会計名及び科目 | 空港整備特別会計 (項)北海道空港整備事業費 |
部局等の名称 | 運輸省東京航空局(平成13年1月6日以降は国土交通省東京航空局) |
工事名 | 函館空港共同溝付帯設備設置その他工事 |
工事の概要 | 共同構内にケーブルラック設備及び電気設備等を設置する工事 |
契約額 | 62,895,000円(当初契約額61,950,000円) |
請負人 | 樺電工業株式会社 |
契約 | 平成12年1月 指名競争契約 |
支払 | 平成12年7月 |
割高になっている契約額 | 7,800,000円 |
1 工事の概要
この工事は、運輸省東京航空局(平成13年1月6日以降は国土交通省東京航空局)が、函館空港内に共同溝を新設したことに伴い、11、12両年度にケーブルラック設置工事、電気設備工事、分岐ダクト設置工事等を契約額62,895,000円で施行したものである。
このうちケーブルラック設置工事は、航空灯火用の電力ケーブル等を収納する棚(以下「ケーブルラック」という。)を、共同溝(延長162m)内部の左右両側に各6段計12段設置などするものである(参考図参照)
。ケーブルラックは、1本当たり長さ3mであって、幅がそれぞれ400mm、500mm、700mm、800mm又は1,000mmの既製品を接続して設置している。
同局では、ケーブルラック設置工事費については、ケーブルラックの幅ごとの1m当たりの単価として、材料費を幅400mmでは6,150円、幅500mmでは6,680円、幅700mmでは7,980円、幅800mmでは8,430円、幅1,000mmでは11,400円とし、これらに労務費等を加えて算出して、それぞれの延長を乗じて、計18,422,318円と積算していた。
そして、上記のケーブルラック設置工事費に電気設備工事費、分岐ダクト設置工事費等を加えて、本件工事の直接工事費を48,377,826円と積算していた。
2 検査の結果
検査したところ、ケーブルラック設置工事費等の積算が次のとおり適切でなかった。
すなわち、ケーブルラックの材料費については、一般に公表されている積算参考資料(以下「積算参考資料」という。)に掲載されている価格を1m当たりの単価としてそのまま採用していた。しかし、この価格はケーブルラック1m当たりではなく1本(長さ3m)当たりであるので、これをそのまま採用したのは誤りであり、正しくはその価格を3で除すべきであった。このため、ケーブルラックの材料費が過大となっていた。
したがって、ケーブルラック1m当たりの材料費は、幅400mmでは2,050円、幅500mm では 2,226円、幅700mmでは2,660円、幅800mmでは2,810円、幅1,000mmでは3,800円となり、これらによりケーブルラック設置工事費を算定すると計10,662,602円となり、本件積算額は7,759,716円過大となっていた。
さらに、このほか、分岐ダクト設置工事費について、埋戻単価の算出に当たって締固めの作業量を誤って計上するなどしていて、1,888,567円が過大に積算されていた。
このような事態が生じていたのは、同局において、積算参考資料に掲載されているケーブルラックの価格に対する理解及び工事費の積算に対する審査が十分でなかったことによると認められる。
上記により本件工事費を修正計算すると、積算過小となっていたケーブルラック付属材料費等計825,247円を考慮しても、直接工事費は、39,554,790円となり、これに諸経費等を含めた工事費総額は55,052,101円となる。したがって、本件契約額62,895,000円はこれに比べて約780万円割高になっていると認められる。