この公団は、鉄道の建設等を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もって経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与するとともに、大都市の機能の維持及び増進に資することなどを目的として設置されているものである。その資本金は10事業年度末現在で641億8044万余円(全額国の出資)となっている。
同公団の会計は、一般及び特例業務の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の10事業年度(注1)
の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
なお、同公団は、10年10月22日、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成10年法律第136号)附則第2条の規定により解散した日本国有鉄道清算事業団の国が承継する債務以外の一切の権利及び義務を承継した。(注2)
(注1) 特例業務勘定の10事業年度は、10年10月22日から11年3月31日までである。
(注2)
この承継に係る日本国有鉄道清算事業団の貸借対照表上の資産、負債及び資本は次のとおりである。
運輸施設整備事業団貸付金等の資産3兆4646億6641万余円、長期借入金等の負債9785億0401万余円及び剰余金の資本2兆4861億6240万余円
(一般勘定)
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 771,591,753 | 666,174,740 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 893,966,147 | 927,127,859 |
支出決定済額 | 779,836,082 | 663,198,071 |
翌事業年度繰越額 | 74,683,881 | 109,190,723 |
不用額 | 39,446,183 | 154,739,064 |
翌事業年度繰越額の主なものは、新幹線建設費(支出予算現額2259億1558万余円)の524億4590万余円、民鉄線建設費(同1256億0168万余円)の99億2219万余円及び受託業務費(同179億9138万余円)の63億2586万余円である。また、不用額の主なものは、都市鉄道線建設費(同806億3236万余円)の291億7703万余円及び受託業務費の14億5060万余円である。
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち貸付収入) |
千円 205,176,670 (87,908,861) |
千円 256,556,760 (78,600,741) |
経常費用 (うち債券利息) |
203,910,897 (75,550,956) |
256,962,035 (82,745,876) |
特別損失 | 18 | 2,432 |
当期利益金(△当期損失金) | 1,265,754 | △407,707 |
(利益金又は損失金の処理) | ||
翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 | 1,265,754 | − |
翌事業年度に繰越欠損金として整理 | − | 407,707 |
(繰越欠損金 | 2,908,010 | 2,500,302) |
3 借入金等
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
借入金残高 (資金運用部資金等) |
千円 786,959,271 |
千円 762,274,802 |
鉄道建設債券発行残高 | 2,186,774,000 | 2,178,348,879 |
4 主な業務実績
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |||
新幹線 (東北新幹線ほか) |
建設 | 3線 | 628km | 3線 | 628km |
貸付線 (北陸新幹線ほか) |
貸付 | 10線 | 497km | 10線 | 497km |
地方鉄道新線 (阿佐線ほか) |
建設 | 2線 | 85km | 3線 | 108km |
都市鉄道線 (常磐新線ほか) |
建設 | 3線 | 67km | 3線 | 61km |
民鉄線 (臨海副都心線ほか) |
新線建設 大改良 |
5線 5線 |
29km 43km |
9線 5線 |
70km 43km |
(特例業務勘定)
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 |
千円 | |
(収入) | |
収入決定済額 | 229,028,814 |
(支出) | |
支出予算現額 | 383,403,484 |
支出決定済額 | 245,175,913 |
翌事業年度繰越額 | 50,843,774 |
不用額 | 87,383,795 |
翌事業年度繰越額の主なものは、貸付金(支出予算現額1000億円)の466億9900万円及び用地対策費(同445億8502万余円)の37億5182万余円である。また、不用額の主なものは、用地対策費の266億7297万余円、管理諸費(同267億2932万余円)の193億1953万余円及び債務償還諸費(同277億8466万余円)の104億3644万余円である。(なお、不用額のうちには予備費に係るものが300億円ある。)
2 損益
区分 | 10事業年度 |
経常収益 (うち固定資産売却収入) |
千円 843,690,304 (705,956,845) |
経常費用 (うち共済年金等費用) |
205,051,730 (117,190,194) |
当期利益金 | 638,638,574 |
(利益金の処理) | |
翌事業年度に積立金として整理 | 638,638,574 |
3 借入金等
区分 | 10事業年度末 |
借入金残高 (民間借入金) |
千円 309,966,798 |
鉄道建設債券発行残高 | 511,000 |
積立金残高 | 2,486,162,403 |
日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律に基づき、同事業団の解散に当たり、長期債務24兆1875億4752万余円のうち16兆0301億2905万余円の債務は国の一般会計に承継されるとともに、同事業団の国に対する8兆1327億5800万円の債務は免除されることとなった。この結果、鉄道建設債券に係る債務及び本州四国連絡橋公団債務の246億6047万余円が長期債務として同公団に承継された。そして、10事業年度末の長期債務の残高は、124億2252万円である。
なお、上記の長期債務の残高に、同公団が支払うこととされている日本鉄道共済年金負担金等の将来費用及び厚生年金移換金債務を加えた長期債務等は、10年度末現在、3兆8707億円となっている。
4 主な業務実績
区分 | 10事業年度 | |
土地の売却実績 | 件数 面積 金額 |
201件 67ha 52,229,818千円 |