会計名及び科目 | 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 近畿、九州両通商産業局 |
助成の根拠 | 中小企業近代化資金等助成法(昭和31年法律第115号) |
事業主体 | 福井県ほか2府県 |
事業の内容 | 中小企業者に対する無利子の設備近代化資金の貸付け |
貸付件数 | 4件(4中小企業者) |
貸付金額の合計 | 99,900,000円 (国庫補助金相当額 49,950,000円) |
不当貸付金額 | 31,581,573円 |
補助の目的に沿わない国庫補助金相当額 | 15,790,786円 |
1 補助金の概要
中小企業庁では、中小企業者の設備の近代化に必要な資金の貸付けを行う都道府県に対して、当該貸付けに必要な資金の2分の1以内の額を中小企業設備近代化補助金として交付している。
都道府県は、この補助金に自己資金等を合わせて資金を造成し、設備の近代化に必要な資金の調達が困難な中小企業者に対して、設備の設置に必要と認めた資金の額の2分の1以内の額を中小企業設備近代化資金として無利子で貸し付けている。その貸付金額は50万円以上4000万円以下、償還期間は原則として5年となっている。そして、借主は事業完了後に完了報告書を提出し、都道府県はこれに基づいて事業の実施状況を確認することとなっている。
2 検査の結果
北海道ほか32都府県における中小企業設備近代化資金の貸付けのうち915件の貸付けについて検査したところ、福井県ほか2府県の4中小企業者に対する4件99,900,000円の貸付けにおいて、借主が、設備の設置に必要な長期資金を金融機関から借り入れた後に重複して貸付けを受けたり、設備を貸付対象事業費より低額で設置したりなどしていた。このため、31,581,573円の貸付けが不当と認められ、ひいては国庫補助金相当額15,790,786円が補助の目的に沿わない結果になっていると認められる。
このような事態が生じていたのは、借主が事実と相違した内容の貸付申請や完了報告を行っていたこと、これに対する府県の審査及び確認が適切でなかったことなどによるものである。
これを府県別・貸付先別に示すと次のとおりである。
府県名 | 貸付先 | 貸付対象設備 | 貸付年月 | 貸付対象事業費 | 貸付対象として適切でない事業費 | 補助の目的に沿わない国庫補助金相当額 | 摘要 | |
同上に対する貸付金額 | 同上に対する貸付金相当額 | |||||||
千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(176) | 福井県 | ニット製造業者 | 横編みニット編立機ほか1 | 10.2 | 26,691 (13,330) |
20,000 (8,214) |
4,107 | 重複融資 |
この貸付けは、横編みニット編立機6台及びコンピュータ支援設計・製図機1台計7台の設置に必要な資金26,691,000円の一部として、13,330,000円を貸し付けたものである。しかし、借主は、この貸付けを受ける前に、これらの設備のうち横編みニット編立機1台を除く設備6台の設置のために中小企業金融公庫から長期資金20,000,000円を借り入れており、同設備6台についてはこの長期資金と本件資金のうちの11,755,000円と合わせて31,755,000円を借り入れていた。一方、同設備6台の設置に要した資金は23,541,000円であったことから、その差額8,214,000円については重複して貸し付けられていた。 したがって、本件貸付金額のうち、上記の差額分が過大な貸付けとなっている。 |
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(177) | 大阪府 | 鍛圧品製造業者 | ガス切断機 | 8.7 | 72,100 (35,000) |
25,750 (11,825) |
5,912 | 低額設置 |
この貸付けは、ガス切断機1台の設置に必要な資金72,100,000円の一部として、35,000,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は46,350,000円で設置していた。 したがって、この設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると23,175,000円となるので、本件貸付金額との差額11,825,000円が過大な貸付けとなっている。 |
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(178) | 鹿児島県 | 小売業者 | 陳列棚ほか5 | 8.7 | 23,148 (11,570) |
20,491 (8,912) |
4,456 | 重複融資 |
この貸付けは、陳列棚一式ほか5設備の設置に必要な資金25,009,057円(うち貸付対象事業費分23,148,957円)の一部として、11,570,000円を貸し付けたものである。しかし、借主は、この貸付けを受ける前に、これらの設備を含む設備等の設置のために国民金融公庫から長期資金50,000,000円を借り入れており、本件資金と合わせて61,570,000円を借り入れていた。一方、借主が設置した設備等の総額は、貸付対象設備を含めて52,657,496円であったことから、その差額8,912,504円については重複して貸し付けられていた。 したがって、本件貸付金額のうち、上記の差額分が過大な貸付けとなっている。 |
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(179) | 同 | 産業廃棄物処理業者 | 産業廃棄物処理装置 | 10.4 | 81,690 (40,000) |
6,950 (2,630) |
1,315 | 貸付対象事業費の過大計上 |
この貸付けは、産業廃棄物処理装置一式の設置に必要な資金81,690,000円の一部として40,000,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は貸付対象にならない通路等の工事費を含めて過大に計上していたもので、実際は74,739,863円で設置していた。 したがって、この設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると37,369,931円となるので、本件貸付金額との差額2,630,069円が過大な貸付けとなっている。 |
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(176)-(179)の計 | 203,629 (99,900) |
73,191 (31,581) |
15,790 |