国の機関では、各府省庁の組織令等に基づいて内部監査を実施する組織を設置し、それぞれの機関における会計経理、事務・事業の執行等を監査している。
監査は、一般に、対象から独立した第三者により、会計経理や事務・事業について一定の基準に基づく調査を実施し、その結果に対する評価等を行い、これを通じて会計経理の適正性を確保し、あるいは、事務・事業の執行を適正かつ経済的・効率的・効果的なものとするなど所要の是正・改善を図ることを目的として行われるものである。
監査の種別には、会計経理について監査する「会計監査」と事務・事業の執行について監査する「業務監査」があり、会計監査は会計経理の適正性、経済性・効率性等の確保を、業務監査は、組織の業務執行の適法性、効率性の確保、構成員の服務状況の把握等を目的としている。また、監査は、その実施主体の別により、当該組織内の機関・組織により監査が行われる「内部監査」と、当該組織外の機関・組織により監査が行われる「外部監査」に区分される。
国の機関における監査は、国の会計経理、事務・事業の執行等を適切に評価することにより事業目的の達成に寄与するという点で一般の監査と同様の目的を有しており、このうち、会計監査としては、各機関において行われる内部監査としての会計監査(以下「会計監査」という。)と外部監査に相当する本院の会計検査がある。
会計監査と本院の会計検査は、それぞれ各府省庁の組織令等に規定された国の機関の内部統制及び憲法に規定された財政監督の手段であって、その根拠法令等は異なる。しかし、国の会計経理と予算執行の適正を図るという基本的な目的は同じであり、会計経理の正確性、合規性、事務・事業に係る予算執行の経済性・効率性、有効性等の監査・検査の観点においても共通している。