会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生本省 (項)社会福祉諸費 |
部局等の名称 | 厚生本省(交付決定庁)(平成13年1月6日以降は厚生労働本省)宮城県ほか9県(支出庁) |
交付の根拠 | 予算補助 |
交付先 | 町21、村4、計25町村(保険者) |
介護円滑導入臨時特例交付金の概要 | 平成12年度の介護保険制度の導入に当たり、その円滑な実施を図ることを目的として、高齢者の保険料軽減措置による保険料収入の不足分に充てるなどのため、11年度限りの特例として交付するもの |
上記に対する交付金交付額の合計 | 1,949,006,000円 |
不当と認める交付金交付額 | 87,771,000円 |
1 交付金の概要
介護円滑導入臨時特例交付金(以下「交付金」という。)は、市町村(特別区、一部事務組合及び広域連合を含む。以下同じ。)を保険者とする介護保険制度を平成12年度から導入するに当たり、その円滑な実施を図ることを目的として、65歳以上の者(以下「第1号被保険者」という。)の保険料(以下「第1号保険料」という。)について12年4月から9月までの半年間は徴収せず、また、同年10月から13年9月までの1年間は半額とする措置を執ることによる保険料収入の不足分を国が負担するなどのため、11年度限りの特例として交付するものである。
交付金の交付額は、次の(ア)及び(イ)により算定された額などの合計額とすることとされている。
(ア) 保険料軽減分
介護保険制度において、第1号保険料は、介護給付に要する額などの費用の見込額から、国、都道府県及び市町村の負担金や国から交付される普通調整交付金(以下「調整交付金」という。)などの収入の見込額(以下「収入見込額」という。)を控除した額(以下「保険料収納必要額」という。)を賄うこととして、第1号被保険者の所得に応じて定めることとなっている。
そのため、前記の保険料軽減措置による第1号保険料の収入の不足分に充てるものとして交付される額(以下「保険料軽減分」という。)は、12年4月から9月までの間の保険料収納必要額に相当する額と同年10月から13年9月までの間の保険料収納必要額の2分の1に相当する額の合計額とされている。
そして、この保険料軽減分の交付額の算定に当たり、収入見込額のうち調整交付金の額は、調整交付金が市町村間で所得段階の区分ごとの第1号被保険者の分布状況(以下「所得段階別加入割合」という。)に格差があることにより生じる保険財政の不均衡を是正するなどのために交付されるものであることから、当該市町村における所得段階別加入割合を全国の所得段階別加入割合と比較し補正するための係数(以下「所得段階別加入割合補正係数」という。)を算出し、これを用いるなどして算定することとなっている。
(イ) 特別加算分
人口規模が小さいなどの事由により第1号保険料が高額となる市町村に対しては、上記の保険料軽減分に加えて、13年10月から15年3月までの1年6箇月間につき第1号保険料を軽減するための費用として、次の加算の額等(以下「特別加算分」という。)が交付される。
〔1〕 小規模市町村加算
12年度から14年度までの各年度の第1号被保険者の見込数の平均が1,500人以下であるなどの要件に該当する市町村について、保険料収納必要額等を用いて算定した額
〔2〕 離島等市町村加算
地域内に離島、振興山村等一定の地域を有する市町村について、所得段階別加入割合補正係数等を用いて算定した額
2 検査の結果
宮城県ほか13都県の1,002市町村について検査した結果、宮城県ほか9県の25町村において、次のとおり交付額の算定を誤ったため、交付金交付額計1,949,006,000円のうち計87,771,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
上記の25町村では、当該町村における実際の所得段階別加入割合ではなく、全国の所得段階別加入割合で算出した所得段階別加入割合補正係数により調整交付金の額を算出していたため、その額が過小となり、収入見込額を過小に算定していた。この結果、保険料収納必要額が過大に算出され、保険料軽減分の交付額が過大に算定されていた。
