会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生本省 (項)老人福祉費 |
部局等の名称 | 厚生本省 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 (事業主体) |
学校法人日本社会事業大学 |
補助事業 | 老人保健健康増進等事業 |
補助事業の概要 | 老人保健福祉に関する調査研究等事業 |
上記に対する国庫負担金交付額 | 152,000,000円 | (平成9、10両年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 9,143,000円 | (平成9、10両年度) |
1 補助事業の概要
厚生省では、老人の健康の増進等を図るため、先駆的な老人の保健、健康増進等に関する事業に対し、老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)を交付している。
補助の対象となる事業費は、事業を実施するために必要な報酬、賃金、通信運搬費、消耗品費等の経費の支出額と厚生省が定めた基準額とを比較して少ない方の額(千円未満切捨て)であり、この額と同額の補助金が交付されることとなっている。
学校法人日本社会事業大学(以下「大学」という。)では、平成9、10両年度に、この補助金の交付を受けて老人保健福祉に関する調査研究等事業を実施(9年度6研究等事業、10年度8研究等事業)している。そして、本件事業に係る経費の支出額を、9年度71,000,000円、10年度81,000,000円(両年度とも基準額と同額)であるとして事業の実績報告書を厚生省に提出し、これにより補助対象事業費が精算されていた。
2 検査の結果
検査したところ、大学では上記の経費の支出額に、本件事業のために支出した事実がない額を、9年度は通信運搬費等について1,846,675円、10年度は賃金、通信運搬費等について7,295,810円含めていた。このため大学が本件事業のために実際に支出した額は、9年度69,153,325円、10年度73,704,190円であった。
したがって、適正な補助対象事業費は9年度69,153,000円、10年度73,704,000円となり、前記の補助対象事業費9年度71,000,000円、10年度81,000,000円との差額、9年度1,847,000円、10年度7,296,000円が過大に精算されていて、これと同額の国庫補助金9年度1,847,000円、10年度7,296,000円、計9,143,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、大学において、補助事業の適正な執行に対する基本的な認識が欠けていたこと、厚生省において、補助事業者に対する指導及び事業実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。