会計検査院の検査対象のうち、国の会計及び政府関係機関その他国が資本金の2分の1以上を出資している法人について、歳入歳出、債務等の状況、またこれら検査対象相互間の資金の受払等である、国の会計間の繰入れ、政府出資、財政投融資等の状況、さらに検査対象のうち特定の決算の状況を示すと、次のとおりである。
第1 国の会計
1 概況
平成10年度における国の一般会計及び38特別会計の歳入及び歳出は、次のとおりである。
一般会計 | 89兆7826億9381万余円 |
特別会計 | 306兆4169億4600万余円 |
合計 | 396兆1996億3981万余円 |
上記の合計額から、会計間の繰入れによる歳入歳出の重複額等170兆8556億8130万余円を控除した歳入の純計額は、225兆3439億5851万余円となっている。この純計額から、更に前年度剰余金の受入れ等21兆2578億3072万余円を控除した純歳入額は204兆0861億2778万余円となる。
一般会計 | 84兆3917億9818万余円 |
特別会計 | 272兆5790億0090万余円 |
合計 | 356兆9707億9908万余円 |
上記の合計額から、会計間の繰入れによる歳入歳出の重複額等170兆4208億6351万余円を控除した歳出の純計額は、186兆5499億3557万余円となっている。
2 一般会計の歳入及び歳出
(1) 歳入
平成10年度における一般会計の収納済歳入額及びその主な内訳(構成比率)は、次のとおりである。
収納済歳入額 |
千円 89,782,693,817 |
|
租税及印紙収入 | 49,431,879,659 | (55.0%) |
公債金 | 33,999,999,735 | (37.9%) |
財政法(昭和22年法律第34号)第4条第1項ただし書の規定により発行された公債(建設公債)の収入金 | 17,049,999,880 | |
公債の発行の特例に関する特別の法律により発行された公債(特例公債)の収入金 | 16,949,999,854 | |
その他 | 6,350,814,422 | (7.1%) |
(2) 歳出
10年度における一般会計の支出済歳出額及びその主な内訳(構成比率)は、次のとおりである。
支出済歳出額 |
千円 84,391,798,185 |
|
社会保障関係費 | 15,658,240,028 | (18.6%) |
文教及び科学振興費 | 7,124,607,698 | (8.4%) |
国債費 | 17,698,532,948 | (20.9%) |
地方交付税交付金 | 14,304,580,000 | (17.0%) |
防衛関係費 | 4,956,118,958 | (5.9%) |
公共事業関係費 | 13,034,234,494 | (15.4%) |
その他 | 11,615,484,057 | (13.8%) |
なお、支出済歳出額に対する前記の公債金33兆9999億9973万余円の割合は40.2%(9年度23.5%)である。これは、昭和41年度に建設公債制度が導入されて以来最も高い割合である。
(3) 会計間の繰入れに係る特例措置
平成10年度においては、「平成10年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律」(平成10年法律第35号)に基づき、国の財政収支の状況にかんがみ、一般会計と特別会計との間の繰入れについて次のとおり特例的な措置が執られた。
(一般会計の歳出に関するもの) | |
厚生保険特別会計(年金勘定)に繰り入れるべき国庫負担金の一部繰延べ |
千円 700,000,000 |
上記の厚生保険特別会計(年金勘定)への国庫負担金の一部繰延べに係るものについては、後日、予算の定めるところにより、この措置により繰延べが行われた額及びこの措置が執られなかったとした場合に生じていたと見込まれる運用収入に相当する額を合算した額に達するまでの金額を、一般会計から当該勘定に繰り入れるものとされている。
3 特別会計の損益等
(1) 一般会計からの繰入額
平成10年度において一般会計から繰入れを受けているものが38特別会計のうち28特別会計あり、その合計額は47兆9365億6639万余円である。このうち、一般会計からの繰入額が1000億円以上のものは、次のとおりである。なお、括弧書きの数値は、当該特別会計(勘定)の収納済歳入額に占める一般会計からの繰入額の割合である。
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) |
千円 14,304,580,000 |
(39.2%) |
|
国債整理基金特別会計 | 17,698,532,948 | (19.0%) | |
産業投資特別会計 | (産業投資勘定) | 382,341,000 | (72.3%) |
(社会資本整備勘定) | 159,044,000 | (58.7%) | |
