この公団は、鉄道の建設等を推進することにより、鉄道交通網の整備を図り、もって経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与するとともに、大都市の機能の維持及び増進に資することなどを目的として設置されているものである。その資本金は12事業年度末現在で641億8044万余円(全額国の出資)となっている。
同公団の会計は、一般及び特例業務の2勘定に区分して経理されており、その勘定別の12事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。
(一般勘定)
1 収入支出決算
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 903,465,335 | 880,146,516 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 1,070,311,810 | 1,022,407,259 |
支出決定済額 | 903,522,695 | 877,768,983 |
翌事業年度繰越額 | 114,616,334 | 106,965,589 |
不用額 | 52,172,780 | 37,672,686 |
翌事業年度繰越額の主なものは、建設費(支出予算現額6263億1719万余円)の1102億7212万余円、受託業務費(同181億3999万余円)の26億0027万余円及び貸付鉄道施設改修費(同34億9366万余円)の17億4393万余円である。また、不用額の主なものは、建設費の418億5677万余円、業務外支出(借入金支払利子、鉄道建設債券支払利子等。同3841億4159万余円)の54億6133万余円及び受託業務費の15億9907万余円である。
2 損益
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) |
千円 | 千円 | |
経常収益 | 250,216,130 | 211,998,639 |
(うち貸付収入) | (82,889,960) | (85,959,575) |
経常費用 | 251,147,944 | 210,500,016 |
(うち債券利息) | (69,271,738) | (70,296,041) |
特別利益 | 249,535 | − |
特別損失 | 24,608 | 14,744,815 |
当期損失金 | 706,886 | 13,246,192 |
(損失金の処理) | ||
翌事業年度に繰越欠損金として整理 | 706,886 | 13,246,192 |
(繰越欠損金 | 14,888,447 | 1,642,255) |
3 借入金等
区分 | 12事業年度末 | (11事業年度末) |
千円 | 千円 | |
借入金残高 | 1,134,729,207 | 930,650,565 |
(資金運用部資金等) | ||
鉄道建設債券発行残高 | 1,981,804,000 | 2,102,642,000 |
4 主な業務実績
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) | |||
新幹線 | 建設 | 3線 | 628km | 3線 | 628km |
(東北新幹線ほか) | |||||
貸付線 | 貸付 | 10線 | 497km | 10線 | 497km |
(北陸新幹線ほか) | |||||
都市鉄道線 | 建設 | 1線 | 58km | 3線 | 79km |
(常磐新線) | |||||
民鉄線 | 新線建設 | 4線 | 25km | 5線 | 29km |
(臨海副都心線ほか) | |||||
大改良 | 5線 | 43km | 5線 | 43km |
(特例業務勘定)
1 収入支出決算
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) |
千円 | 千円 | |
(収入) | ||
収入決定済額 | 273,818,602 | 920,299,640 |
(支出) | ||
支出予算現額 | 405,769,082 | 816,471,848 |
支出決定済額 | 374,577,034 | 772,977,275 |
翌事業年度繰越額 | 2,861,474 | 10,187,159 |
不用額 | 28,330,573 | 33,307,413 |
不用額の主なものは、用地対策費(支出予算現額347億0943万余円)の115億2694万余円及び管理諸費(同172億6368万余円)の101億5316万余円である。
2 損益
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) |
千円 | 千円 | |
経常収益 | 329,707,384 | 943,029,352 |
(うち固定資産売却収入) | (131,032,656) | (739,789,917) |
経常費用 | 388,740,511 | 851,964,705 |
(うち共済年金等費用) | (342,138,814) | (674,961,455) |
特別損失 | − | 2,635,833 |
当期利益金(△当期損失金) | △59,033,126 | 88,428,814 |
(利益金又は損失金の処理) | ||
積立金を減額して整理 | 59,033,126 | − |
翌事業年度に積立金として整理 | − | 88,428,814 |
3 借入金等
区分 | 12事業年度末 | (11事業年度末) |
千円 | 千円 | |
借入金残高 | 209,637,273 | 275,102,199 |
(民間借入金) | ||
積立金残高 | 3,213,229,792 | 3,124,800,977 |
なお、12事業年度末の長期債務の残高は、本州四国連絡橋公団債務の16億0520万円であり、これに、同公団が支払うこととされている日本鉄道共済年金負担金等の将来費用及び厚生年金移換金債務を加えた長期債務等は、12年度末現在、3兆2610億円となっている。
4 主な業務実績
区分 | 12事業年度 | (11事業年度) | |
土地の売却実績 | 件数 | 392件 | 352件 |
面積 | 154ha | 474ha | |
金額 | 59,329,133千円 | 52,925,318千円 |
なお、この公団について検査した結果、「第4章 特定検査対象に関する検査状況」に「財投機関の決算分析について」 を掲記した。