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  • 平成12年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況|
  • 第15 財投機関の決算分析について|
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  • (1) 財投機関の決算の状況|
  • ア 資産、負債・資本及び損益の状況

資産の状況


〔1〕 資産の状況

(財投機関45法人の資産の状況)

 財投機関45法人の保有資産は、主に公団、事業団等では流動資産、固定資産及び繰延資産に区分されている。一方、貸付金を主な資産とする政府系金融機関には固定資産、流動資産の区分はない。この区分の有無によって、財投機関を固定資産型法人と貸付金型法人に分けることができる。
 財投機関45法人の12年度末現在の総資産は、表1のとおり、379兆7359億余円で、79法人の総資産528兆5537億余円の71.8%を占めている。

表1 財投機関45法人の資産の状況
区分 法人数 12年度末の総資産a

固定資産又は貸付金b 構成比b/a
財投機関45法人 45  379兆7359億円(71.8%) 364兆0748億円 95.9%

固定資産型 35  195兆3348億円 190兆0504億円 97.3%
貸付金型 10  184兆4011億円 174兆0243億円 94.4%
(参考)
2分の1以上出資法人等
79  528兆5537億円 396兆8278億円 75.1%

固定資産型 68  229兆0574億円 221兆1567億円 96.6%
貸付金型 11  299兆4963億円 175兆6710億円 58.7%
注(1) 単位未満切捨て
注(2) 中小企業総合事業団については、信用保険部門を貸付金型、その他を固定資産型として集計した。また、法人数に関しては貸付金型に含めた。

(固定資産型法人の状況)

 固定資産型法人35法人の固定資産は190兆0504億余円で、総資産の97.3%を占めている。これらの法人は、調達資金を各種の実物資産である固定資産に投下し、これらをその事業目的に応じて国民の利用に供し又は譲渡することにより、公共的な財貨サービスを提供している。そして、その対価として収受する利用料金や譲渡代金等を調達資金の償還原資に充てている。
 固定資産型法人の中には、事業の一環として、政策金融業務や投融資業務を行っているものがある。これらの業務に係る資産は、表2のとおり、貸付金18兆8560億余円(9.7%)、投資その他の資産34兆4507億余円(17.6%)、計53兆3067億余円(27.3%)で、総資産の4分の1を占めている。
 また、住宅、工業団地等を建設・整備し、これを割賦方式で譲渡等している法人は、返済が終了するまでの間の割賦債権(負担金債権を含む。)である割賦元金11兆7597億余円(6.0%)を資産計上している。
 さらに、投資その他の資産の中には、関係会社長期貸付金等の貸付金3兆3095億余円(1.7%)、割賦元金285億余円(0.0%)がある。
 固定資産型法人の保有資産全体でみると、貸付金は22兆1655億余円(11.3%)、割賦元金は11兆7882億余円(6.0%)となっている。

表2 固定資産型法人の資産の状況 (単位:億円)
区分 金額 構成比% 摘要
流動資産 48,168 2.5
固定資産 1,900,504 97.3
 事業資産 1,535,520 78.6
  貸付金 ア  188,560 9.7
  割賦元金 イ  117,597 6.0
 有形固定資産 19,098 1.0
 無形固定資産 1,378 0.1 カ(資産)に占める割合
 投資その他の資産 ウ  344,507 17.6 ア+ウ=533,067(27.3%)
  貸付金 エ   33,095 1.7 ア+エ=221,655(11.3%)
  割賦元金 オ    285 0.0 イ+オ=117,882( 6.0%)
 繰延資産 4,674 0.2
資産合計 カ 1,953,348 100.0
注(1) 各法人の貸借対照表と財産目録を基に作成している。
注(2) 勘定ごとに貸借対照表を作成している法人は、原則として、各勘定の合計金額による。

(貸付金型法人の状況)

 貸付金型法人は、6公庫2銀行1金庫1部門の計10法人である。その貸付金残高は、表3のとおり、173兆7778億余円で総資産の94.2%を占めている。
 これらの法人は、調達資金を貸付財源として、民間金融機関では融通することが困難とされている長期低利の資金を供給しており、貸付回収金等を調達資金の償還原資に充てている。

表3 貸付金型法人の資産の状況 (単位:億円)
区分 金額 構成比%
貸付金 1,737,778 94.2
現金預け金 47,261 2.6
有価証券 27,963 1.5
動産不動産 2,465 0.1
繰延資産 665 0.0
その他 27,876 1.5
資産合計 1,844,011 100.0
(注)
本表の作成方法等は、表2の固定資産型法人の注(2)と同じ。