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  • 平成13年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第8 厚生労働省|
  • 不当事項|
  • 補助金

少子化対策臨時特例交付金が過大に交付されているもの


(91)(92) 少子化対策臨時特例交付金が過大に交付されているもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)厚生本省 (項)緊急少子化対策費
部局等の名称 厚生本省(平成13年1月6日以降は厚生労働本省)
補助の根拠 予算補助
補助事業者 青森県五所川原市
栃木県今市市(事業主体)
間接補助事業者 みどり保育園(事業主体)
補助事業 保育施設設備整備事業、放課後児童クラブ施設整備事業
補助事業の概要 少子化対策に関する保育の事業として、平成11年度に児童送迎用の車両等を購入するもの及び児童クラブが使用する施設を建設するもの
上記に対する国庫補助金交付額 43,553,000円
不当と認める国庫補助金交付額 2,990,000円

1 補助事業の概要

 少子化対策臨時特例交付金(以下「交付金」という。)は、少子化対策の一層の普及促進を図るなどのため、平成11年度から13年度までの間に市町村等が実施する少子化対策に関する保育等の事業、民間が実施する当該事業に対し市町村等が助成する事業などを対象として、11年度に市町村等に対して交付されているものである。
 その交付額は、平成11年度少子化対策臨時特例交付金交付要綱(平成11年厚生省発児第108号)等に基づいて算定される市町村等ごとの交付限度額の範囲内で、市町村等が実施する交付対象事業に要する経費の合計額から寄付金その他の収入額を控除した額とすることとされている。そして、市町村等では、民間が実施する事業に対し助成した場合、事業完了後に提出される実績報告書を審査、確認することとされている。

2 検査の結果

 北海道ほか11都府県の73市町村を検査したところ、青森県五所川原市において、同市から助成を受けた保育園が児童送迎用車両を購入したとしていたが、実際は購入していなかったり、栃木県今市市において、放課後児童クラブ施設の建設に当たり高率な最低制限価格を設定して割高な契約を締結したりしていて、2事業に係る国庫補助金計2,990,000円が過大に交付されていた。
 このような事態が生じていたのは、上記の保育園において、補助事業に対する理解が十分でなかったこと、五所川原市において、保育園から提出された実績報告書の審査、確認が十分でなかったこと、また、今市市において、最低制限価格の設定に対する理解が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを事業主体別に示すと次のとおりである。

  交付先 事業主体 補助事業 年度 補助対象事業費 左に対する国庫補助金 不当と認める補助対象事業費 不当と認める国庫補助金 摘要
          千円 千円 千円 千円  
(91) 青森県
五所川原市
みどり保育園 保育施設
設備整備
11 2,300 1,700 1,500 1,100 事業一部不実施
 上記の事業主体では、児童送迎用車両を1,500,000円で購入したとしていたが、実際は購入していなかった。
 したがって、適正な事業費800,990円に基づいて交付金を算定すると600,000円となり、上記交付額との差額1,100,000円が過大に交付されていた。
(92) 栃木県
今市市
栃木県
今市市
放課後児童クラブ施設整備 11 41,853 41,853 1,890 1,890 契約処置不適切
 上記の事業主体では、放課後児童クラブ施設の建設工事請負契約の入札に当たり、予定価格40,280,000円の90.54%に当たる36,470,000円を最低制限価格とし、12業者による指名競争入札を行い、最低制限価格を下回る価格で入札した2業者(うち最低価格34,700,000円)を失格として排除し、36,500,000円で入札した業者と契約していた。
 しかし、本件指名競争入札には、資力、信用、能力等を十分審査し、契約の内容に適合した履行が十分期待できる業者を参加させていることから、予定価格の90.54%という高率な最低制限価格を設定し、これを下回る価格で入札した業者を排除したことは、競争契約における競争の利益を阻害するもので、適切とは認められない。
 本件建設工事において、最低価格で入札した業者と契約したとすれば、消費税相当額を加えた本件契約額はこれに比べて1,890,000円割高となっており、同額の交付金が過大に交付されていた。
(91)(92)の計 44,153 43,553 3,390 2,990