石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石油及びエネルギー需給構造高度化勘定) | 503,000,000 | (54.2%) | |
国立学校特別会計 | 1,994,153,166 | (60.7%) | |
厚生保険特別会計 | (健康勘定) | 906,148,879 | (10.7%) |
(年金勘定) | 2,830,224,040 | (8.8%) | |
国立病院特別会計 | (病院勘定) | 108,634,418 | (16.3%) |
国民年金特別会計 | (国民年金勘定) | 1,326,490,058 | (20.7%) |
(業務勘定) | 129,939,510 | (6.3%) | |
食糧管理特別会計 | (調整勘定) | 243,444,408 | (10.7%) |
国有林野事業特別会計 | (治山勘定) | 239,786,148 | (97.5%) |
国営土地改良事業特別会計 | 338,819,881 | (54.2%) | |
港湾整備特別会計 | (港湾整備勘定) | 447,935,775 | (73.0%) |
空港整備特別会計 | 208,454,347 | (35.6%) | |
労働保険特別会計 | (雇用勘定) | 308,635,241 | (9.7%) |
道路整備特別会計 | 3,644,286,242 | (61.8%) | |
治水特別会計 | (治水勘定) | 1,354,400,075 | (71.4%) |
(特定多目的ダム建設工事勘定) | 205,922,384 | (51.7%) |
(2) 特別会計の損益
38特別会計の中で法令上損益計算を行っているものが21特別会計ある。この21特別会計のうち、10年度末において翌年度繰越利益金が1兆円以上となっているものは、次のとおりである。
10年度の利益金 (△損失金) |
10年度末における 翌年度繰越利益金 |
||
厚生保険特別会計 |
(年金勘定) |
千円 5,161,320,162 |
千円 132,206,444,045 |
国民年金特別会計 | (基礎年金勘定) | △96,899,579 | 1,767,530,201 |
(国民年金勘定) | 565,065,206 | 9,684,778,978 | |
労働保険特別会計 | (労災勘定) | 458,487,762 | 7,377,787,844 |
(雇用勘定) | △850,032,566 | 4,840,201,369 |
なお、10年度末において翌年度繰越損失金が1兆円以上となっている特別会計はない。(9年度末国有林野事業特別会計(国有林野事業勘定)1兆7537億7616万余円)
4 一般会計及び特別会計の債務
平成10年度一般会計国の債務に関する計算書及び各特別会計債務に関する計算書における債務の年度末現在額の合計は503兆6562億1633万余円である。このうち主なものは次のとおりである。
(1) 公債
公債の10年度末現在額は310兆8354億2401万余円で、前年度末に比べて36兆8413億5386万余円増加している。このうち財政法及び公債の発行の特例に関する特別の法律により発行したもの、これらの借換えに係るもの並びに日本国有鉄道清算事業団承継債務及び国有林野事業承継債務の借換えに係るものは、次のとおりである。
財政法第4条第1項ただし書の規定により発行したもの及びこの公債を借り換えるために発行したもの(建設公債) |
千円 187,462,304,750 |
公債の発行の特例に関する特別の法律により発行したもの及びこの公債を借り換えるために発行したもの(特例公債) | 95,577,040,750 |
日本国有鉄道清算事業団承継債務を借り換えるために発行したもの | 9,436,936,000 |
国有林野事業承継債務を借り換えるために発行したもの | 2,844,337,450 |
計 | 295,320,618,950 |
(2) 借入金
一般会計及び各特別会計における借入金の10年度末現在額の合計は97兆0353億2149万余円で、前年度末に比べて13兆4712億4930万余円増加している。
〔1〕 一般会計の借入金
一般会計の借入金の10年度末現在額は11兆8642億6447万余円で、その主なものは次のとおりである。
交付税及び譲与税配付金借入金 |
千円 3,316,723,000 |
旧日本国有鉄道借入金 | 4,357,350,273 |
旧日本国有鉄道清算事業団借入金 | 4,148,769,235 |
(注) 旧日本国有鉄道清算事業団借入金のうち3,523,126,000千円は10年10月22日に同事業団から承継したもので、全額民間金融機関からの借入金である。その他はすべて資金運用部からの借入金である。
このうち、10年度までに法律の規定により償還を延期する措置が執られたものの10年度末における累計額は次のとおりである。
交付税及び譲与税配付金借入金の償還の延期 |
千円 2,121,300,000 |
旧日本国有鉄道借入金の償還の延期 | 479,369,953 |
