会計名及び科目 | 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 東北、関東、中部、四国、九州各経済産業局(平成13年1月5日以前は通商産業省東北、関東、中部、四国、九州各通商産業局) |
補助の根拠 | 予算補助 |
<東北経済産業局> | |
補助事業者 | 山形県 |
間接補助事業者 (事業主体) |
精密機械器具製造業者 |
<関東経済産業局> | |
補助事業者 (事業主体) |
東京都足立区 |
<関東経済産業局> | |
補助事業者 | 東京都 |
間接補助事業者 (事業主体) |
ソフトウェア業者 |
<中部経済産業局> | |
補助事業者 | 石川県 |
間接補助事業者 (事業主体) |
プラスチック製品製造業者 |
<四国経済産業局> | |
補助事業者 (事業主体) |
一般機械器具製造業者 |
<九州経済産業局> | |
補助事業者 | 宮崎県 |
間接補助事業者 (事業主体) |
一般機械器具製造業者 |
補助事業 | 中小企業経営革新支援対策等 |
補助事業の概要 | 中小企業者等が経営革新のための事業などを行うもの |
事業費の合計 | 184,712,531円 | (平成11、12両年度) |
上記に対する国庫補助金交付額の合計 | 58,896,904円 | |
不当と認める事業費 | 65,762,590円 | (平成11、12両年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 23,565,500円 |
1 補助金の概要
中小企業庁では、中小企業者等に対して、中小企業経営革新支援対策に要する補助金、地場産業等活性化に要する補助金、地域活性化創造技術研究開発に要する補助金及び創造技術研究開発に要する補助金を交付している。
このうち、中小企業経営革新支援対策費補助金は、中小企業の創意ある向上発展を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とし、中小企業者等が行う経営革新のための事業に要する経費の一部を国が都道府県を通じて補助するものである。また、地場産業等活性化補助金は、地場産業の活性化及び地域中小企業の振興に寄与することを目的とし、4以上の中小企業者を主とする地域グループ等が行う地場産業創出・育成支援事業等に要する経費の一部を国が地方公共団体を通じて補助するものである。そして、地域活性化創造技術研究開発費補助金及び創造技術研究開発費補助金は、中小企業の技術開発を促進し技術改善を図り、もって中小企業製品の高付加価値化等に資することを目的とし、中小企業者等が行う新製品、新技術等の研究開発等に要する経費の一部を国が地域活性化創造技術研究開発費補助金にあっては都道府県を通じて、創造技術研究開発費補助金にあっては直接補助するものである。
これらの補助の対象となる事業費は、上記補助事業の実施期間中に要した機械装置等の購入費などの経費である。そして、それぞれの補助金の交付要綱等によれば、事業主体は補助事業により取得した財産を都道府県知事等の承認を受けないで処分してはならないこととなっている。また、国庫補助金の交付額は、国が直接補助する場合は当該経費の2分の1以内、都道府県等を通じて補助する場合は当該経費の3分の1以内(注)
で、かつ都導府県等が事業主体へ補助する額の2分の1以内となっている。
そして、事業主体となる中小企業者等は、事業完了後に、実績報告書を経済産業局(内閣府沖縄総合事務局を含む。)又は都道府県に提出し、経済産業局又は都道府県はこれに基づいて事業の実施状況を確認することとなっている。
2 検査の結果
北海道経済産業局ほか8経済産業局及び北海道ほか34都府県の488件の補助事業について検査したところ、関東、四国両経済産業局及び東京都ほか3県の7件の補助事業(補助対象事業費計165,868,281円)において、事業主体が、補助の対象である機械装置等を実際には購入していなかったり、補助事業により取得した機械装置を県に無断で売却したりなどしていた。このため、補助対象事業費65,762,590円が過大になっていて、これに係る国庫補助金相当額23,565,500円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体が事実と相違した内容の実績報告等を行っていたこと、経済産業局又は都県の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを経済産業局又は都県の別・事業主体別に示すと次のとおりである。
経済産業局又は都県名 | 事業主体 | 補助事業 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
補助対象事業費 | |||||||||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(221) | 山形県 | 精密機械器具製造業者 | 中小企業経営革新支援対策 | 12 | 17,500 (17,500) |
5,833 | 8,450 | 2,816 | 無断処分 |
この補助事業は、従来の解析精度を大幅に向上させた表面・界面物性解析装置の開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、機械装置等の購入費等に要したとする事業費17,500,140円(補助対象事業費17,500,000円)に対して、国庫補助金5,833,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記の補助事業で取得した機械装置(購入金額8,450,000円)を国庫補助金の額の確定直後に県に無断でリース会社に売却していた。 したがって、無断処分された同機械装置(残存価格8,450,000円)に係る国庫補助金相当額2,816,500円が不当と認められる。 |
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(222) | 関東経済産業局 | 東京都足立区 | 地場産業等活性化 | 12 | 9,460 (9,460) |
4,730 | 3,838 | 1,919 | 精算過大 |
この補助事業は、東京都足立区が、介護用品の企画開発等の事業を行う4地域グループに対して交付した助成金の一部を補助するものであり、同区では、同グループに交付するとした助成金9,460,000円(補助対象事業費同額)に対して、国庫補助金4,730,000円の交付決定を受け、同額の交付を受けていた。 しかし、同区は、同グループヘの助成規模を交付決定時より縮小していて、実際に交付した助成金は5,622,000円であった。 したがって、適正な補助対象事業費は5,622,000円となり、前記の補助対象事業費9,460,000円との差額3,838,000円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金1,919,000円が過大に交付されていた。 |
