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  • 平成12年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 補助金

水道施設整備費補助金の経理において、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの


(174)−(179)水道施設整備費補助金の経理において、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)環境衛生施設整備費
部局等の名称 厚生本省
福島、福岡両県
補助の根拠 水道法(昭和32年法律第177号)
予算補助
補助事業者
(事業主体)
都1、市4、組合1、計6事業主体
補助事業 水道水源開発等施設整備事業、簡易水道等施設整備事業
補助事業の概要 水の安定供給を図るため、配水管の布設など水道施設を整備したり、ダム等の水道水源開発施設整備に要する費用を負担したりするもの
国庫補助基本額 71,060,042,500円 (平成6年度〜11年度)
上記に対する国庫補助金交付額 22,870,851,000円 (平成6年度〜11年度)
国庫補助基本額のうち消費税及び地方消費税の額 2,541,483,703円 (平成6年度〜11年度)
不当と認める国庫補助金交付額 819,606,914円 (平成6年度〜11年度)

1 補助事業の概要

(補助事業の概要)

 水道施設整備費補助金は、水道法(昭和32年法律第177号)等に基づき、清浄にして豊富低廉な水の供給を図るため、地方公共団体が行う水道事業に要する費用に対して補助するもので、水道水源開発等施設整備費国庫補助金(以下「水道水源補助金」という。)と簡易水道等施設整備費国庫補助金(以下「簡易水道補助金」という。)がある。
 水道水源補助金については、厚生省が、交付申請書の受理及び審査、交付決定の内容等の通知、事業実績報告書の受理、補助金の額の確定など一連の事務を行い、簡易水道補助金については、都道府県がこれらの事務を厚生省から委任されて行っている。

(交付額の算定)

 これらの補助金の交付額は、水道水源開発等施設整備費国庫補助金交付要綱(昭和63年厚生省生衛第877号厚生事務次官通知)並びに簡易水道等施設整備費国庫補助金交付要綱及び簡易水道等施設整備費国庫補助金取扱要領(昭和44年厚生省環第405号厚生事務次官通知)(以下、これらを「交付要綱等」という。)により、次のように算定することとなっている。
(ア) 本工事費、附帯工事費、用地費等補助金の交付の対象となる事業費の額(建設省等が実施するダム等水道水源開発のための施設整備事業に対する水道負担額を含む。)と、当該事業に要する総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額を比較していずれか少ない方の額を国庫補助基本額とする。
(イ)(ア)により選定した国庫補助基本額に、補助事業の区分ごとに定められた補助率を乗じて得た額を交付額とする。

(補助事業における消費税の取扱い)

 消費税法(昭和63年法律第108号)等によれば、地方公共団体が特別会計を設けて行う事業については、売上高と補助金収入など号)等によれば、地方公共団体が特別会計を設けて行う事業については、売上高と補助金収入など売上高以外の収入(以下「特定収入」という。)の額の合計額に占める特定収入の額の割合(以下「特定収入割合」という。)が100分の5以下の場合には、課税売上高に対する消費税額から、特定収入により賄われる課税仕入れに係る消費税額を控除して納付税額を計算できることとなっている。
 そして、交付要綱等によれば、補助事業の事業主体は、補助事業完了後に、消費税(平成9年度以降は地方消費税を含む。以下同じ。)の申告により、国庫補助基本額に含まれる消費税額のうち課税仕入に係る消費税額として控除できる金額が確定した場合には、これに係る国庫補助金相当額(以下「補助金に係る消費税仕入控除税額」という。)を速やかに厚生省に報告するとともに、当該金額を返還することとなっている。

2 検査の結果

 福島県ほか5都県の227事業主体について検査したところ、福島県ほか3都県の6事業主体において、消費税の申告により補助金に係る消費税仕入控除税額計819,606,914円が確定しているのに、この金額を速やかに厚生省に報告して返還する措置を執っておらず、不当と認められる。
 上記の事態について一例を示すと次のとおりである。

<事例>
 東京都では、6年度から11年度までの間における水道水源開発施設整備事業(北千葉導水事業ほか5事業に係る負担)等の実施に当たり、消費税を含めて国庫補助基本額を計69,660,846,000円と算定して、各年度の翌年4月に事業実績報告書を厚生省に提出し、水道水源補助金計22,460,992,000円の交付を受けていた。
 そして、上記の補助事業はいずれも都の特別会計(水道事業会計)において経理されており、消費税については、毎年6月に確定申告を行っていた。その際、各年度の特定収入割合がいずれも100分の5以下であったことから、国庫補助基本額に含まれると認められる消費税額の全額計2,475,243,742円について課税仕入れに係る消費税額として控除していた。
 しかし、都では、上記の消費税額計2,475,243,742円のうち本件補助金に係る消費税仕入控除税額計800,286,684円を厚生省に報告して返還する措置を執っていなかった。
 このような事態が生じていたのは、事業主体において補助事業における消費税の取扱いに対する認識が十分でなかったこと、厚生省及び県において適正な事務処理の執行についての指導や確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを都県別・事業主体別に示すと次のとおりである。

都県名 事業主体 年度 国庫補助基本額 左に対する国庫補助金 消費税仕入控除税額 不当と認める国庫補助金相当額
うち消費税、及び地方消費税の額 地方消費税分を含む
千円 千円 千円 千円
(174) 福島県 福島市 10、11 186,810
(8,895)
51,270 8,626 2,374
(175) 埼玉県 上尾市 10 150,000
(7,142)
37,500 7,142 1,785
(176)  同 越谷・松伏水道企業団 10、11 376,000
(17,904)
94,000 17,904 4,476
(177) 東京都 東京都 6〜11 69,660,846
(2,475,243)
22,460,992 2,475,243 800,286
(178) 福岡県 大牟田市 10、11 578,986
(27,184)
193,289 27,184 9,075
(179)  同 宗像市 11 107,400
(5,112)
33,800 5,112 1,608
(174)-(179)の計 71,060,042
(2,541,483)
22,870,851 2,541,214 819,606