旧日本国有鉄道清算事業団借入金の償還の延期 | 212,137,505 |
〔2〕 特別会計の借入金
10年度末において借入金を計上しているものが38特別会計のうち15特別会計あり、この15特別会計の借入金の10年度末現在額の合計は85兆1710億5702万余円で、その主なものは次のとおりである。
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) |
千円 21,185,690,829 |
国立学校特別会計 | 1,013,492,950 |
厚生保険特別会計(健康勘定) | 1,479,228,212 |
国有林野事業特別会計(国有林野事業勘定) | 1,076,377,253 |
国営土地改良事業特別会計 | 1,174,596,794 |
空港整備特別会計 | 1,028,590,000 |
郵便貯金特別会計(金融自由化対策特別勘定) | 55,150,000,000 |
(注) 国有林野事業特別会計(国有林野事業勘定)における借入金のうち166,877,253千円は民間金融機関からのものであり、その他はすべて資金運用部からの借入金である。
5 国有林野事業特別会計における累積債務の処理
平成10年度においては、国有林野事業の危機的な財務状況に対処するため、「国有林野事業の改革のための特別措置法」(平成10年法律第134号)により、同法施行の時(10年10月19日)における国有林野事業特別会計(国有林野事業勘定)の累積債務3兆8875億3675万余円のうち、7年9月29日までに借り入れた資金運用部からの借入金2兆8421億3675万余円を一般会計に帰属させた。
また、残る1兆0454億円については、同特別会計において、同法施行の日から50年を経過した日の属する年度の末日までに処理するものとされている。
6 今後一般会計からの繰入れを要する措置
上記のほか、平成10年度までに国の財政運営に資するなどのため、法律の規定に基づき、一般会計から特別会計に繰り入れるべき国庫負担金の一部を繰り延べたり、特別会計から一般会計に特別に繰り入れたりするなどの措置が執られたものがある。これらのうち、法律の規定により、今後一般会計から当該各特別会計に繰り入れることとされているものの10年度末における累計額は、次のとおりである。
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) |
千円 8,358,629,889 |
|
厚生保険特別会計 | (健康勘定) | 418,300,000 |
(年金勘定) | 2,635,000,000 | |
国民年金特別会計 | (国民年金勘定) | 445,400,000 |
自動車損害賠償責任再保険特別会計 | (保険勘定) | 835,768,984 |
(保障勘定) | 49,000,000 | |
労働保険特別会計 | (雇用勘定) | 60,000,000 |
(注) | 1. 繰延べ等を行った期間に係る運用収入相当額は含まない。 |
2. 交付税及び譲与税配付金特別会計の金額の中には同特別会計の借入金に係るものが3,398,535,000千円含まれる。 |
1 政府出資金
平成10年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人は89法人であり、その政府出資金の額の合計は32兆9808億9337万余円である。このうち、政府出資金の額が1兆円以上の法人は、次のとおりである。
10年度中の政府出資額 | 10年度末における政府出資金の額 | |
中小企業信用保険公庫 |
千円 402,620,000 |
千円 1,544,383,199 |
日本道路公団 | 336,270,000 | 1,602,725,042 |
石油公団 | 61,343,000 | 1,611,968,983 |
雇用促進事業団 | 55,731,601 | 2,047,233,613 |
宇宙開発事業団 | 211,174,000 | 2,642,845,552 |
年金福祉事業団 | 9,330,355 | 1,059,348,137 |
中小企業事業団 | 39,530,000 | 1,228,126,119 |
日本原子力研究所 | 104,191,000 | 1,709,861,617 |
海外経済協力基金 | 350,100,000 | 5,381,844,477 |
核燃料サイクル開発機構 | 127,111,000 | 2,621,648,490 |
2 延滞債権
国が資本金の2分の1以上を出資している法人の貸付金のうち、平成10年度末において弁済期限を6箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高(延滞債権額)が100億円以上のものは、次のとおりである。
延滞債権額 | (貸付金残高) | ||
国民金融公庫 |
千円 264,200,441 |
千円 (9,642,739,703) |
|