また、これらの25町村のうち、特別加算分の交付額を算定した14町村では、上記の過大に算出された保険料収納必要額を用いて小規模市町村加算の額を算定したり、誤った所得段階別加入割合補正係数を用いて離島等市町村加算の額を算定したりしていたため、特別加算分の交付額が過大に算定されていた。
このような事態が生じていたのは、町村において交付金の額の算定方法を十分理解していなかったこと、県において実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。
これを県別・交付先(保険者)別に示すと次のとおりである。
県名 | 交付先 (保険者) |
交付金交付額 | 左のうち不当 と認める額 |
摘要 | |
千円 | 千円 | ||||
(62) | 宮城県 | 亘理郡 | 133,525 | 2,608 | 保険料軽減分 |
山元町 | |||||
(63) | 秋田県 | 山本郡 | 56,296 | 3,116 | 保険料軽減分、特別加算分 |
八森町 | |||||
(64) | 同 | 雄勝郡 | 77,500 | 2,751 | 保険料軽減分 |
稲川町 | |||||
(65) | 福島県 | 耶麻郡 | 32,396 | 1,367 | 保険料軽減分、特別加算分 |
熱塩加納村 | |||||
(66) | 同 | 河沼郡 | 43,560 | 1,856 | 保険料軽減分、特別加算分 |
柳津町 | |||||
(67) | 同 | 双葉郡 | 64,908 | 1,686 | 保険料軽減分、特別加算分 |
大熊町 | |||||
(68) | 茨城県 | 鹿島郡 | 156,281 | 3,609 | 保険料軽減分 |
波崎町 | |||||
(69) | 埼玉県 | 児玉郡 | 140,194 | 4,584 | 保険料軽減分、特別加算分 |
児玉町 | |||||
(70) | 新潟県 | 東頸城郡 | 43,523 | 1,314 | 保険料軽減分 |
浦川原村 | |||||
(71) | 同 | 岩船郡 | 113,498 | 2,695 | 保険料軽減分、特別加算分 |
朝日村 | |||||
(72) | 同 | 佐渡郡 | 53,843 | 2,412 | 保険料軽減分、特別加算分 |
羽茂町 | |||||
(73) | 長野県 | 北佐久郡 | 83,699 | 2,781 | 保険料軽減分、特別加算分 |
望月町 | |||||
(74) | 三重県 | 度会郡 | 51,409 | 2,678 | 保険料軽減分、特別加算分 |
大宮町 | |||||
(75) | 同 | 志摩郡 | 71,196 | 4,992 | 保険料軽減分 |
大王町 | |||||
(76) | 広島県 | 安芸郡 | 138,850 | 4,974 | 保険料軽減分 |
音戸町 | |||||
(77) | 同 | 安芸郡 | 103,269 | 9,358 | 保険料軽減分 |
倉橋町 | |||||
(78) | 広島県 | 安芸郡 | 24,534 | 1,080 | 保険料軽減分 |
下蒲刈町 | |||||
(79) | 同 | 賀茂郡 | 133,062 | 4,471 | 保険料軽減分 |
黒瀬町 | |||||
(80) | 同 | 豊田郡 | 78,753 | 2,506 | 保険料軽減分 |
川尻町 | |||||
(81) | 同 | 豊田郡 | 66,975 | 3,204 | 保険料軽減分、特別加算分 |
大崎町 | |||||
(82) | 同 | 豊田郡 | 47,947 | 2,503 | 保険料軽減分、特別加算分 |
東野町 | |||||
(83) | 同 | 豊田郡 | 51,039 | 4,737 | 保険料軽減分、特別加算分 |
木江町 | |||||
(84) | 同 | 比婆郡 | 36,900 | 2,487 | 保険料軽減分、特別加算分 |
比和町 | |||||
(85) | 沖縄県 | 国頭郡 | 79,225 | 7,331 | 保険料軽減分 |
金武町 | |||||
(86) | 同 | 国頭郡 | 66,624 | 6,671 | 保険料軽減分、特別加算分 |
伊江村 | |||||
(62)−(86) の計 | 1,949,006 | 87,771 |