等を原則として30アール以上有する者であり、かつ、この農地等について、後継者又は第三者に耕作目的で所有権を移転し又は使用収益権を設定するなどの処分を行い、農業経営を廃止又は縮小することとされている。
(2) 支給の際の確認
貴基金では、経営移譲については、経営移譲前から経営移譲後までの各段階で、農地等の権利名義の変更だけではなく、農業共済関係等の名義(以下「諸名義」という。)の変更についても、確認、指導を行い、実体を伴った経営移譲を確保することとしている。
また、受給権者が生存していること、受給権者が農業を再開するなどの支給停止事由に該当していないことなどを確認するため、経営移譲年金の裁定後、毎年、受給権者から受給権者現況届(以下「現況届」という。)を提出させることとされている。そして、現況届を提出しなかった受給権者については、その届出がなされるまでの間、経営移譲年金の支払を差し止めることとしている。
貴基金では、農業者年金事業の業務が広範囲にわたること、その対象者も多いことなどから、その業務の一部を市町村及び農業協同組合(以下「農協」という。)に委託しており、平成8年度では、3,217市町村及び2,233農協と業務委託契約を締結している。市町村に委託する業務は、農地等の権利関係についての事実確認等が主となるため、農業委員会がこの業務を行っている。
上記の業務委託契約に基づき、農業委員会及び農協が行う業務の内容は、次のようになっている。
(ア) 農業委員会では、受給権者の給付に係る裁定請求書(以下「裁定請求書」という。)、現況届等の記載内容の事実確認及び貴基金への送付、受給権者の支給要件に関する貴基金の審査に必要な資料の整備などの業務を行う。
(イ) 農協では、被保険者から提出された裁定請求書の受理、点検及び農業委員会への送付、保険料の収納及び納付の督励などの業務を行う。
農業者年金のうち、経営移譲年金については、被保険者の納付する保険料、運用収入及び国の助成により、また、農業者老齢年金については、被保険者の納付する保険料及び運用収入により賄われることとなっている。
経営移譲年金については、昭和61年度以降は追加の助成も行われていて、その結果、平成7、8両年度については、給付額の全額が国の助成となっている。
農業者年金事業の現状は、次のようになっている。
(ア) 農業者年金の被保険者数及び受給権者数の推移をみると、元年度末において、被保険者約62万5千人、受給権者約64万6千人で成熟度(被保険者数に対する受給権者数の割合)が1を超え、8年度末には被保険者約34万人、受給権者約74万7千人で成熟度は2を超えている。そして、4年度から8年度までにおける農業者年金事業の給付額及び給付の財源については次表のとおりとなっている。また、過去の保険料等の積立金額は年々減少している。
年度 | 給付額 | 給付の財源 | 過去の保険料等の積立金 | |||||
経営移譲年金 A | 農業者老齢年金等 | 計 | 当年度保険料収入 | 国の助成 B | 〔B/A〕 | その他 (注) |
||
4 |
百万円 162,266 |
百万円 68,360 |
百万円 230,626 |
百万円 70,675 |
百万円 104,496 |
〔%〕 〔64.3〕 |
百万円 55,480 |
百万円 352,319 |
5 | 137,097 | 75,476 | 212,573 | 70,118 | 104,511 | 〔76.2〕 | 37,943 | 328,859 |
6 | 121,706 | 84,662 | 206,369 | 68,172 | 108,183 | 〔88.8〕 | 30,012 | 309,953 |
7 | 101,441 | 91,469 | 192,910 | 65,483 | 101,441 | 〔100.0〕 | 25,986 | 292,831 |
8 | 89,710 | 96,188 | 185,899 | 61,399 | 89,710 | 〔100.0〕 | 34,789 | 263,842 |
(注) 「その他」は、過去の保険料等の積立金、運用収入などからの充当分である。
(イ) 加入の状況をみると、当然加入被保険者としての要件を満たしているのに未加入となっている者(以下「未加入者」という。)は、8年4月現在、約2万8千人で、当然加入被保険者(約18万9千人)に対する加入率は84.8%となっている。
