科目 | (畜産助成勘定) (項)畜産助成事業費 |
部局等の名称 | 農畜産業振興事業団 |
補助の根拠 | 農畜産業振興事業団法(平成8年法律第53号) |
事業主体 | 社団法人日本草地畜産種子協会(平成12年12月3日以前は「社団法人日本草地畜産協会」) |
助成事業 | 公共牧場利用体制等整備 |
事業の概要 | 大家畜経営のコスト低減と公共牧場の活性化に資するため、平成12年度に、家畜飼養管理に必要なほ育舎等を整備する者に対し、社団法人日本草地畜産種子協会が農畜産業振興事業団の補助を受けてその経費を助成するもの |
事業費 | 177,986,000円 |
上記に対する協会の助成金交付額 | 88,992,800円 |
上記に対する事業団の補助金相当額 | 88,992,800円 |
不当と認める事業費 | 8,475,524円 |
不当と認める協会の助成金交付額 | 4,237,753円 |
不当と認める事業団の補助金相当額 | 4,237,753円 |
1 事業の概要
農畜産業振興事業団(以下「事業団」という。)では、農畜産業振興事業団法(平成8年法律第53号)に基づき、大家畜経営のコスト低減と公共牧場の活性化に資するため、社団法人日本草地畜産種子協会(以下「草地協会」という。)が公共牧場の運営基盤や利用体制を整備するなどの公共牧場利用体制等整備事業(以下「牧場整備事業」という。)を実施する場合に、その事業に要する経費の一部を補助している。
そして、草地協会では、上記牧場整備事業の一環として、家畜飼養管理に必要な施設・機械等を整備する運営基盤整備事業を実施する者(以下「事業実施者」という。)に対し、事業団から交付を受けた補助金と同額をその整備に要する経費の一部として助成している。
事業団及び草地協会では、上記補助金及び助成金の交付に当たり、牧場整備事業に要する経費のうち消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)額の取扱いについては、公共牧場利用体制等整備事業助成実施要綱(平成10年10農畜団第942号)等において、次のように定めている。
すなわち、事業実施者は、実績報告書の提出後に消費税の申告により、課税売上高に対する消費税額から助成対象施設等の整備に係る消費税額を課税仕入れに係るものとして控除(以下、この控除額を「消費税仕入控除税額」という。)し、助成金に係る消費税仕入控除税額が確定したときには、その金額等を速やかに草地協会に報告するとともに、当該金額を返還し、これと同額を草地協会は事業団に返還しなければならないこととなっている。
草地協会では、平成12年度に牧場整備事業の運営基盤整備事業として牛のほ育舎、たい肥舎、自動授乳装置等を消費税8,475,524円を含め、177,986,000円で整備した事業実施者から、13年2月に実績報告書の提出を受け、これに基づき事業団に実績報告書を提出し、事業団から88,992,800円の補助金を受け、これと同額の助成金を事業実施者に交付している。
2 検査の結果
検査したところ、事業実施者は同年4月に消費税の確定申告を行い、本件事業に係る消費税額8,475,524円を仕入れに係る消費税額として控除し、同年5月に消費税の還付を受けていた。
しかし、草地協会では、上記の消費税仕入控除税額8,475,524円のうち助成金に係る額4,237,753円の報告を受けておらず、これに相当する額を返還させていなかった。
このような事態が生じていたのは、事業実施者において本件事業における消費税相当額の取扱いについての理解が十分でなかったこと、草地協会において本件事業についての審査確認が適切でなかったこと、及び事業団において草地協会に対する指導監督が十分でなかったことによると認められる。
したがって、前記の消費税仕入控除税額に係る補助金相当額4,237,753円が草地協会から事業団に返還されておらず、不当と認められる。