図2のとおり、政策金融法人は、その基本的な償還システムにより、(ア)補給金型と(イ)非補給金型に分類できる。
これらの法人の多くは、金融リスクが高いことなどから、一般の民間金融機関で融通することが困難な長期低利資金を融通しており、貸付財源として調達した借入金等の資金調達利回りと貸付金利回りとの差額等に対して、国から収支差補給金を受け入れている法人である。主に、個人、中小企業者等を対象として、政策的に資金調達利回りよりも低い金利で貸付けを行う場合に、金利負担の一部を補てんし、あるいは貸倒償却等によって多額の損失を生じた場合などに、その損失を補うために補給金が交付されている。貸付事業全体でみると資金調達利回りよりも高い貸付金利で貸付けを行う順ざやの法人でも、貸倒償却等の経費を賄うため、補給金を受けている場合もある。
これらの法人は、補給金型と同様に長期低利の資金を融通しているが、収支差補給金を受け入れていない法人である。すなわち、主に中堅・大企業、地方公共団体等を貸付先として、あるいは開発途上国で行われる事業などリスクの高いプロジェクトを対象として、比較的超長期の資金を融通している法人であり、資金調達利回りより高い金利で貸付けを行っているため、収支差補給金を必要としていない。これらの法人のうちには、毎年度、国庫納付を続けている国際協力銀行(国際金融等勘定のうちの一般勘定)や、6年度まで国庫納付していた日本政策投資銀行、法人税納付を行っている中小企業専門金融機関である商工組合中央金庫もある。また、収支差補給金の代わりに国から受け入れた出資金を主な貸付財源として低利貸付けを行ったり、出資金により財務基盤の強化を行ったりしている法人もあり、その場合は、明示的な補給金はないが、機会費用としての財政負担が生じている。