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  • 平成11年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他20団体の決算

石油公団


(8) 石油公団

 この公団は、次の業務を行うことにより、石油及び可燃性天然ガス(以下「石油等」という。)の資源の開発を促進し、石油の備蓄の増強を推進して、石油等の安定的かつ低廉な供給の確保を図ることを目的として設置されているものである。

(ア) 石油等の探鉱等に必要な資金の供給その他石油等の資源の開発に必要な資金の融通を円滑にするなどのために必要な業務

(イ) 石油の備蓄及びこれに必要な資金の供給

 その資本金は11事業年度末現在で1兆6237億4998万余円(全額国の出資)となっている。
 同公団の会計は、一般及び石油備蓄の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の11事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(一般勘定)

 この勘定は、石油等の探鉱等に必要な資金の投融資等の業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 50,297,706 43,853,330
(支出)
 支出予算現額 76,820,488 72,966,447
 支出決定済額 37,801,055 38,568,404
 翌事業年度繰越額 24,305,009 26,415,027
 不用額 14,714,423 7,983,015

 翌事業年度繰越額の主なものは、石油開発促進事業費(支出予算現額362億7311万余円)の136億8689万余円、受託業務費(同269億4656万余円)の72億6333万余円及び石油開発技術振興費(同73億3379万余円)の30億7911万余円である。また、不用額の主なものは、受託業務費の71億2433万余円、石油開発促進事業費の56億7748万余円及び石油開発技術振興費の12億4478万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 45,358,228 46,625,511
 (うち交付金等事業収入) (21,915,358) (19,136,481)
 経常費用 63,152,908 59,923,959
 (うち引当金繰入) (23,728,825) (19,269,012)
 特別利益 131,657
 特別損失 7,746 321,044,035
 (うち投融資損失引当金繰入) (—) (320,221,557)
 当期損失金 17,670,768 334,342,483
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 17,670,768 334,342,483
(繰越欠損金 334,342,483 —)

3 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
(石油開発のための出資)
 出資 会社数 49社 65社
 (うち新規会社数)   (4社) (6社)
件数 110件 170件
金額 213,205,627千円(注1) 35,651,259千円
 出資金減少 会社数 8社 7社
金額 34,320,687千円 1,048,754千円
 事業年度末出資金残高 会社数 122社 126社
件数 1,651件 1,561件
金額 725,796,221千円 546,911,281千円
(石油開発のための貸付け)
 貸付け 会社数 43社 61社
件数 144件 240件
金額 12,042,186千円 44,448,234千円
 貸付金回収等 金額 341,113,022千円 18,915,048千円
 (うち減免等の額) (117,034,069千円)(注2) (3,318,295千円)
 事業年度末貸付金残高 会社数 82社 89社
件数 1,866件 2,031件
金額 302,882,186千円 631,953,022千円
 事業年度末長期未収金(注3) 会社数 6社 6社
件数 80件 81件
金額 74,884,401千円 75,417,147千円

(注1)  出資のうち1986億円は、ジャパン石油開発株式会社に対する特別措置により、貸付金を回収したうえ出資へ振り替えたものである。

(注2)  減免等の額のうち主なものは、北極石油株式会社の938億余円、サハリン石油開発協力株式会社の164億余円である。

(注3)  長期未収金  支払を猶予している貸付金利息のうち収益計上しているもの。このほか、回収の見込みが低いと判断し、財務諸表の注記事項としているものが2029億4510万余円及び米貨58,913,285ドルある。

(石油開発のための債務の保証)
 保証 会社数 6社 14社
金額 2,854,321千円 20,892,743千円
 減少した保証債務 会社数 25社 26社
金額 40,750,924千円 34,688,983千円
 (うち代位弁済の額) (7,800,000千円) (4,000,000千円)
 事業年度末為替調整額 金額 △8,284,309千円 6,839,981千円
 事業年度末保証債務残高 会社数 22社 27社
金額 110,554,861千円 156,735,773千円
投融資損失引当金(注) 291,676,120千円 410,160,489千円
(投融資損失引当金計上率) (25.6/100) (31.9/100)
債務保証損失引当金(注) 11,337,354千円 19,269,012千円
(債務保証損失引当金計上率) (10.2/100) (12.2/100)
(注)  探鉱投融資等の回収不能による損失及び保証債務の履行によって生ずる損失に備えるため計上しているもので、それぞれ投融資先会社等の財政状態等を勘案して個別に算定した損失見込額を計上している。

(石油備蓄勘定)

 この勘定は、石油備蓄業務及び石油備蓄に対する投融資業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
(収入)
 収入決定済額 253,656,058 259,562,471
(支出)
 支出予算現額 273,357,002 290,344,935
 支出決定済額 248,131,193 259,046,629
 翌事業年度繰越額 20,629 172,771
 不用額 25,205,179 31,125,534

 不用額の主なものは、公団石油・石油ガス備蓄業務費(支出予算現額2648億4035万余円)の221億1568万余円及び石油・石油ガス備蓄増強対策投融資業務費(支出予算現額85億1664万余円)の30億8949万余円である。

2 損益

  区分 11事業年度 (10事業年度)
千円 千円
 経常収益 253,773,579 260,378,674
 (うち交付金等事業収入) (241,941,888) (247,928,155)
 経常費用 253,773,579 260,378,674
 (うち公団石油備蓄事業費) (242,941,062) (253,737,519)

3 借入金等

  区分 11事業年度末 (10事業年度末)
千円 千円
 借入金残高 1,744,109,315 1,834,962,197
 (市中金融機関等)
 石油債券発行残高 537,929,000 583,017,000

4 主な業務実績

  区分 11事業年度 (10事業年度)
(公団の石油備蓄状況)
 購入等 数量 21万kl 3万kl
金額 3,697,548千円 197,438千円
 売却等 数量 21万kl 1万kl
金額 9,474,832千円 1,396,225千円
 事業年度末現在高 数量 5001万kl 5001万kl
金額 1,319,584,621千円 1,325,361,905千円
(石油備蓄基地建設のための出資)
 出資 会社数 1社 1社
金額 1,240,000千円 1,240,000千円
 事業年度末出資金残高 会社数 13社 13社
金額 77,990,000千円 76,750,000千円
(石油備蓄基地建設のための貸付け)
 貸付け 会社数 8社 8社
金額 2,495,200千円 5,440,000千円
 貸付金回収 金額 71,515,192千円 74,530,845千円
 事業年度末貸付金残高 会社数 11社 11社
金額 867,888,773千円 936,908,765千円
(民間会社が行う備蓄のための石油購入資金の貸付け)
 貸付け 会社数 27社 27社
件数 63件 131件
金額 168,191,500千円 230,916,300千円
 貸付金回収 金額 229,456,300千円 198,083,200千円
 事業年度末貸付金残高 会社数 27社 27社
件数 63件 131件
金額 166,702,500千円 227,967,300千円
貸倒引当金 1,237,592千円 1,223,834千円
(貸倒引当金計上率)(注) (5.9/1000) (4.5/1000)
(注)  貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高に6/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。