この事業団は、日本国有鉄道の長期借入金及び鉄道債券に係る債務その他の債務の償還、日本国有鉄道の土地その他の資産の処分等の業務を行うことにより、日本国有鉄道改革法(昭和61年法律第87号)に基づく施策の円滑な遂行に資することを目的として設置されているものである。その資本金は10年10月21日現在で7935億8526万余円(全額国の出資)となっている。
なお、同事業団は、10月22日、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成10年法律第136号)附則第2条の規定により解散し、国が承継する債務以外の一切の権利及び義務は日本鉄道建設公団が承継した。そして、同法により、同事業団の解散に当たり、長期債務24兆1875億4752万余円のうち16兆0301億2905万余円の債務は国の一般会計に承継されるとともに、同事業団の国に対する8兆1327億5800万円の債務は免除されることとなった。また、同事業団の資本金については、国からの出資はなかったものとされた。
同事業団の10事業年度(注1)
の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(注1) 日本国有鉄道清算事業団の10事業年度は、10年4月1日から10月21日までである。
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 2,473,055,875 | 4,492,820,320 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 2,593,727,489 | 4,632,227,448 |
支出決定済額 | 2,310,324,006 | 4,569,547,330 |
支出決定未済額 | 283,403,483 | − |
翌事業年度繰越額 | − | 34,222,768 |
不用額 | − | 28,457,349 |
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち固定資産売却収入) (うち受取利息) |
千円 154,646,203 (77,429,746) (59,598,169) |
千円 1,470,232,164 (1,239,130,984) (119,656,372) |
経常費用 (うち支払利息) |
747,029,927 (370,911,461) |
1,637,246,587 (809,372,183) |
特別利益 | 8,132,758,000 | − |
当期利益金(△当期損失金) | 7,540,374,275 | △167,014,423 |
(利益金又は損失金の処理) | ||
繰越欠損金の補てんに充当 | 7,540,374,275 | − |
翌事業年度に繰越欠損金として整理 | − | 167,014,423 |
(繰越欠損金 | 22,365,071,977 | 22,198,057,554) |
なお、特別利益は、日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律第4条の規定による国に対する債務の免除益である。
3 借入金等
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
借入金残高 (市中金融機関等) |
千円 7,654,357,805 |
千円 15,042,736,591 |
日本国有鉄道清算事業団債券発行残高 | 9,170,052,000 | 9,232,929,000 |
鉄道債券等発行残高 | 105,496,421 | 114,419,421 |
上記の借入金等から建物提案方式(注2)
による土地処分に係る借入金を除いた16兆0343億2547万余円に、同事業団に帰属した本州四国連絡橋公団債務を加えた16兆0547億8952万余円が、同事業団の長期債務の残高である。
なお、上記の長期債務の残高に、同事業団が支払うこととされている日本鉄道共済年金負担金等の将来費用及び厚生年金移換金債務を加えた長期債務等は、10年10月21日現在、20兆1635億円となっている。そして、長期債務等のうち3兆9563億円が日本鉄道建設公団に承継された。
(注2) 建物提案方式 事業団が落札企業から土地代相当額を借り入れた上で、提案された土地開発プランに沿って事業団の出資会社が建物を建設し、建物完成時に、土地と建物を同時に企業側に引き渡すとともに、借り入れた土地代相当額を土地代として相殺する方式
4 主な業務実績
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) | |
土地の売却実績 | 件数 面積 金額 |
332件 204ha 60,329,232千円 |
1,566件 903ha 279,371,394千円 |