住宅金融公庫 | 337,184,385 | (72,145,022,985) | |
農林漁業金融公庫 | 110,327,154 | (4,205,641,624) | |
中小企業金融公庫 | 263,830,715 | (7,497,028,564) | |
北海道東北開発公庫 | 34,497,683 | (1,647,615,262) | |
環境衛生金融公庫 | 33,925,902 | (1,111,263,485) | |
沖縄振興開発金融公庫 | 33,696,758 | (1,754,573,153) | |
日本開発銀行 | 57,594,359 | (17,425,149,848) | |
日本輸出入銀行 | (一般勘定) | 97,920,146 | (11,863,192,853) |
年金福祉事業団 | (一般事業勘定) | 33,856,781 | (10,322,443,987) |
中小企業事業団 | (中小企業倒産防止共済勘定) | 98,835,117 | (390,514,768) |
(高度化、創業促進及び指導研修勘定) | 39,383,897 | (1,157,501,054) | |
社会福祉・医療事業団(一般勘定) | 13,703,635 | (2,410,971,914) | |
日本育英会(一般勘定) | 54,243,420 | (1,602,444,955) | |
商工組合中央金庫 | 455,723,886 | (11,378,031,661) (注) |
|
海外経済協力基金 | 377,784,852 | (9,828,469,021) | |
新エネルギー・産業技術総合開発機構(石炭合理化勘定) | 33,490,508 | (101,158,918) |
(注) 「貸出金」の10年度末残高である。
3 日本国有鉄道清算事業団における長期債務等の処理
平成10年度においては、「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」(平成10年法律第136号)により、同事業団における土地その他の資産の処分等による債務等の処理が困難となっている事態に対処して、当該債務等の抜本的な処理を図ることが緊急の課題となっていることにかんがみ、政府による債務の承継その他同事業団の債務等の処理を図るために必要な措置が執られた。
すなわち、同法に基づき、16兆0301億2905万余円の有利子債務を一般会計において承継するとともに、同事業団の政府に対する8兆1327億5800万円の無利子債務を免除した。また、政府が同事業団に出資していた7935億8526万余円については、なかったものとされた。その他、年金の給付に要する費用等については、同事業団の土地その他の資産を承継する日本鉄道建設公団等が負担することとなった。そして、10年10月22日、同事業団は解散した。
(1) 財政投融資の原資
産業投資特別会計の出資金及び貸付金、資金運用部資金、簡易生命保険特別会計の積立金並びに政府保証債及び政府保証借入金を原資として、財政投融資計画に基づき、国の特別会計、政府関係機関その他国が資本金の2分の1以上を出資している法人、地方公共団体等に対する資金の貸付け、これらの法人が発行する債券の引受け、あるいは出資が行われている。
上記の財政投融資の原資のうち、資金運用部資金は郵便貯金及び郵便振替や国の特別会計の積立金及び余裕金等の資金運用部に預託された資金等を財源としており、その平成10年度末の現在額は次のとおりである。
資金運用部資金 |
千円 436,036,672,486 |
預託金 | 433,273,877,793 |
郵便貯金及び郵便振替 | 250,967,900,000 |
厚生保険特別会計 | 129,116,156,443 |
国民年金特別会計 | 10,380,952,440 |
簡易生命保険特別会計 | 5,291,026,000 |
外国為替資金特別会計 | 9,637,353,999 |
労働保険特別会計 | 9,333,324,616 |
その他預託金 | 18,547,164,294 |
積立金等 | 2,762,794,692 |
また、簡易生命保険特別会計の積立金は同特別会計の決算上生ずる過剰を積み立てたものであり、その10年度末の現在額は次のとおりである。
なお、資金運用部資金の一部及び簡易生命保険特別会計の積立金の一部は、財政投融資計画外として国債の引受け等に運用されている。
(2) 財政投融資の実績
財政投融資計画に係る資金運用部資金等の貸付け等の10年度における実績は52兆7550億4514万余円、同年度末における残高は400兆7982億7065万余円であり、その原資別及び貸付け等先別の内訳は次のとおりである。
財政投融資の原資 | 10年度の貸付け等 | 10年度末の残高 |
産業投資特別会計の出資金及び貸付金 |
千円 447,291,270 |
千円 3,090,099,540 |
資金運用部資金 | 42,742,902,662 | 316,235,129,976 |
