会計名及び科目 | 一般会計 国税収納金整理資金 (款)還付金 (項)各税還付金 |
部局等の名称 | 麹町税務署 |
支払の根拠 | 法人税法(昭和40年法律第34号)、国税通則法(昭和37年法律第66号) |
還付加算金の内容 | 法人税の還付金又は過納金に加算されるもの |
支払の相手方 | 1法人 |
還付加算金の支払額 | 1,070,854,400円 |
過大に支払われた還付加算金額 | 956,953,000円 |
1 還付加算金の概要
税務署では、法人税法(昭和40年法律第34号)、国税通則法(昭和37年法律第66号)に基づき、法人税に係る還付金又は過納金(注) があるときはこれを還付することとなっている。この還付金又は過納金を還付する場合には、還付金等の区分により定められている日の翌日(以下「計算の始期」という。)から還付のための支払決定の日までの期間の日数に応じ、還付金又は過納金の金額に年7.3%の割合を乗じて計算した金額を還付加算金として還付金又は過納金に加算することとなっている。
還付加算金の計算の始期は、還付金については納付があった日の翌日となっており、過納金についてはその区分により次のとおりとなっている。
ア 更正等により納付すべき税額が確定した法人税及び賦課決定により納付すべき税額が確定した加算税が、減額更正等により過納金となったものについては、納付があった日の翌日
イ 納税者からの更正の請求に基づく減額更正により納付すべき税額が減少した法人税に係る過納金については、次のいずれか早い日の翌日
〔1〕 更正の請求があった日の翌日から起算して3月を経過する日
〔2〕 減額更正があった日の翌日から起算して1月を経過する日
(注) 法人税に係る還付金又は過納金 還付金とは、予定的なものとして納付した法人税が、確定した税額を超える場合のその超過納付額をいい、過納金とは、納付のときには適法な法人税の納付であったものが、その後の減額更正等により超過納付となった場合のその超過納付額をいう。
2 検査の結果
麹町税務署では、平成9年7月18日、A会社に対して〔1〕 昭和60年4月から61年3月までの事業年度分の法人税の還付金81,529,000円、〔2〕 58年4月から61年3月までの3事業年度分の法人税の過納金1,267,871,200円及び〔3〕 〔2〕 の法人税に係る過少申告加算税の過納金58,789,000円並びに〔1〕 、〔2〕 及び〔3〕 に係る還付加算金1,070,854,400円を支払っていた。
検査したところ、上記の還付加算金の計算に当たり、〔2〕 の法人税の過納金については、増額更正により確定した法人税額がその後の減額更正により減少したため生じたもの(前記アの区分に該当)であるとして、計算の始期を納付があった日の翌日である61年5月14日から平成元年6月30日とし、支払決定の日(9年7月18日)までの期間の日数を2,941日から4,084日としていた。
しかし、この過納金は、9年4月17日のA会社からの更正の請求に基づき同年6月30日に減額更正したことにより生じたもの(前記イの区分に該当)であることから、還付加算金の計算の始期は、更正の請求があった日の翌日から起算して3月を経過する日(7月17日)と減額更正があった日の翌日から起算して1月を経過する日(7月31日)とのいずれか早い日の翌日である7月18日となる。よって、支払決定の日が同月同日であることから、還付加算金が加算される期間の日数は1日となる。
したがって、前記〔1〕 、〔2〕 及び〔3〕 に係る適正な還付加算金を計算すると113,901,400円となり、956,953,000円が過大に支払われていた。
これは、過納金に係る還付加算金の支払に当たり、法令の適用を誤ったことによるものである。
なお、この過大支払額については、本院の指摘により、11年10月に全額が返納された。