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  • 平成12年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他の団体の決算|
  • (その他の団体)

新エネルギー・産業技術総合開発機構


(7) 新エネルギー・産業技術総合開発機構

 この機構は、新エネルギー・省エネルギーの開発及び導入普及事業、産業技術の研究開発関連事業、石炭鉱業構造調整事業、石炭鉱害賠償等事業及びアルコール製造事業を総合的に行うことを目的として設置されているものである。
 その資本金は12事業年度末現在で4702億2108万余円(うち国の出資4697億7138万余円)となっている。
 同機構の会計は、新エネルギー、石炭合理化、石炭鉱害、産業技術研究開発等、産業技術研究基盤出資及びアルコール製造の6勘定に区分して経理され、さらに、新エネルギー勘定は、電源多様化業務及びエネルギー需給構造高度化業務の2経理に、石炭合理化勘定は、整備業務及び貸付保証等業務の2経理に、また、石炭鉱害勘定は、融資業務、復旧業務、不適地買収業務及び補助事業業務の4経理に区分されている。
 同機構の勘定及び経理別の12事業年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

(新エネルギー勘定)

 (電源多様化業務経理)

 この経理は、石油代替エネルギーを発電に利用する技術、石油代替エネルギーを発生させる技術及び発電に利用する技術の開発を促進する業務等に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 51,817,479 43,543,536
(支出)
 支出予算現額 73,995,631 65,891,399
 支出決定済額 51,792,113 43,546,879
 翌事業年度繰越額 10,371,007 11,244,000
 不用額 11,832,509 11,100,519

 翌事業年度繰越額の主なものは、その他の石油代替エネルギー開発等事業費(支出予算現額528億3394万余円)の75億0674万余円及び地熱エネルギー開発事業費(同85億0257万余円)の26億9505万余円である。また、不用額の主なものは、その他の石油代替エネルギー開発等事業費の89億7251万余円、太陽エネルギー開発事業費(同94億2193万余円)の12億4200万余円及び地熱エネルギー開発事業費の11億5513万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 53,765,754 52,516,344
 (うち国庫補助金収入) (37,404,508) (30,476,295)
 経常費用 53,842,263 52,528,125
 (うちその他の石油代替エネルギー開発等事業費) (29,177,675) (21,306,427)
 当期損失金 76,508 11,781
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 76,508 11,781
 (繰越欠損金 11,781 −)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 太陽光発電システム実用化技術開発事業 6,380,290 7,392,034
 新エネルギー事業者支援対策事業 4,860,400 152,416
 地域新エネルギー導入促進対策事業 4,234,937 2,107,955

(エネルギー需給構造高度化業務経理)

 この経理は、石油代替エネルギーを製造する技術の開発を行う業務、エネルギーの使用の合理化を促進するための技術の開発及び普及を行う業務等に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 74,439,629 70,271,018
(支出)
 支出予算現額 120,126,127 111,401,785
 支出決定済額 74,186,410 69,644,958
 翌事業年度繰越額 28,380,571 24,229,129
 不用額 17,559,144 17,527,697

 翌事業年度繰越額の主なものはその他の石油代替エネルギー開発等事業費(支出予算現額1006億2318万余円)の278億4715万余円である。また、不用額の主なものは、その他の石油代替エネルギー開発等事業費の98億4492万余円及び石炭エネルギー開発事業費(同153億4712万余円)の69億2107万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 71,467,350 71,683,147
 (うち国庫補助金収入) (52,473,584) (46,032,304)
 経常費用 71,253,233 71,683,147
 (うちその他の石油代替エネルギー開発等事業費) (46,928,990) (39,975,384)
 当期利益金 214,116
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 214,116

3 積立金

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 積立金残高 8,307,011 8,307,011

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 エネルギー使用合理化技術開発事業 11,985,985 10,915,397
 国際エネルギー使用合理化等対策事業 9,361,230 9,246,603
 低公害自動車普及基盤整備事業 8,386,847 7,219,324

(石炭合理化勘定)

 (整備業務経理)

 この経理は、石炭鉱業の構造調整を円滑に進めるための業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 1,155,248 526,934
(支出)
 支出予算現額 2,325,803 1,572,171
 支出決定済額 1,125,674 536,384
 翌事業年度繰越額 252,617 480,174
 不用額 947,512 555,612