簡易生命保険特別会計の積立金 | 6,954,881,212 | 60,121,585,460 |
政府保証債及び政府保証借入金 | 2,609,970,000 | 21,351,455,680 |
計 | 52,755,045,144 | 400,798,270,656 |
(注) 資金運用部資金及び簡易生命保険特別会計の積立金により引き受けた債券は収入金ベースで計上し、政府保証債は額面ベースで計上している(以下、各表も同様)。
貸付け等先 | 10年度の貸付け等 | 10年度末の残高 |
一般会計(注) |
千円 − |
千円 7,974,956,684 |
特別会計 | 12,663,623,289 | 61,665,435,860 |
政府関係機関 | 19,112,270,911 | 136,527,757,252 |
公団・事業団等 | 12,713,162,729 | 115,407,513,550 |
地方公共団体 | 8,239,358,215 | 78,260,233,153 |
その他 | 26,630,000 | 962,374,155 |
計 | 52,755,045,144 | 400,798,270,656 |
(注) 旧日本国有鉄道及び旧日本国有鉄道清算事業団の資金運用部からの借入金並びに資金運用部が引き受けていた旧日本国有鉄道清算事業団債券に係る同事業団の債務を一般会計が承継したものである(下表も同様)。
また、国の会計、政府関係機関その他国が資本金の2分の1以上を出資している法人等のうち、財政投融資計画に係る貸付け等の残高が1兆円以上のものは、次のとおりである。
10年度の貸付け等 | 10年度末の残高 | |
一般会計 |
千円 − |
千円 7,974,956,684 |
特別会計 | ||
国立学校特別会計 | 151,000,000 | 1,013,492,950 |
国営土地改良事業特別会計 | 79,156,289 | 1,174,596,794 |
空港整備特別会計 | 36,400,000 | 1,028,590,000 |
郵便貯金特別会計(金融自由化対策特別勘定) | 12,000,000,000 | 55,150,000,000 |
政府関係機関 | ||
国民金融公庫 | 3,260,000,000 | 9,054,100,000 |
住宅金融公庫 | 6,237,972,686 | 71,852,688,869 |
農林漁業金融公庫 | 260,000,000 | 3,946,922,798 |
中小企業金融公庫 | 1,735,071,250 | 7,163,449,800 |
北海道東北開発公庫 | 294,986,975 | 1,515,541,354 |
公営企業金融公庫 | 1,939,690,000 | 15,282,300,000 |
環境衛生金融公庫 | 324,000,000 | 1,097,360,000 |
沖縄振興開発金融公庫 | 238,200,000 | 1,648,049,431 |
日本開発銀行 | 2,597,350,000 | 15,554,250,000 |
日本輸出入銀行 | 2,225,000,000 | 9,340,295,000 |
公団・事業団等 | ||
日本道路公団 | 2,169,950,350 | 21,244,436,100 |
首都高速道路公団 | 442,697,500 | 3,926,840,125 |
水資源開発公団 | 91,291,325 | 1,406,087,000 |
阪神高速道路公団 | 291,228,500 | 3,199,219,935 |
本州四国連絡橋公団 | 198,109,282 | 2,171,541,807 |
日本鉄道建設公団 | 113,271,782 | 1,646,557,863 |
住宅・都市整備公団 | 987,384,400 | 14,273,246,019 |
簡易保険福祉事業団 | 2,500,000,000 | 13,372,601,000 |
年金福祉事業団 | 4,161,000,000 | 35,472,812,492 |
社会福祉・医療事業団 | 370,600,000 | 2,252,010,620 |
運輸施設整備事業団 | 22,000,000 | 4,367,221,193 |
電源開発株式会社 | 150,550,000 | 1,648,822,475 |
海外経済協力基金 | 708,900,000 | 4,623,244,865 |
地方公共団体 | 8,239,358,215 | 78,260,233,153 |
(3) 財政投融資計画以外の運用
資金運用部資金のうち財政投融資計画以外に運用されているものは、10年度末現在119兆7055億1930万余円であり、その内訳は次のとおりである。
債券 | 千円 |
長期国債 | 90,033,844,560 |
短期国債 | 1,609,470,355 |
外国債 | 475,475,000 |
金融債 | 931,200,000 |
