国有財産の分類 | (分類)行政財産 | (種類)公用財産 | (区分)建物 |
(区分)工作物 |
上記の件数及び価格 | 335件、3億1763万円 |
計上漏れとなっていた件数及び価格 | 324件、1億5544万円 |
1 国有財産の概要
国有財産は、国の行政目的に直接使用される行政財産とそれ以外の普通財産に分類されている。このうち、行政財産の管理は、国有財産法(昭和23年法律第73号)に基づき、各省各庁の長が行うこととなっている。
内閣府(平成13年1月5日以前は総理府)では、その所管に属する国有財産に関する事務の一部を、各省各庁の長である内閣総理大臣から部局等の長に分掌させており、内閣府本府(13年1月5日以前は総理府本府)に属する国有財産(沖縄総合事務局に属するものを除く。)については、内閣府大臣官房会計課長が、国有財産の分類及び種類ごとに、区分及び種目、所在、数量、価格などを記載した台帳(以下「国有財産台帳」という。)を備え、管理している。国有財産台帳は、国有財産の価格等を記録し、国有財産を適正に経理するための帳簿であり、また、これを基に毎年度作成される国有財産増減及び現在額報告書、及び同総計算書(以下「国有財産報告書等」という。)は、国有財産の現況を国会を通じて国民に対して明らかにするという性格を有するものとされている。
各省各庁の長は、その所管に属する建物の模様替・修繕及び工作物の設置等に基づく価格の変動があった場合においては、国有財産法第32条第2項により、直ちにこれを国有財産台帳に記載しなければならないこととされている。そして、国有財産法施行令(昭和23年政令第246号)第21条により、国有財産台帳に新たに登録する場合の価格は、建物、工作物等については、建築費等とすることとされている。また、「国有財産台帳等取扱要領について」(平成13年財理第1859号。13年5月23日以前は「国有財産台帳取扱要領について」(昭和33年蔵管第1276号)。以下、これらを「取扱要領」という。)により、建築費等は、建築等に直接要した費用とし、建物その他の障害物の取壊し費その他の間接費は含めないこととされている。
さらに、「内閣府所管国有財産取扱規則」(平成13年内閣府訓令第59号。13年1月5日以前は「内閣及び総理府所管国有財産取扱規則」(昭和52年総理府訓令第2号)。以下、これらを「取扱規則」という。)により、模様替・修繕をした建物等については、これに要した費用等の額を国有財産台帳に新たに登録する価格としている。
2 検査の結果
内閣府本府では、新たな組織の発足や再編統合による庁舎整備に伴って、建物の模様替や工作物の設置などの工事(以下「改修工事」という。)を継続的に行っている。
そこで、内閣府本府が8年度から14年度までの間に行った改修工事により国有財産台帳に新たに登録された建物及び工作物計335件、登録価格3億1763万余円について、前記の法令等に基づき適正に国有財産の価格が計上されているかに着眼して検査した。
検査したところ、上記の335件のうち324件について、次のような事態が見受けられた。
すなわち、内閣府本府では、改修工事に要した費用を新たに国有財産台帳の登録価格に計上するに当たり、改修工事に要した費用のうち主材料、雑材料等の材料費に相当する費用を登録価格としており、労務費等の直接工事費の一部及び一般管理費等の共通費に相当する費用は除外していた。
しかし、除外していた労務費等の費用は、取扱要領において建築費等に含めないこととされている取壊し費その他の間接費とは異なり、国有財産の価格を形成する上で必要不可欠な費用であることから、取扱要領が規定する建築等に直接要した費用であると認められ、国有財産台帳の登録価格から労務費等の費用を除外することは適切とは認められない。
したがって、改修工事により国有財産台帳に新たに登録された建物及び工作物の登録価格が1億5544万余円計上漏れとなっていると認められた。
なお、独立行政法人国立公文書館(以下「公文書館」という。)が13年4月に設立され、内閣府所管の行政財産を普通財産とした上で出資されている。その出資額は、設立日現在における国有財産台帳を基に評価した額であるが、公文書館に出資する前に改修工事を行った分に係る計上漏れが上記1億5544万余円のうち1499万余円含まれていた。
このように、法令等により国有財産台帳の登録価格に計上することとなっている費用を計上しないことは、国有財産報告書等において、国有財産の価格に投下した費用が適切に反映されないことになり、適正とは認められず、改善の要があると認められた。
このような事態が生じていたのは、内閣府本府において、取扱規則における模様替等に要した費用等の範囲を具体的に明示していなかったため、取扱要領で定められた建築費等の定義である建築等に直接要した費用を、材料費であると解釈し、それ以外の労務費等の直接工事費及び共通費は、間接費であると誤って認識していたことなどによると認められた。
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、内閣府本府では、計上漏れとなっていた価格等について、国有財産台帳価格の修正登録を行った。そして、15年10月に内閣官房長官が通知を発し、取扱規則における模様替等に要した費用等の範囲を具体的に明示するとともに、国有財産台帳に登録する価格の計上方法について周知徹底を図る処置を講じた。