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  • 平成10年度|
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老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるもの


(54)−(78) 老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)老人福祉費
部局等の名称 北海道ほか15都府県
国庫負担の根拠 老人福祉法(昭和38年法律第133号)
事業主体 市23、特別区1、村1、計25事業主体
国庫負担対象事業 老人福祉施設保護事業
国庫負担対象事業の概要 老人の健康保持等のため、平成9年度に養護を必要とする老人を特別養護老人ホーム等に入所させ養護するもの
上記に対する国庫負担金交付額の合計 34,030,584,612円
不当と認める国庫負担金交付額 32,510,518円

1 負担金の概要

 老人福祉施設保護費負担金は、老人の健康の保持及び生活の安定を図り老人の福祉に資するため、市町村(特別区を含む。)が、身体上又は精神上の理由等により居宅において必要な養護を受けることが困難な老人を特別養護老人ホーム又は養護老人ホーム(以下「老人ホーム」という。)に入所させ養護する場合に、その費用の一部を国が負担するものである。
 そして、この負担金の各事業主体に対する交付額は、次により算定することとなっている。

老人福祉施設保護費負担金の経理が不当と認められるものの図1

 この費用の額及び徴収金の額は、それぞれ次により算定することとなっている。

(ア) 費用の額は、老人ホームを運営するための事務費(老人ホームの所在地域、入所定員等の別に応じて入所した老人1人当たり月額で定められている。)と入所した老人の生活費(地域別に1人当たり月額で定められている。)とを加えた額に入所人員を乗じて年間の施設ごとの額を算出し、これに移送費等を加えて算定する。

(イ) 徴収金の額は、入所した老人の前年の収入から租税、社会保険料、医療費等の必要経費を控除したもの(以下「対象収入」という。)に応じて定められている額と、その老人の主たる扶養義務者の前年分の所得税額等に応じて定められている額とを加えて算定する。
 ただし、4月から6月までの徴収金の額の算定については、入所した老人の前々年の対象収入、主たる扶養義務者の前々年分の所得税額等に応じて定められている額による。

2 検査の結果

 北海道ほか20都府県の小樽市ほか78事業主体について検査したところ、北海道ほか15都府県の帯広市ほか24事業主体では、徴収金の額の算定が次のとおり適切でなかった。
 すなわち、上記の25事業主体では、対象収入等の認定に当たって調査が十分でなく、老人の収入を誤認するなどして対象収入を過小に算定したり、主たる扶養義務者の所得税額等を誤認して実際の額より少ないとしたり、主たる扶養義務者の認定を誤っていたりなどして、徴収金の額を過小に算定していた。
 このため国庫負担対象事業費が過大に精算されていて、国庫負担金32,510,518円が不当と認められる。
上記の徴収金の額を過小に算定していた事態について一例を示すと次のとおりである。

<事例>  老人の対象収入を過小に算定していたもの

 A事業主体では、特別養護老人ホームに入所している老人Bについて、平成9年4月から6月までの徴収金の額を、同人の7年の対象収入385,924円(国民年金405,164円から医療費等の必要経費19,240円を控除)により27,300円と算定し、9年7月から10年3月までの徴収金の額を、同人の8年の対象収入323,068円(国民年金406,098円から国民健康保険料等の必要経費83,030円を控除)により42,300円と算定していた。そして、9年度分の徴収金の額を合計69,600円としていた。
 しかし、実際は、不動産の売却に伴う所得が7年に1,171,464円、8年に8,144,041円あるので、正しい対象収入はこれを加えた7年1,557,388円、8年8,467,109円であった。
 これにより徴収金の額を計算すると、9年4月から6月までの分は256,200円、9年7月から10年3月までの分は2,023,200円、計2,279,400円となり、差し引き2,209,800円が過小となっていた。
また、これを都道府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。


都道府県名 事業主体 年度 国庫負担対象事業費 左に対する国庫負担金 不当と認める国庫負担対象事業費 不当と認める国庫負担金 摘要

(54)

北海道

帯広市

9
千円
1,130,115
千円
565,057
千円
2,588
千円
1,294

主たる扶養義務者の認定を誤っていたものなど
(55)   富良野市 9 404,241 202,120 1,524 762 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(56) 岩手県 花巻市 9 572,684 286,342 3,172 1,586 老人の対象収入を過小に算定していたもの
(57) 山形県 山形市 9 1,495,808 747,904 1,183 591 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(58)   米沢市 9 921,284 460,642 3,815 1,907
(59) 福島県 郡山市 9 970,920 485,460 9,277 4,638
(60) 埼玉県 東松山市 9 263,926 131,963 2,083 1,041 主たる扶養義務者の所得税額等を誤認していたものなど
(61)   岩槻市 9 283,685 141,842 688 344 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(62) 東京都 足立区 9 2,567,562 1,283,781 967 483
(63) 神奈川県 横浜市 9 11,190,684 5,595,342 4,940 2,470
(64)   川崎市 9 3,708,355 1,854,177 1,289 644
(65) 愛知県 名古屋市 9 10,393,836 5,196,918 4,481 2,240
(66)   瀬戸市 9 553,798 276,899 1,759 879
(67) 三重県 津市 9 1,419,943 709,971 2,585 1,292 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(68) 京都府 綾部市 9 467,922 233,961 2,388 1,194
(69) 大阪府 大阪市 9 15,260,765 7,630,382 1,598 799
(70)   守口市 9 669,997 334,998 5,150 2,575
(71) 兵庫県 明石市 9 1,003,084 501,542 2,420 1,210 主たる扶養義務者の所得税額等を誤認していたものなど
(72)   篠山市 9 250,235 125,117 1,215 607 老人の対象収入を過小に算定していたものなど
(73) 広島県 広島市 9 5,613,092 2,806,546 2,889 1,444
(74) 愛媛県 松山市 9 1,981,842 990,921 4,960 2,480
(75)   今治市 9 711,881 355,940 803 401
(76) 福岡県 福岡市 9 5,498,466 2,749,233 1,086 543
(77) 沖縄県 糸満市 9 567,540 283,770 1,028 514 主たる扶養義務者の所得税額等を誤認していたものなど
(78)   豊見城村 9 159,491 79,745 1,120 560
(54)−(78) の計
68,061,169 34,030,584 65,021 32,510