貸付金 | |
一般会計(注) | 3,316,723,000 |
特別会計 | 23,338,743,909 |
交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定) | 21,185,690,829 |
石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計(石炭勘定) | 54,500,000 |
厚生保険特別会計(健康勘定) | 1,479,228,212 |
農業共済再保険特別会計(農業勘定) | 25,924,867 |
貿易保険特別会計 | 127,800,000 |
郵政事業特別会計 | 465,600,000 |
地方公共団体 | 62,482 |
計 | 119,705,519,306 |
(注) 交付税及び譲与税配付金特別会計における資金運用部からの借入金が一般会計に帰属したものである。
また、簡易生命保険特別会計の積立金のうち財政投融資計画以外に運用されているものは、10年度末現在45兆1691億2438万余円であり、その内訳は次のとおりである。
預金 |
千円 6,526,102,310 |
有価証券 | |
長期国債 | 13,941,726,920 |
地方債 | 7,433,061,586 |
政府関係機関債券 | 1,481,152,025 |
特別法人債券 | 1,025,138,262 |
金融債等 | 4,052,564,399 |
外国債 | 4,687,686,189 |
貸付有価証券 | 468,249,465 |
有価証券信託 | 2,169,208,006 |
貸付金 | |
契約者貸付 | 2,506,885,216 |
地方公共団体 | 46,250,000 |
運用寄託金 | 831,100,000 |
計 | 45,169,124,381 |
歳入歳出決算等の検査対象別の概要は第2節に記述するとおりであるが、国の会計等のより的確な理解に資するために、今後、これらの決算状況等を個別に取り上げることにした。
そこで、今回は、交付税及び譲与税配付金特別会計(交付税及び譲与税配付金勘定)の決算について取り上げることとし、その現状を述べると次のとおりである。
交付税及び譲与税配付金特別会計の決算の状況
(1) 地方交付税制度
ア 地方交付税制度の概要
(目的)
地方交付税制度は、地方団体の自主性を損なわずにその財源の均衡化を図り、地方交付税の交付の基準の設定を通じて地方行政の計画的な運営を保障することにより、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化することを目的としている。
(地方交付税の総額)
地方交付税は、地方交付税法(昭和25年法律第211号。以下「交付税法」という。)第6条第1項の規定により、国税の収入額の一定割合(以下「交付税率」という。)とされている。そして、平成10年度の地方交付税は、所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ32%、消費税の収入額の29.5%並びにたばこ税の収入額の25%とされている。
毎年度分として交付すべき地方交付税の総額は、当該年度における国税の収入見込額に交付税率を乗じて得た額の合算額に前年度以前の未精算額を加減した額(以下「国税の法定割合相当額」という。)とするとされている。
(地方財政又は地方行政に係る制度の改正等が行われる場合)
交付税法第6条の3第2項では、毎年度分として交付すべき普通交付税の総額(地方交付税総額の100分の94相当額)が、各地方団体について算定した基準財政需要額が基準財政収入額を超える額の合算額と引き続き著しく異なることとなった場合においては、地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は交付税率の変更を行うものとするとされている。
イ 地方財政計画と地方交付税の関係
内閣は、交付税法第7条の規定に基づき、毎年度地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類(以下「地方財政計画」という。)を作成し、国会に提出するとともに、一般に公表している。
地方交付税は、この地方財政計画において所要額が歳入に計上され、地方団体が標準的な行政水準を確保するために必要な財源を保障する役割を果たしている。
なお、地方財政計画の作成に当たり歳入総額が歳出総額を下回り財源不足が生じる場合には、国税の法定割合相当額とされている地方交付税の総額を増額したり、地方債を増発したりなどして地方財政の運営上支障が生じないよう補てんする措置が講じられている。そして、地方交付税総額を増額する場合の財源は、特別会計の新規の借入れ、一般会計からの繰入額の加算等により確保している。また、年度の途中において、経済対策や税制改正等に伴い国の補正予算が編成される場合にも、同様に所要の財源措置が講じられている。
(2) 交付税及び譲与税配付金特別会計の決算状況
