この公庫は、次の業務等を行うことにより、一般の金融機関が行う金融及び民間の投資を補完するなどして、沖縄における経済の振興及び社会の開発に資することを目的として設置されているものである。
(ア) 沖縄における産業の開発を促進するために必要な長期資金を貸し付ける業務
(イ) 沖縄の国民大衆、住宅を必要とする者、農林漁業者、中小企業者、病院その他の医療施設を開設する者、生活衛生関係の営業者等に対する資金を貸し付ける業務
その資本金は12年度末現在で631億9199万余円となっている。
同公庫の12年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
1 収入支出決算
区分 | 12年度 | (11年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入済額 | 65,940,761 | 71,619,235 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 68,658,009 | 71,686,231 |
支出済額 | 64,027,516 | 68,561,663 |
不用額 | 4,630,492 | 3,124,567 |
2 損益
区分 | 12年度 | (11年度) |
千円 | 千円 | |
経常収益 | 75,360,771 | 79,635,233 |
(うち貸付金利息) | (59,321,649) | (63,514,813) |
経常費用 | 75,303,806 | 79,597,327 |
(うち借入金利息) | (57,240,132) | (62,520,850) |
特別損失 | 23,150 | − |
当期利益金 | 33,814 | 37,906 |
この利益金は、本土産米穀資金特別勘定(琉球政府が食糧管理特別会計から長期年賦支払で買い入れた本土産米穀の売渡代金を原資とする貸付けに関する経理を整理する勘定)において生じたものである。
区分 | 12年度 | (11年度) |
千円 | 千円 | |
(利益金の処理) | ||
翌年度に積立金として整理 | 33,814 | 37,906 |
3 借入金等
区分 | 12年度末 | (11年度末) |
千円 | 千円 | |
借入金残高 | 1,631,497,547 | 1,700,104,989 |
(資金運用部資金等) | ||
積立金残高 | 1,541,034 | 1,503,128 |
4 主な業務実績
(1) 貸付業務
区分 | 12年度 | (11年度) | |
貸付け | 件数 | 9,159件 | 11,129件 |
金額 | 181,755,106千円 | 219,813,032千円 | |
貸付金回収等 | 金額 | 232,594,650千円 | 202,304,983千円 |
(うち繰上償還) | (105,724,225千円) | (81,549,592千円) | |
(うち貸付金償却) | (2,534,802千円) | (1,976,522千円) | |
年度末貸付金残高 | 件数 | 110,988件 | 115,930件 |
金額 | 1,721,241,657千円 | 1,772,081,201千円 | |
上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に公庫において開示している債権(注) | |||
破綻先債権 | 8,046,999千円 | 8,224,605千円 | |
延滞債権 | 68,672,223千円 | 32,362,963千円 | |
3カ月以上延滞債権 | 9,566,333千円 | 8,706,970千円 | |
貸出条件緩和債権 | 69,785,528千円 | 16,240,216千円 | |
計 | 156,071,083千円 | 65,534,755千円 | |
(注) 11年度と12年度では異なる基準によっているため、両年度間の比較はできない。 | |||
貸倒引当金 | 9,997,425千円 | 9,981,730千円 | |
(貸倒引当金計上率)(注) | (5.9/1000) | (5.7/1000) | |
(注) 貸倒引当金に計上できる金額は、当該事業年度末における貸付金残高(貸付受入金残高を控除)に 6/1000を乗じて得た金額の範囲内とされている。 |
(2) 出資業務
区分 | 12年度 | (11年度) | |
出資 | 会社数 | 1社 | 1社 |
件数 | 1件 | 1件 | |
金額 | 200,000千円 | 200,000千円 | |
年度末出資金残高 | 会社数 | 12社 | 12社 |
件数 | 18件 | 17件 | |
金額 | 2,020,000千円 | 1,820,000千円 |
なお、この公庫について検査した結果、「第4章 特定検査対象に関する検査状況」に「財投機関の決算分析について」 を掲記した。