(ウ) 保険料の収納状況をみると、収納率は、昭和56年度の94.6%を最高にそれ以降毎年低下していて、平成8年度は81.3%となっている。また、長期未納者(注1) の数は、8年度末で約5万1千人と被保険者(約34万人)の10%を超える状況となっており、近年増加傾向にある。
(注1) 長期未納者 直近の保険料収納対象月数24月のうち保険料の未納月数が12月以上ある者
2 本院の検査結果
上記のように、近年、受給権者数は被保険者数を大きく上回り、また、給付額も保険料の収納額を大きく上回っている。
このようなことから、国においては、農業者年金事業の改善を図るため、数次の法改正により、加入要件の緩和、給付体系の変更等の措置のほか、国庫助成の追加の措置を執っている。
そして、貴基金においては、未加入者の加入促進及び未納者の収納促進を図るため、未加入者には加入勧奨文、長期未納者には納付勧奨通知書を送付するとともに、農業委員会や農協に対しては、未加入者名簿の整備、未納者対策カードの作成、積極的な戸別訪開の実施などを行うよう指導している。
そこで、貴基金における農業者年金事業の実施が適切なものとなっているかという観点から、次の事項について調査することとした。
(1) 農業者年金の未加入者について、効果的な加入促進活動が実施されているか。
(2) 保険料の収納について、収納額、未納保険料額等の管理が適時的確に行われているか、また、効果的な収納対策が実施されているか。
(3) 支給の際の確認について、実体を伴った経営移譲を明確にするための諸名義の変更等に関する裁定請求時、現況届の提出時及び経営移譲後における確認、指導が適切に実施されているか。
(4) 加算付経営移譲年金について、特定譲受者が、経営移譲を受けた後も引き続き農業者年金の被保険者資格を維持していて、加算付経営移譲年金の効果が確保されているか。
(1) 農業者年金の未加入者について
北海道ほか26府県(注2) の213市町村を対象として調査した。
(2) 保険料の収納について
北海道ほか26府県の288農協(支所を含む。以下同じ。)を対象として調査した。
(3) 支給の際の確認について
北海道ほか26府県の213市町村において、5年1月から7年12月までに裁定を受けた経営移譲年金の受給権者等5,827人のうち1,118人を対象として調査した。
(4) 加算付経営移譲年金について
北海道ほか42府県(注3) の880市町村において、4年1月から7年12月までに裁定を受けた加算付経営移譲年金の受給権者の後継者5,204人を対象として調査した。
調査の結果、次のように適切とは認められない事態が見受けられた。
(1) 農業者年金の未加入者について
204市町村において、9年4月1日現在、未加入者名簿に登載されている者が3,321人おり、このうち、3年以上の長期にわたり未加入者名簿に登載されている者は、200市町村において2,870人見受けられた。これら2,870人が加入していないことにより徴収できない保険料相当額は、7年1月から8年12月までの間で、計11億8232万余円となっていた。
このほか、8年度において、経営移譲を受けた後継者で未加入者名簿に登載しなければならないのに登載されていないものが103市町村において298人見受けられた。
そして、未加入者に対する加入促進活動についてみると、159市町村の農業委員会では、継続的に加入促進を行うために必要な未加入者の状況、接触の経緯等の記録が整備されておらず、116市町村の農業委員会では、未加入者に対する戸別訪問が過去3年間にわたって全く実施されていない状況であった。
(2) 保険料の収納について
288農協(被保険者数32,776人)のうち、271農協において長期未納者が5,606人見受けられた。これら未納者について、8年度末で保険料14億4666万余円が時効により徴収できなくなっていた。
そして、保険料の収納対策についてみると、212農協では、継続的な収納対策を行うために必要な未納者の状況、接触の経緯等の記録が整備されておらず、182農協では、長期未納者に対する戸別訪問が全く実施されていない状況であった。また、78農協では、安定した収納が期待できる自動振替の利用が50%以下となっていた。
