農林漁業金融公庫は、農林漁業者等に対し、農林漁業の生産力の維持増進又は食料の安定供給の確保に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを貸し付けている。
借入金等の外部資金調達額の主な変動要因は、新規貸付けの増減であるが、貸付規模の横ばいないし漸減傾向が続く中で、繰上償還が増加したことなどを主な要因として、借入金等の外部資金調達額が減少している。平成12年度末の負債(借入金及び寄託金の合計)は3兆6564億余円で元年度末の5兆2359億余円の7割、また、12年度末の貸付金資産は3兆9697億余円で元年度末の5兆2513億余円の7割と、同様に減少している。
元年度以降、一貫して借入金残高が減少しているのは、金利低下局面で繰上償還が引き続き高水準で推移する一方、新規貸付けが停滞していることなどが主な要因である。7年度には、市中金利の低下に伴い、繰上償還が貸付回収金のうち5割を超える3971億余円に達したほか、資金需要が減少し新規貸付けは落ち込んだ。8年度以降は、資金需要が4000億円前後で推移し、繰上償還も漸減傾向にあったことなどから、新規借入れは増加したが、12年度には貸付けの減少により借入れも再び減少した。
収益性の状況についてみると、貸付金利が政策的に調達金利より低く設定され、基本的に逆ざや基調である。金利低下が続く中で、過去の高金利の借入金の約定償還が進ちょくしたことから、逆ざや幅は縮小している。
延滞債権の状況についてみると、10、11、12各年度にそれぞれ130億余円、159億余円、177億余円の貸付金償却を行った結果、10年度の2.62%をピークに、延滞債権率は、12年度には1.99%に低下している。
財政負担の状況についてみると、逆ざや相当分や繰上償還に伴う損失などの事務経費を賄うため、毎年度700億円を超える補給金を受け入れている。また、緊急経済対策等、その時々における国の施策を推進するため、出資金も受け入れている。