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私立学校施設整備費補助金の経理が不当と認められるもの


(35)私立学校施設整備費補助金の経理が不当と認められるもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)文部本省 (項)私立学校助成費
部局等の名称 北海道
補助の根拠 予算補助
補助事業者
(事業主体)
学校法人釧路キリスト教学園
補助事業 釧路めぐみ幼稚園園舎新築
補助事業の概要 学校法人立幼稚園の新設のため、平成11年度に園舎を新築するもの
補助対象事業費 120,564,000円
上記に対する国庫補助金交付額 40,188,000円
不当と認める補助対象事業費 11,318,000円
不当と認める国庫補助金交付額 3,773,000円

1 補助金の概要

 私立学校施設整備費補助金(私立幼稚園施設整備事業)は、私立幼稚園施設整備費補助交付要綱(平成11年4月文部大臣裁定)に基づき、幼稚園教育の振興に資することを目的として、幼稚園の新設及び学級増のために園舎の新増築等の事業を行う学校法人に対し、当該事業に要する経費の一部を補助するために交付されるものである。
 この補助金の交付額は、補助対象面積(学級数等に応じた必要面積と実際の建築面積(以下「実施面積」という。)のうちいずれか少ない面積)に補助単価を乗じて得た補助対象事業費に3分の1の補助率を乗じて算定することとなっている。
 そして、補助単価は、補助対象経費を実施面積で除して得た1m2 当たりの単価(以下「実施単価」という。)と毎年度予算で定める1m2 当たりの単価のうちいずれか低い額とすることとなっている。
 学校法人釧路キリスト教学園では、平成11年度に釧路めぐみ幼稚園園舎(木造平屋建て895m2 )の新築事業を補助対象事業費120,564,000円で実施したとして事業実績報告書を提出し、国庫補助金40,188,000円の交付を受けていた。

2 検査の結果

 検査したところ、同学校法人では、補助対象事業費の算定に当たり、園舎の新築工事費は132,300,000円であるとしていた。そして、これに実施設計費7,500,000円を加えた139,800,000円から、工事費のうち外構工事に係る分などの補助対象外経費19,235,264円を控除して、補助対象経費を120,564,736円とし、これを実施面積895m2 で除して得た実施単価134,709円を補助単価とし、これに補助対象面積895m2 を乗じて補助対象事業費を120,564,000円と算定していた。
 しかし、上記園舎の新築工事費の額132,300,000円は契約額を水増ししたもので、実際は、契約額を115,720,000円とする工事請負契約を締結しており、真正な新築工事費はこの額となる。
 そして、この真正な新築工事費によると、補助対象外経費は13,973,387円であるので、適正な補助対象経費は、新築工事費と実施設計費の合計額123,220,000円からこの補助対象外経費を控除した109,246,613円となり、これを実施面積で除した実施単価は122,063円となる。
 したがって、これにより適正な補助対象事業費を算定すると109,246,000円(国庫補助金36,415,000円)となり、国庫補助金3,773,000円が過大に交付されていた。
 このような事態が生じていたのは、同学校法人において補助事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、事業実績報告書の受理、審査等を行う北海道において審査等が十分でなかったことなどによると認められる。