バブル経済崩壊後における多数の金融機関の破綻に際して、国は、信用秩序の維持のため、多額の公的資金を投入して資金援助を行い、救済金融機関への営業譲渡等により、預金等を全額保護し、破綻金融機関に係る貸出しを維持するなど、金融仲介機能を維持してきた。
そして、交付国債が使用された10年度から13年度までの104金融機関に対する破綻処理(注17)
の状況を見ると、表9のとおり、公的資金として投入された金銭の贈与額、資産の買取額に対して、当該公的資金投入額を超える多額の預金や、特別公的管理銀行の金融債等の債券が保護され、また、営業譲渡等により多額の貸出金に係る融資が継続された。
表9 資金援助に係る公的資金投入とその効果の対比
公的資金投入額 | 預金等の全額保護及び貸出金の融資継続の状況 | ||||
金銭の贈与額 | 14兆2819億余円 | 保護された預金 | 28兆2893億余円 | ||
うち交付国債償還額 | 9兆0548億余円 | うちペイオフコストを超える預金相当額 | 14兆8597億余円 | ||
資産の買取額 | 4兆9406億余円 | 保護された特別公的管理銀行の金融債等の債券 | 13兆1196億余円 | ||
融資が継続された貸出金 | 19兆2181億余円 |