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 1,155,218 515,422
 (うち国庫補助金収入) (680,298) (287,989)
 経常費用 1,151,091 536,720
 (うち国内炭鉱整備事業費) (750,391) (355,432)
 当期利益金(△当期損失金) 4,127 △21,297
(利益金又は損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金の補てんに充当 4,127
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 21,297
(繰越欠損金 182,206 160,909)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 特定ぼた山等管理事業 13件 12件

(貸付保証等業務経理)

 この経理は、石炭鉱業の経営の改善に必要な資金の貸付等の業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 11,115,081 11,576,689
(支出)
 支出予算現額 23,381,948 25,760,895
 支出決定済額 12,493,397 9,333,738
 不用額 10,888,550 16,427,156

 不用額の主なものは国内炭助成事業費(支出予算現額216億2880万余円)の107億8633万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 9,053,161 11,276,130
 (うち引当金戻入) (7,737,399) (9,143,450)
 経常費用 31,792,829 11,276,130
 (うち引当金繰入) (29,013,437) (7,737,399)
 特別損失 1,105,961
 当期損失金 23,845,629
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 23,845,629

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
(石炭鉱業の構造調整のための貸付け)
 貸付け 件数 21件 14件
金額 9,836,000千円 5,937,000千円
 貸付金回収等 金額 10,837,209千円 9,364,807千円
 (うち貸付金償却) (1,105,961千円) (−)
 事業年度末貸付金残高 件数 261件 285件
金額 96,729,901千円 97,731,110千円
  上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
  破綻先債権 31,115,160千円 33,158,287千円
  延滞債権
  3カ月以上延滞債権
 貸出条件緩和債権 33,999,732千円 32,327,489千円
65,114,893千円 65,485,777千円
 貸倒引当金(注) 29,013,437千円 967,360千円
 (貸倒引当金計上率) (300/1000) (9.9/1000)
 (注)  貸倒引当金は12事業年度に計上基準が変更され、貸付先会社の財政状態等を勘案して個別に算定した損失見込額を計上することとなった。

(石炭鉱害勘定)

 (融資業務経理)

 この経理は、鉱害の賠償のための担保の管理、鉱害の賠償及び防止に必要な資金の貸付けに係る業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 5,113,882 4,705,500
(支出)
 支出予算現額 6,850,576 7,924,918
 支出決定済額 5,257,368 5,555,438
 翌事業年度繰越額 66,866
 不用額 1,526,341 2,369,479

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 14,622,083 14,235,205
 (うち引当金戻入) (13,469,319) (13,091,459)
 経常費用 2,545,354 14,235,205
 (うち引当金繰入) (1,846,750) (13,469,319)
 特別損失 1,093,322
 当期利益金 10,983,406
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 10,983,406

3 借入金等

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 借入金残高 8,491,000 8,344,000
 (市中金融機関)

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
(鉱害の賠償及び防止のための貸付け)
 貸付け 件数 4件 5件
金額 2,327,690千円 3,331,470千円
 貸付金回収等 金額 3,311,251千円 2,618,797千円
 (うち貸付金償却) (1,093,322千円) (−)
 事業年度末貸付金残高 件数 164件 186件
金額 47,445,556千円 48,429,118千円
  上記のうち民間金融機関のリスク管理債権の開示基準を参考に機構において開示している債権
  破綻先債権額 1,859,204千円 2,964,320千円
  延滞債権
  3カ月以上延滞債権
 貸出条件緩和債権 30,539,013千円 30,825,048千円
32,398,217千円 33,789,369千円
 貸倒引当金(注) 1,846,750千円 13,469,319千円
 (貸倒引当金計上率) (39/1000) (278/1000)
 (注)  貸倒引当金は12事業年度に計上基準が変更され、貸付先会社の財政状態等を勘案して個別に算定した損失見込額を計上することとなった。

(復旧業務経理)

 この経理は、鉱害復旧工事の施行等の業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 51,029,550 49,241,585
(支出)
 支出予算現額 104,573,926 84,375,064
 支出決定済額 52,225,348 49,832,708
 翌事業年度繰越額 48,231,817 26,462,393
 不用額 4,116,759 8,079,963

 翌事業年度繰越額の主なものは、復旧費(支出予算現額593億3901万余円)の242億4541万余円、維持管理費支払金(同382億8674万余円)の214億3156万余円及び補償金支払金(同17億4504万余円)の11億5762万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 55,480,001 53,424,994
 (うち国庫補助金収入) (41,676,167) (36,242,637)
 経常費用 55,477,735 53,424,994
 (うち復旧事業費) (52,425,197) (49,881,560)
 当期利益金 2,265
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 2,265

