この事業団は、次の業務を行うことにより中小企業の振興、小規模企業者の福祉の増進及び中小企業の経営の安定に寄与することを目的として設置されているものである。
(ア) 中小企業構造の高度化を促進するために必要な指導、資金の貸付け及び出資等の事業を総合的に実施し、併せて中小企業の経営管理の合理化及び技術の向上を図るために必要な研修、指導等の事業を行う業務
(イ) 小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)及び中小企業倒産防止共済法(昭和52年法律第84号)による共済制度の運営等を行う業務
(ウ) 新事業創出促進法(平成10年法律第152号)による創業促進に関する業務
その資本金は10事業年度末現在で1兆2281億2611万余円(全額国の出資)となっている。
同事業団の会計は、小規模企業共済勘定、中小企業倒産防止共済勘定並びに高度化、創業促進及び指導修勘定の3勘定に区分して経理されている。
同事業団の勘定別の10事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(小規模企業共済勘定)
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 1,487,853,766 | 1,426,021,691 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 1,236,677,654 | 1,256,672,370 |
支出決定済額 | 1,136,061,146 | 1,027,323,234 |
不用額 | 100,616,507 | 229,349,135 |
不用額の主なものは、貸付金(支出予算現額5646億1155万余円)の751億3621万余円、解約手当金(同766億5359万余円)の172億1023万余円及び共済金(同3273億7256万余円)の46億8532万余円である。
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち共済事業収入) |
千円 7,285,004,172 (734,807,755) |
千円 6,877,565,213 (747,361,724) |
経常費用 (うち共済事業費) |
7,303,492,904 (388,786,183) |
6,877,272,368 (333,963,482) |
当期利益金(△当期損失金) | △18,488,731 | 292,844 |
(利益金又は損失金の処理) | ||
翌事業年度に積立金として整理 | − | 292,844 |
翌事業年度に積立金を減額整理 | 18,488,731 | − |
3 責任準備金等
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
責任準備金残高 |
千円 6,907,238,069 |
千円 6,535,905,663 |
積立金残高 | 2,883,599 | 2,590,754 |
4 主な業務実績
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |
共済契約 | 契約件数 事業年度末契約件数 |
95,009件 2,139,251件 |
114,023件 2,194,945件 |
共済金の支払 | 件数 金額 |
48,266件 322,687,236千円 |
44,554件 273,156,698千円 |
貸付け | 件数 金額 |
121,510件 239,060,910千円 |
120,378件 225,914,730千円 |
貸付金回収 | 金額 | 230,919,651千円 | 204,842,672千円 |
事業年度末貸付金残高 | 件数 金額 |
94,519件 176,676,878千円 |
93,748件 168,535,619千円 |
(中小企業倒産防止共済勘定)
〔この勘定は、中小企業倒産防止共済事業に関する経理を行うものである。〕
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 199,357,071 | 183,634,983 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 227,366,265 | 195,590,373 |
支出決定済額 | 208,687,292 | 194,672,575 |
不用額 | 18,678,972 | 917,797 |
不用額の主なものは、貸付金(支出予算現額1577億2850万円)の140億2690万円及び解約手当金(同478億1015万余円)の42億7313万余円である。
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち共済事業収入) |
千円 733,479,063 (71,320,918) |
千円 708,589,918 (71,754,677) |
経常費用 (うち共済事業費) |
733,501,633 (45,526,205) |
708,607,120 (41,106,363) |
当期損失金 | 22,570 | 17,202 |
(損失金の処理) | ||
翌事業年度に積立金を減額整理 | 22,570 | 17,202 |
3 倒産防止共済基金等
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
倒産防止共済基金残高 |
千円 659,931,182 |
千円 642,776,314 |
積立金残高 | 518,017 | 535,220 |
4 主な業務実績
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |
