この機構は、高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理並びに高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発を計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もって原子力の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設置されているものである。その資本金は10事業年度末現在で2兆7152億1188万余円(うち国の出資2兆6216億4849万円)となっている。
同機構の10事業年度の収入支出決算、損益、借入金及び主な業務実績は次のとおりである。
なお、同機構は、原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法律(平成10年法律第62号)附則第2条の規定により、10年10月1日に動力炉・核燃料開発事業団が移行したものである。
1 収入支出決算
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 230,096,959 | 198,652,277 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 243,786,080 | 215,873,251 |
支出決定済額 | 184,755,045 | 170,022,802 |
翌事業年度繰越額 | 44,363,528 | 37,600,805 |
不用額 | 14,667,507 | 8,249,643 |
翌事業年度繰越額の主なものは、動力炉(研究)開発共通費(支出予算現額590億2576万余円)の158億4677万余円、安全対策費(同210億6532万余円)の94億9106万余円及び高速増殖炉(研究)開発費(同376億8880万余円)の64億5762万余円である。また、不用額の主なものは、再処理施設費(同190億2689万余円)の42億7691万余円、再処理(研究)開発費(同175億0941万余円)の32億4792万余円及び安全対策費の17億7176万余円である。
2 損益
区分 | 10事業年度 | (9事業年度) |
経常収益 (うち国庫補助金収入) |
千円 60,556,884 (41,623,648) |
千円 65,147,966 (41,566,206) |
経常費用 (うち高速増殖炉開発費) |
215,426,060 (93,022,219) |
231,469,708 (104,752,054) |
特別利益 | 297,485 | 372 |
特別損失 | 1,803,506 | 2,821,744 |
当期損失金 | 156,375,197 | 169,143,114 |
(損失金の処理) | ||
翌事業年度に繰越欠損金として整理 | 156,375,197 | 169,143,114 |
(繰越欠損金 | 1,891,558,688 | 1,722,415,574) |
3 借入金
区分 | 10事業年度末 | (9事業年度末) |
借入金残高 (市中金融機関) |
千円 42,650,000 |
千円 33,850,000 |
4 主な業務実績
高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の維持管理
高速増殖炉原型炉「もんじゅ」は6年4月に初臨界を達成後、初送電を行った。その後、7年12月に2次主冷却系ナトリウム漏えい事故が発生したため、現在は原子炉を停止し、プラントの安全確保のため維持管理中である。
再処理施設の維持管理
9年3月のアスファルト固化処理施設火災爆発事故により、再処理施設の操業を停止し、現在は維持管理中である。
高レベル放射性廃棄物の処理処分技術の研究開発