3 積立金

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 積立金残高 22,430 22,430

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
千円 千円
 復旧工事支払額 農地等 14,354,419 21,317,166
家屋等 14,515,228 17,708,952
その他 2,539,688 2,511,654

(不適地買収業務経理)

 この経理は、復旧不適農地の買入業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額
(支出)
 支出予算現額 28,169 27,912
 不用額 28,169 27,912

(補助事業業務経理)

 この経理は、鉱害の復旧等の事業を行う者に対して、その経費に係る補助金の交付業務に関するものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 6,127,589 91,282
(支出)
 支出予算現額 19,072,654 17,312,935
 翌事業年度繰越額 12,344,283 6,725,414
 不用額 6,728,371 10,587,521

 翌事業年度繰越額はすべて鉱害復旧等補助事業費(支出予算現額190億6969万余円)の123億4428万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 6,127,589 91,282
 (うち政府交付金収入) (6,055,000) (−)
 経常費用 6,127,589 91,282
 (資金繰入)

(産業技術研究開発等勘定)

 この勘定は、産業技術に関する研究開発等の業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 129,769,620 91,273,256
(支出)
 支出予算現額 168,273,074 162,371,899
 支出決定済額 128,694,984 111,688,683
 翌事業年度繰越額 33,837,956 45,397,284
 不用額 5,740,133 5,285,931

 翌事業年度繰越額の主なものは、研究開発事業費(支出予算現額1140億2496万余円)の247億6328万余円、産業技術研究開発助成事業費(同124億8017万円)の67億7042万余円及び受託事業費(同308億6404万余円)の20億2659万余円である。

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 87,046,351 48,386,705
 (うち国庫補助金収入) (47,035,063) (36,903,358)
 経常費用 131,048,500 90,423,311
 (うち研究開発事業費) (59,456,323) (59,586,512)
 当期損失金 44,002,148 42,036,605
(損失金の処理)
 翌事業年度に繰越欠損金として整理 44,002,148 42,036,605
 (繰越欠損金 162,446,075 120,409,469)

3 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 産業技術基盤研究開発事業 38,446,747 47,179,951
 情報収集衛星搭載用合成開口レーダ研究開発事業 26,911,545
 知的基盤創成研究開発事業 10,044,117 6,074,318

(産業技術研究基盤出資勘定)

 この勘定は、産業技術に関する研究基盤施設を整備する者に出資する業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 60,226 67,487
(支出)
 支出予算現額 49,391 62,290
 支出決定済額 46,373 60,125
 不用額 3,017 2,164

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 59,278 65,515
 (事業外収益)
 経常費用 46,373 60,125
 (うち一般管理費) (44,230) (57,244)
 当期利益金 12,904 5,390
(利益金の処理)
 翌事業年度に積立金として整理 12,904 5,390

3 積立金

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 積立金残高 126,112 120,721

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 事業年度末出資金残高 会社数 5社 5社
金額 8,533,000千円 8,533,000千円

(アルコール製造勘定)

 この勘定は、アルコール製造業務に関する経理を行うものである。

1 収入支出決算

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
(収入)
 収入決定済額 14,592,438 14,264,307
(支出)
 支出予算現額 21,896,886 20,594,096
 支出決定済額 16,950,480 15,352,970
 翌事業年度繰越額 40,691
 不用額 4,905,713 5,241,125

2 損益

  区分 12事業年度 (11事業年度)
  千円 千円
 経常収益 14,593,949 14,262,051
 (うちアルコール製造事業収入) (14,513,566) (14,171,221)
 経常費用 14,481,049 14,246,339
 (うちアルコール製造事業費) (13,355,450) (13,029,522)
 特別損失 176,274
 当期利益金(△当期損失金) △63,374 15,711
(利益金又は損失金の処理)
 翌事業年度に積立金を減額整理 63,374
 翌事業年度に積立金として整理 15,711

3 積立金

  区分 12事業年度末 (11事業年度末)
  千円 千円
 積立金残高 2,364,512 2,348,800

4 主な業務実績

  区分 12事業年度 (11事業年度)
 発酵アルコールの製造 170,730kl 163,000kl
 発酵アルコールの政府への納付 171,038kl 163,000kl

 なお、この機構について検査した結果、「第4章 特定検査対象に関する検査状況」に「財投機関の決算分析について」 を掲記した。