(3) 支給の際の確認について
21市町において、受給権者の現況の確認等が適切に行われていなかったため、諸名義が変更されておらず、経営移譲の確認が十分できていない者が33人、農地の返還を受けるなど支給停止事由に該当している者などが17人、計50人見受けられた。これらの者に対する不適切な支給額は、それぞれ6180万余円、995万余円、計7175万余円となっていた。
また、受給権者が現況届を提出しておらず、経営移譲年金の支払が差し止められている場合について、受給権者が死亡していたり、受給権者へ農地が返還されていたりなどしていたのに、調査、指導が十分行われていなかったため、これら事態の発生から死亡届等必要な届書が提出されるまで1年以上経過しているものが、37市町村で72人見受けられた。
(4) 加算付経営移譲年金について
加算付経営移譲年金の受給権者の後継者が、経営移譲を受けた後、保険料を納めていなかったり、被用者年金の被保険者へ移行したことなどにより、農業者年金の被保険者資格を喪失していて、加算が付いていない経営移譲年金の受給権者の後継者への経営移譲と変わらない状況となっていたりしていた。このように受給権者に支給されている加算付経営移譲年金の効果が確保されているとは認められない事態が、次のように見受けられた。
(ア) 後継者154人は、農業者年金に加入したものの、経営移譲を受けた後、保険料を全く納めていなかった。このうち121人については、経営移譲を受ける直前に加入するなど前1年以内の加入となっていた。また、後継者180人は、経営移譲を受けた後、一部の期間について保険料を納めてはいるものの、納付すべき保険料の2分の1以上について未納となっていた。このうち144人ついては、経営移譲を受ける前1年以内の加入となっていた。
(イ) 後継者107人は、経営移譲を受けた後1年以内に被保険者資格を喪失していた。このうち86人については、経営移譲を受ける直前に加入するなど前1年以内の加入となっており、さらに、86人のうち13人は、経営移譲を受けた後、保険料を全く納めていなかった。
そして、上記(ア)、(イ)の事態になっている後継者154人、180人、107人、計441人に係る受給権者に支給された加算付経営移譲年金は10億5624万余円となっており、このうち加算相当額は2億6262万余円となっていた。
上記のように、未加入者が多数いたり、時効により徴収できなくなった保険料が多額に上っていたり、支給の際の確認が適切に行われていなかったり、加算付経営移譲年金の効果が確保されているとは認められなかったりしている事態が見受けられた。これらの事態は、被保険者からの保険料及び国からの多額の助成により賄われている農業者年金事業が適切に実施されていないもので、改善の必要があると認められる。
このような事態が生じているのは、農業就業人口の減少等我が国の農業、農村を巡る情勢が大きく変化した事情及び農業者の制度への理解不足などの事情もあるが、貴基金における農業者年金事業の実施については、次のようなことなどによると認められる。
(1) 農業者年金の未加入者について
(ア) 農業委員会において、加入促進活動の基礎となる未加入者名簿の整備を的確に行っていないこと、継続的に加入促進を行うために必要な未加入者の状況、接触の経緯等の記録を十分整備していないこと及び未加入者に対し、より効果的と思われる戸別訪問を積極的に行っていないこと
(イ) 貴基金において、加入促進のための実施方針等を作成し農業委員会等に示しているものの、効果的な対策を執り得るような指導を十分行っていないこと
(2) 保険料の収納について
(ア) 農協において、保険料未納者の未納保険料等の状況を適切に把握、管理し、継続的な収納対策を行うために必要な未納者の状況、接触の経緯等の記録を十分整備していないこと及び長期未納者に対し、より効果的と思われる戸別訪問を積極的に行っていないこと
(イ) 貴基金において、収納促進のための実施方針等を作成し農協に示しているものの、効果的な対策を執り得るような指導を十分行っていないこと及び保険料の自動振替の利用が低調な農協に対する指導を十分行っていないこと
(3) 支給の際の確認について
(ア) 農業委員会において、裁定請求時、現況届の提出時及び経営移譲後における確認、指導、さらに、支払が差止めとなっている者に対する調査、指導を十分行っていないこと
