会計名及び科目 | 一般会計 (組織)工業技術院 (項)鉱工業技術振興費 |
部局等の名称 | 通商産業省関東、九州両通商産業局(平成13年1月6日以降は経済産業省関東、九州両経済産業局) |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 (事業主体) |
ソフトウェア業者ほか1企業 |
補助事業 | 次世代情報技術開発等 2事業 |
補助事業の概要 | 民間企業が新規産業の創造に資する情報通信技術の開発などを行うもの |
事業費の合計 | 217,106,754円 | (平成11年度) |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 142,076,000円 | |
不当と認める事業費 | 38,276,539円 | (平成11年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 25,516,000円 |
1 補助金の概要
通商産業省では、民間企業等に対して、次世代情報技術開発に要する補助金及び新規産業創造技術開発に要する補助金を交付している。
このうち、次世代情報技術開発費補助金は、次世代情報通信技術基盤の構築を促進し、もって新規産業の創造等に資することを目的とし、民間企業が行う情報通信技術の開発に要する経費の一部を国が補助するものである。また、新規産業創造技術開発費補助金は、新規産業の創造に資する技術開発の推進を図り、もって独創的な技術の産業展開の構築に資することを目的とし、企業等が行う多大なリスクを伴う技術開発に要する経費の一部を国が補助するものである。
これらの補助の対象となる事業費は、上記事業の補助事業期間中に要した機械装置等の購入費や技術開発に直接従事する技術開発職員等の人件費などの経費である。また、国庫補助金の交付額は当該経費の3分の2以内となっている。
そして、事業主体となる企業等は、事業完了後に、実績報告書を通商産業局(沖縄開発庁沖縄総合事務局を含む。)に提出し、通商産業局はこれに基づいて事業の実施状況を確認することとなっている。
2 検査の結果
北海道通商産業局ほか8通商産業局の66件の補助事業について検査したところ、関東通商産業局及び九州通商産業局の2件の補助事業(補助対象事業費計213,141,880円)において、事業主体が、補助事業に全く使用していなかった機械装置の購入費や補助事業に従事していなかった時間に係る技術開発職員の人件費を補助対象事業費に含めるなどしていた。このため、補助対象事業費38,276,539円が過大になっていて、これに係る国庫補助金相当額25,516,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体が事実と相違した内容の実績報告を行っていたこと、通商産業局の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを通商産業局別・事業主体別に示すと次のとおりである。
通商産業局名 | 事業主体 | 補助事業 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
補助対象事業費 | |||||||||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(196) | 関東通商産業局 | ソフトウェア業者 | 次世代情報技術開発 | 11 | 147,611 (144,746) |
96,496 | 32,840 | 21,893 | 精算過大 |
この補助事業は、最先端理論による暗号の高速性と安全性を利用して、大規模かつ高速度の次世代高速VPN(注)
を構築する技術の開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、機械装置等の購入費、技術開発職員の人件費等に要 したとする事業費147,611,660円(補助対象事業費144,746,660円)に対して、国庫補助金96,496,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記の補助対象事業費に、本件事業に全く使用していなかった機械装置の購入費18,150,000円及び本件事業に従事していなかった時間に係る技術開発職員の人件費13,437,156円を含めるなどしていた。 したがって、適正な補助対象事業費は111,905,704円となり、前記の補助対象事業費144,746,660円との差額32,84,0956円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金21,893,000円が過大に交付されていた。 |
|||||||||
(197) | 九州通商産業局 | 電気機械器具製造業者 | 新規創造技術研究 | 11 | 69,495 (68,395) |
45,580 | 5,435 | 3,623 | 精算過大 |
この補助事業は、太陽光発電装置のエネルギー変換効率の向上などを図る新しい電力変換装置の開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、技術開発職員の人件費等に要したとする事業費69,495,094円(補助対象事業費68,395,220円)に対して、国庫補助金45,580,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記補助対象事業費のうちの人件費の算定に当たって技術開発職員の作業時間の集計を誤り、同事業費に本件事業に従事していなかった時間に係る人件費5,435,583円を含めていた。 したがって、適正な補助対象事業費は62,959,637円となり、前記の補助対象事業費68,395,220円との差額5,435,583円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金3,623,000円が過大に交付されていた。 |
|||||||||
(196)(197)の計 | 217,106 (213,141) |
142,076 | 38,276 | 25,516 |