科目 | スポーツ振興基金勘定 (項)スポーツ団体活動助成事業費 |
部局等の名称 | 日本体育・学校健康センター |
助成の根拠 | 日本体育・学校健康センター法(昭和60年法律第92号) |
助成事業 | スポーツ団体選手強化活動事業、スポーツ団体大会開催事業ほか2事業 |
助成金交付先 | 13スポーツ団体 |
上記に対する助成金交付額の合計 | 223,793,000円 | (平成7年度〜10年度) |
不当と認める助成金交付額 | 51,253,530円 | (平成7年度〜10年度) |
1 助成金の概要
日本体育・学校健康センター(以下「センター」という。)では、スポーツ振興事業を行うことを主たる目的とする団体(以下「スポーツ団体」という。)等に対し必要な援助等を行うため、政府出資金250億円等を充てて設けたスポーツ振興基金(平成11年度末残高294億余円)の運用収入を主な財源として、スポーツ団体等に対しスポーツ振興基金助成金(以下「助成金」という。)を交付している。
助成金の対象となる事業(以下「助成対象事業」という。)には、スポーツ団体選手強化活動事業(以下「選手強化活動事業」という。)、スポーツ団体大会開催事業(以下「大会開催事業」という。)ほか2事業がある。
これらの助成対象事業のうち、選手強化活動事業はスポーツ団体が計画的かつ継続的に行う選手強化活動に対して助成するもので、助成の対象となる活動(以下「助成活動」という。)には海外合宿、国内合宿、チーム派遣、コーチ強化研修等がある。また、大会開催事業はスポーツ団体が全国的な規模で行うスポーツ競技会等の開催に対して助成するもので、助成活動には競技会、研究集会及び講習会がある。
センターでは、助成に当たり、スポーツ団体から助成活動ごとに交付申請書を提出させることとなっている。そして、その対象となる事業費(以下「助成対象事業費」という。)は、所定の1日当たりの単価に宿泊日数等を乗じるなどして算出した滞在費、旅費及び謝金の額と、予定される渡航費等の額を合計したものとされており、この合計額の3分の2を上限とする額を助成金として交付することとしている。そして、事業終了後にスポーツ団体から支出に係る領収書等証拠書類の写しを添付した実績報告書を提出させ、これを審査して、助成活動ごとに、交付決定した額と実績報告書に記載された支払額の合計額に3分の2を乗じた額とのいずれか低い額を助成金の額として確定することとしている。
2 検査の結果
センターでは、平成10年度決算検査報告に掲記した事態を受けて、11年末以降助成対象事業について実態調査を進めてきていた。これを踏まえ、本院において、7年度から11年度までに13スポーツ団体が実施した選手強化活動事業及び大会開催事業に対する助成金の交付について検査した結果、助成金223,793,000円(7年度52,412,000円、8年度51,075,000円、9年度50,189,000円、10年度70,117,000円)において、滞在費、旅費、謝金、渡航費等が全く支払われていなかったり、一部しか支払われていなかったりしていて助成金が過大となっている事態が見受けられた。
このため、助成対象事業費96,838,614円(7年度24,901,368円、8年度19,757,172円、9年度24,351,643円、10年度27,828,431円)が過大となっており、これに係る助成金51,253,530円(7年度12,287,331円、8年度9,434,093円、9年度13,263,067円、10年度16,269,039円)が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、上記の13スポーツ団体において助成対象事業の適切な執行に対する認識が不足していたこと、センターにおける審査体制が十分整備されていなかったことなどによると認められる。
助成金が過大となっている事態の主なものを示すと次のとおりである。
(1) 滞在費、旅費、謝金に係るもの
(不当と認める助成対象事業費 計77,721,046円)
スポーツ団体では、海外合宿、チーム派遣等のための滞在費、旅費、謝金について、所定の額に宿泊日数等を乗じるなどした額を選手等に支払ったこととしてセンターに報告していた。
しかし、実際にはスポーツ団体では、選手等に滞在費、旅費、謝金を全く支払っていなかったり、一部しか支払っていなかったりしていて助成金が過大となっていた。
(2) 渡航費に係るもの
(不当と認める助成対象事業費 計7,390,714円)
スポーツ団体では、国際大会へのチーム派遣等のための渡航費を支払ったこととしてセンターに報告していた。
しかし、実際には大会開催国側が航空運賃の一部を負担するなどしていて、スポーツ団体では渡航費を一部しか支払っておらず助成金が過大となっていた。