(イ) 貴基金において、農業委員会に対する指導を十分行っていないこと
(4) 加算付経営移譲年金について
(ア) 農協において、特定譲受者の保険料の未納に関し、他の被保険者と区分した取扱いとしていないこと
(イ) 貴基金において、加算付経営移譲年金の支給に当たり、特定譲受者が経営移譲を受けた後も被保険者資格を維持し、加算付経営移譲年金の効果が確保されるよう制度の趣旨の徹底を図っていないこと、また、上記(ア)について、貴基金の農協に対する指導を十分行っていないこと
3 本院が要求する改善の処置
我が国の農業や農村を取り巻く状況は大きく変化しており、農業就業人口は今後も減少していくことが見込まれている。このような状況の下にあって、多額な国費を投入している農業者年金事業においては、より適切な事業の実施が求められている。
ついては、前記の事態にかんがみ、貴基金において、次のような改善のための処置を講ずる要があると認められる。
(1) 農業者年金の未加入者について
未加入者名簿の的確な整備及び未加入者の状況、接触の経緯等の記録の整備を図り、積極的な戸別訪問を行うことなどにより、効果的な加入促進が行われるよう農業委員会を指導すること
(2) 保険料の収納について
未納者の状況、接触の経緯等の記録の整備を図り、長期未納者については積極的な戸別訪問を行うことなどにより、効果的な収納対策が行われるよう農協を指導するとともに、保険料の自動振替の利用の促進について効果的な普及指導を図ること
(3) 支給の際の確認について
給付の適正化を図るため、諸名義の変更を確実に行うことなどについて、経営移譲者に対する周知徹底及び農業委員会における事実確認の徹底を図るよう農業委員会を指導するとともに、支払が差止めとなっている者について、農業委員会に対し積極的にその状況を照会するなどして、早期に適切な処理を行うよう努めること
(4) 加算付経営移譲年金について
特定譲受者については、上記(2)の長期未納者と同様に、効果的な収納対策が行われるよう農協を指導するとともに、特定譲受者に対し、経営移譲後も加算付経営移譲年金の効果が引き続き確保されるよう制度の趣旨の徹底を図ること
(注2) 北海道ほか26府県 北海道、京都、大阪両府、秋田、茨城、群馬、埼玉、千葉、神奈川、富山、山梨、岐阜、愛知、三重、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、広島、徳島、愛媛、高知、福岡、佐賀、大分、沖縄各県
(注3) 北海道ほか42府県 北海道、京都府、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、富山、石川、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄各県
上記のとおり改善の処置を要求したところ、農業者年金基金では、本院指摘の趣旨に沿い、農業委員会等の業務受託機関に対し、平成10年3月に通知を発するなどして、次のような処置を講じた。
(1) 農業者年金の未加入者については、未加入者名簿を的確に整備させるとともに、未加入者の状況、接触の経緯などを記録する加入勧奨記録簿を新たに作成整備し、これにより戸別訪問を主体に積極的に加入促進を行うよう農業委員会を指導した。
(2) 保険料の収納については、長期未納者等を重点に未納者対策カードを整備することとし、これにより戸別訪問を主体に積極的に収納対策を行うよう農協を指導するとともに、保険料の自動振替の利用の促進を図った。
(3) 支給の際の確認については、諸名義の変更を確実に行うことなどについての経営移譲者への周知及びその事実確認を徹底するよう農業委員会を指導した。そして、その事務処理が的確に推進されるよう経営移譲管理カード及び諸名義未変更者リストを作成整備し、また、年金の支払が長期間差止めとなっている者に対する実態調査要領を制定した。
(4) 加算付経営移譲年金については、特定譲受者個々の納付状況の把握など上記(2)の処置を講ずるとともに、経営移譲を受ける後継者向けの資料を農業者年金基金で作成し、経営移譲者だけではなく特定譲受者に対しても制度の趣旨の徹底を図るよう農協及び農業委員会を指導した。