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(223) | 東京都 | ソフトウェア業者 | 地域活性化創造技術研究開発 | 12 | 53,501 (46,422) |
15,000 | 14,946 | 4,982 | 精算過大 |
この補助事業は、電子商取引における通信データの盗難、改ざんを防止するため・信頼性・安全性・利便性を兼ね備えた新認証システムの開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、機械装置等の購入費等に要したとする事業費53,501,190円(補助対象事業費46,422,380円)に対して、国庫補助金15,000,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記補助対象事業費のうち、機械装置等の購入費16,073,150円の一部7,516,800円及び外注加工費17,761,660円の一部7,430,000円については、いずれも支払の実績がなかった。 したがって、適正な補助対象事業費は31,475,580円となり、前記の補助対象事業費46,422,380円との差額14,946,800円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金4,982,500円が過大に交付されていた。 |
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(224) | 石川県 | プラスチック製品製造業者 | 地域活性化創造技術研究開発 | 11 | 18,205 (16,455) |
5,477 | 3,797 | 1,257 | 補助の対象外及び精算過大 |
(225) | 石川県 | プラスチック製品製造業者 | 地域活性化創造技術研究開発 | 12 | 35,113 (26,290) |
6,500 | 9,108 | 2,168 | 補助の対象外及び精算過大 |
小計 | 53,318 (42,745) |
11,977 | 12,905 | 3,426 | |||||
これらの補助事業は、航空機客室内装材の耐火基準に適合する三次曲面複合材の開発を行うため、平成11年度においては主に複合材の開発を、12年度においては主にその複合材を用いた製品の試作を行うものである。 事業主体は、本件事業の実施に当たり、機械装置等の購入費等に要したとする事業費53,318,000円(補助対象事業費42,745,000円)に対して、国庫補助金11,977,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記の補助対象事業費に、前年度に購入しているなど補助の対象とならない経費10,229,740円及び中古品を無償で取得したため実際には購入していないなど過大に精算されている経費2,676,103円、計12,905,843円を含めていた。 したがって、適正な補助対象事業費は29,839,157円となり、前記の補助対象事業費42,745,000円との差額12,905,843円に係る国庫補助金相当額3,426,361円が過大に交付されていた。 |
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(226) | 四国経済産業局 | 一般機械器具製造業者 | 創造技術研究開発 | 12 | 33,832 (33,454) |
15,930 | 13,182 | 6,277 | 精算過大 |
この補助事業は、農村集落排水事業で発生する汚泥を処理して、低コストで良質のコンポスト(堆肥)を製造するための小型コンポスト化装置の試作機を開発するものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、同試作機の開発に必要な機械装置等の購入費等に要したとする事業費33,832,901円(補助対象事業費33,454,901円)に対して、国庫補助金15,930,904円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、交付決定時より試作機の構造を簡易なものにしていたのに、交付決定時の事業費とほぼ同額で実施したとしていたものであり、実際は20,272,805円で実施していた。 したがって、適正な補助対象事業費は20,272,805円となり、前記の補助対象事業費33,454,901円との差額13,182,096円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金6,277,188円が過大に交付されていた。 |
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(227) | 宮崎県 | 一般機械器具製造業者 | 中小企業経営革新支援対策 | 12 | 17,100 (16,286) |
5,426 | 12,439 | 4,143 | 精算過大 |
この補助事業は、ガスメーターを地中に埋設するためのプラスチック防水カバー及びガスメーター遠隔監視装置の開発を行うものである。事業主体は、本件事業の実施に当たり、原材料の購入費等に要したとする事業費17,100,300円(補助対象事業費16,286,000円)に対して、国庫補助金5,426,000円の交付を受けていた。 しかし、事業主体は、上記補助対象事業費のうち、原材料の購入費の一部8,277,431円については購入していなかったものであり、また、旅費3,329,000円及び謝金の一部833,420円については、支払の実績がなかった。 したがって、適正な補助対象事業費は3,846,149円となり、前記の補助対象事業費16,286,000円との差額12,439,851円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金4,143,951円が過大に交付されていた。 |
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(221)−(227)の計 | 184,712 (165,868) |
58,896 | 65,762 | 23,565 |