共済契約 | 契約件数 事業年度末契約件数 |
27,779件 451,976件 |
32,652件 465,048件 |
貸付け | 件数 金額 |
27,406件 143,701,600千円 |
25,701件 136,302,100千円 |
貸付金回収等 (うち貸付金償却) |
金額 | 106,565,411千円 (6,694,683千円) |
97,835,409千円 (5,314,694千円) |
事業年度末貸付金残高 | 件数 金額 |
87,412件 390,514,768千円 |
81,239件 353,378,580千円 |
上記のうち弁済期限を6箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高 | 98,835,117千円 | 85,534,075千円 | |
(うち1年以上延滞のもの) | (86,067,981千円) | (76,472,634千円) |
なお、貸付金のうち共済貸付金においては、10年度末残高3734億5942万余円のうち6箇月以上延滞となっている貸付けの元金残高が988億1741万余円(うち1年以上延滞となっているもの860億5238万余円)となっている。
貸倒引当金 (貸倒引当金計上率)(注) |
18,672,971千円 (5/100) |
16,876,737千円 (5/100) |
|
(注) 中小企業倒産防止共済勘定の貸付金には共済貸付金、一時貸付金がある。共済貸付金の貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高に5/100を乗じて得た金額とされている。なお、一時貸付金の貸倒引当金は設定されていない。 |
(高度化、創業促進及び指導研修勘定)
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 234,519,946 | 138,393,714 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 373,313,048 | 248,561,270 |
支出決定済額 | 192,511,199 | 129,382,181 |
翌事業年度繰越額 | 48,913,331 | 30,776,912 |
不用額 | 131,888,517 | 88,402,176 |
翌事業年度繰越額の主なものは貸付金(支出予算現額2313億3552万余円)の445億2706万余円、コンピュータ西暦2000年問題システムエンジニア派遣事業費(同36億0090万余円)の23億0624万余円及び施設等取得費(同41億3657万余円)の11億4258万余円である。また、不用額の主なものは、貸付金の1127億0456万余円、出資金(同130億円)の110億1700万円及び助成金(同35億円)の35億円である。
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち貸付事業収入) |
千円 134,451,555 (16,642,833) |
千円 94,884,683 (17,971,190) |
経常費用 (うち貸付事業費) |
128,197,026 (10,104,637) |
88,375,503 (10,767,397) |
特別損失 | 33,820 | 179,936 |
当期利益金 | 6,220,708 | 6,329,243 |
(利益金の処理) | ||
翌事業年度に創業促進資金に繰入 | 4,000,000 | − |
翌事業年度に積立金として整理 | 2,220,708 | 6,329,243 |
3 借入金等
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
借入金残高 (都道府県等) |
千円 17,229,429 |
千円 19,134,530 |
中小企業事業団債券発行残高 | 181,380,000 | 197,380,000 |
積立金残高 | 33,843,369 | 52,514,126 |
4 主な業務実績
(1) 貸付業務
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |
貸付け |
件数 金額 |
千円 344件 74,103,896千円 |
千円 348件 82,347,726千円 |
貸付金回収等 (うち貸付金償却) |
金額 | 105,279,036千円 (72,504千円) |
100,486,469千円 (−) |
事業年度末貸付金残高 | 件数 金額 |
6,883件 1,157,501,054千円 |
7,181件 1,188,676,195千円 |
上記のうち弁済期限を6箇月以上経過して延滞となっている貸付けの元金残高 | 39,383,897千円 | 37,726,668千円 | |
(うち1年以上延滞のもの) | (37,550,440千円) | (37,268,875千円) | |
貸倒引当金 (貸倒引当金計上率)(注) |
57,875,052千円 (50/1000) |
59,433,809千円 (50/1000) |
|
(注) 貸倒引当金に計上する金額は、当該事業年度末における貸付金残高の50/1000を乗じて得た金額とされている。 |
(2) 出資業務
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |
出資 | 会社数 件数 金額 |
8社 8件 1,983,000千円 |
5社 5件 1,134,000千円 |
事業年度末出資金残高 | 会社数 件数 金額 |
40社 42件 10,259,100千円 |
32社 34件 8,276,100千円 |