地方交付税の配付に関する経理は、交付税及び譲与税配付金特別会計の交付税及び譲与税配付金勘定(以下「特別会計」という。)で一般会計と区分して行われている。
ア 歳入歳出決算の状況
特別会計の10年度決算は、次表のとおりである。
区分 | 10年度 (A) |
9年度 (B) |
増△減率 (A−B)/B |
収納済歳入額 | 36,458,634,513 | 34,341,310,349 | 6.1 |
(款)他会計より受入 | 14,304,580,000 | 15,480,975,000 | △7.5 |
国税の法定割合相当額 | 13,133,220,000 | 14,898,849,889 | |
加算額 | 1,171,360,000 | 582,125,111 | |
(款)借入金 | 21,185,690,829 | 17,144,440,829 | 23.5 |
その他 | 968,363,684 | 1,715,894,520 | |
支出済歳出額 | 36,097,342,777 | 33,971,715,906 | 6.2 |
(項)地方交付税交付金 | 18,048,865,003 | 17,127,557,221 | 5.3 |
財源内訳 | |||
一般会計より受入 | 14,304,580,000 | 15,480,975,000 | |
新規の借入金 | 4,041,250,000 | 1,769,000,000 | |
剰余金の活用等 | 200,415,003 | 403,482,221 | |
借入金等利子に充当 | △497,380,000 | △525,900,000 | |
(項)国債整理基金特別会計へ繰入 | 17,452,927,848 | 15,763,263,292 | 10.7 |
借入金元金償還金 | 17,144,440,829 | 15,375,440,829 | |
借入金等利子 | 308,487,019 | 387,822,463 | |
その他 | 595,549,925 | 1,080,895,392 | |
(年度末借入金残高) | (21,185,690,829) | (17,144,440,829) | (23.5) |
収納済歳入額のうち(款)他会計より受入は、地方交付税交付金及び借入金等利子に充てる財源を一般会計から繰り入れたもので、国税の法定割合相当額13兆1332億2000万円と交付税法附則に基づく加算額1兆1713億6000万円の計14兆3045億8000万円(前年度比7.5%減)になっている。
また、(款)借入金は、地方交付税総額を増額するなどのために、交付税及び譲与税配付金特別会計法(昭和29年法律第103号)附則第5条の規定に基づき、すべて資金運用部から借り入れたもので、前年度の借入金の借換え17兆1444億4082万余円と新規の借入金4兆0412億5000万円の計21兆1856億9082万余円(前年度比23.5%増)になっている。
一方、支出済歳出額のうち(項)地方交付税交付金は、交付税法に基づいて地方団体に交付された地方交付税の総額で18兆0488億6500万余円(前年度比5.3%増)になっており、上記の一般会計からの繰入額のほかに資金運用部からの新規の借入金などを財源に充てている。また、(項)国債整理基金特別会計へ繰入は、国の国債、借入金等の元利償還等に関する経理を行っている国債整理基金特別会計へ特別会計の借入金等に係る支払財源を繰り入れたもので、借入金の元金償還金17兆1444億4082万余円と借入金等利子3084億8701万余円の計17兆4529億2784万余円(前年度比10.7%増)になっている。
イ 特別会計の借入金
この特別会計の借入金の推移をみると、4年度補正予算以降増大しており、特に、6年度以降は、地方財政計画を作成するに当たり多額の財源不足が生じたことから、これを補うため新規の借入れ等が行われている。これは、主として、〔1〕景気の低迷による地方税及び地方交付税(国税の法定割合相当額)の減少、経済対策に対応した投資的経費の追加等に伴う公債費の増大などから生じた地方財政における通常収支の不足、〔2〕特別減税等に伴う地方税及び地方交付税(国税の法定割合相当額)の減少から生じた地方財政における収入の減に起因している。
また、8年度以降は、交付税法第6条の3第2項の規定に該当する状況になったことから、同項に基づく制度改正として、通常収支の不足を補てんするための地方交付税総額の増額について、国と地方が折半して補てんするなどの措置が講じられ、そのための財源は、主として、資金運用部からの新規の借入れによっている。
このため、特別会計の借入金残高は、3年度末には地方財政の健全化を図る見地から後年度に償還する予定の借入金の返済が行われてきたことなどにより6732億7800万円まで減少したものの、その後増加し、10年度末には21兆1856億9082万余円になっており、そのうち3兆3985億3500万円が国の負担、残りの17兆7871億5582万余円が地方の負担となっている。