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  • 平成14年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第5 外務省|
  • 平成13年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

支援委員会等の国際機関等に対する拠出金及び分担金について


 支援委員会等の国際機関等に対する拠出金及び分担金について

平成13年度決算検査報告参照

 

1 本院が表示した改善の意見

(検査結果の概要)

 外務省では、国際機関及びその他の組織に対し、その活動に必要な経費に充てるために、拠出金及び分担金を毎年度支出している。
 本院では、我が国からの拠出金等でその活動に必要な経費全額が賄われている支援委員会等の国際機関等(以下「支援委員会等」という。)について、外務省が、その活動状況を十分把握し、適切な措置を執っているか、資金需要等を十分考慮して適時適切な拠出金等の支出を行っているかなどに着眼して検査したところ、支援委員会等において、次のような事態が見受けられた。
(1)それぞれの協定等の規定に従った運営等がなされていないもの
(2)繰越金が毎事業年度生じていて、多額の資金が滞留しているもの
(3)事業年度予算を作成しておらず、予算管理が適切に行えない状況となっていたり、資金使用に対するチェック体制が十分でなかったりしているもの
 このような事態が生じているのは、支援委員会等に起因するところなどもあるが、外務省において、次のことなどによると認められた。
(ア)支援委員会等がその協定等に則って職務を行っているかについて把握し、国際機関等として形骸化するなど協定と実態との相違が生じた場合には事業運営や組織の見直しなどについて助言をするなどの適切な関与を十分に行わなかったこと
(イ)拠出金等の使途、事業の進ちょく状況、資金管理についての把握が十分でなく、実現可能な事業の進ちょくに必要な金額を適時適切に支出するという財政資金の効率的使用に配慮していなかったこと
(ウ)拠出金等の支出に当たり、適切な事業遂行及び会計処理が担保されるよう予算管理を徹底したり、チェック体制の整備を図ったりなどするよう必要に応じて支援委員会等に要請していなかったこと及び支援委員会等から提出された財務報告書等に対するチェック体制が十分でなかったこと

(検査結果により表示した改善の意見)

 外務省において、拠出金等の支出先である国際機関等で適切な事業運営が確保され、拠出金等の効率的使用等が図られるよう、次のとおり、外務大臣に対し平成14年11月に、会計検査院法第36条の規定により改善の意見を表示した。
(ア)国際機関等における委員会等の開催状況等を把握し、国際機関としての意思決定が適切に行われているか適時検討し、事業運営が協定等の趣旨からかい離しているような場合又は事業内容及び規模が変更された場合などには、我が国以外の締約国及び国際機関等と十分な協議を行うなどして、また、必要に応じて拠出金等の支出の必要性を検討するなどして拠出金等支出国としての適切な対応策を執ること
(イ)拠出金等の支出の際、事業遂行に見合った拠出金等の額とし、また、毎年度、事業の進ちょく状況、繰越金等資金管理の状況を把握し、追加支出する場合には、事業規模と繰越額を勘案するなどして資金が滞留することがないよう適時適切な支出を行うこと
(ウ)適切な事業遂行及び会計処理が担保されるよう予算管理を徹底したり、チェック体制の整備を図ったりするなど必要に応じて国際機関等に要請するとともに、国際機関等から提出された財務報告書等のチェック体制を整備すること

2 当局が講じた改善の処置

 外務省では、本院の指摘の趣旨に沿い、通知を発するなどして、国際機関等から事業報告、活動状況報告、予算収支報告等を入手して、これらの内容を確認するため毎年度拠出金等調査票を作成したうえ、これを活用して次のことを行うなどし、国際機関等における適切な事業運営、拠出金等の効率的な使用等を図ることとするとともに、15年度予算以降の国際機関等に対する新たな拠出金等の支出についてその必要性を精査して見直す処置を講じた。
(ア)国際機関等との協議を密にし、その活動状況、意思決定の在り方を十分把握し、必要に応じて、拠出金等の支出の必要性を検討することとした。
(イ)国際機関等の事業の進ちょく状況や資金管理の状況を把握し、実施が滞っている事業については原因を究明して見直しを行い、拠出金等の適時適切な支出を行うこととした。
(ウ)国際機関等における予算管理、チェック体制を把握し、必要に応じて国際機関等にその是正を要請することとした。
 なお、支援委員会については、我が国及びロシア連邦の2箇国以外の締約国においては、「支援委員会の設置に関する協定」を15年4月までに廃棄し、我が国及びロシア連邦においては口上書の交換を行い同月に同協定を終了して支援委員会を廃止した。そして、当該口上書により、清算業務終了後、残余財産については、我が国に返却されることとなった。