会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)国民健康保険助成費 |
部局等の名称 | 厚生労働本省(交付決定庁)(平成13年1月5日以前は厚生本省)北海道ほか17都府県(支出庁) |
交付の根拠 | 国民健康保険法(昭和33年法律第192号) |
交付先 | 市27、特別区3、町10、村7、計47市区町村(保険者) |
財政調整交付金の概要 | 市町村等の国民健康保険に係る財政力の不均衡を調整するために交付するもので、一定の基準により財政力を測定してその程度に応じて交付する普通調整交付金と、特別の事情を考慮して交付する特別調整交付金がある。 |
上記に対する交付金交付額の合計 | 51,513,515,000円(平成10年度〜14年度) |
不当と認める交付金交付額 | 1,076,975,000円(平成10年度〜14年度) |
1 交付金の概要
国民健康保険(前掲の「国民健康保険の療養給付費負担金の交付が不当と認められるもの」 参照)については各種の国庫助成が行われており、その一つとして、市町村が行う国民健康保険について財政調整交付金が交付されている。財政調整交付金は、市町村間で医療費の水準や住民の所得水準の差異により生じている国民健康保険の財政力の不均衡を調整するため、国民健康保険法(昭和33年法律第192号)に基づいて交付するもので、普通調整交付金と特別調整交付金がある。
普通調整交付金は、被保険者の所得等から一定の基準により算定される収入額(調整対象収入額)が、医療費、保健事業費等から一定の基準により算定される支出額(調整対象需要額)に満たない市町村に対し、その不足を公平に補うことを目途として交付するものである。そして、平成12年度からは、介護保険制度の導入に伴い、医療給付費等に係るもの(医療分)に介護納付金に係るもの(介護分)を加えて交付されている。
普通調整交付金の交付額は、当該市町村の調整対象需要額から当該市町村の調整対象収入額を控除した額に基づいて算定することとなっており、保険料又は保険税(以下「保険料」という。)の収納割合が低い場合には交付金を減額することとなっている。
そして、調整対象需要額及び調整対象収入額の算定並びに保険料の収納割合が低い場合の交付金の減額は、次により行うこととなっている。
(1) 調整対象需要額
調整対象需要額は、本来保険料で賄うべきとされている額であり、医療分と介護分に係る需要額は次のとおりとなっている。
(ア) 医療分に係る需要額は、一般被保険者(退職被保険者及びその被扶養者以外の被保険者をいう。以下同じ。)に係る医療給付費(注1)
、老人保健医療費拠出金及び保健事業費の合計額から療養給付費等負担金等の国庫補助金等を控除した額となっている。
このうち、保健事業費は、健康相談、健康診査、保健施設の運営等被保険者の健康の保持増進のために必要な事業(以下「保健事業」という。)に係る費用である。そして、その額は、〔1〕市町村の職員の人件費や不動産の取得、建設等に要した費用の額を除いた年間の保健事業費支出額から保健事業に係る国庫補助金、保健施設に係る利用料等の収入額を控除した額(以下「保健事業費対象額」という。)と、〔2〕当該市町村の年間平均被保険者数に700円を乗じて得た額(以下「保健事業費基準額」という。)のうちいずれか少ない方の額とすることとなっている。また、14年度からは、上記の保健事業のうち健康診査事業に係る経費は保健事業費支出額から除くこととなっている。
(イ) 介護分に係る需要額は、介護納付金賦課被保険者(当該市町村の国民健康保険の被保険者のうち40歳以上65歳未満の被保険者をいう。以下同じ。)に係る介護納付金から介護納付金負担金等の国庫補助金等を控除した額となっている。
(2) 調整対象収入額
調整対象収入額は、医療分及び介護分それぞれについて、一般被保険者又は介護納付金賦課被保険者の数を基に算定される応益保険料額と、一般被保険者又は介護納付金賦課被保険者の所得を基に算定される応能保険料額とを合計した額となっており、本来徴収すべきとされている保険料の額である。
このうち、介護分の応益保険料額は、年間平均介護納付金賦課被保険者数に1人当たり応益保険料額を乗じて算定することとなっている。
また、医療分の応能保険料額は、一般被保険者の所得(以下「算定基礎所得金額」という。)に一定の方法により計算された率を乗じて算定される。
そして、算定基礎所得金額は、保険料の賦課期日現在一般被保険者である者の前年における所得金額の合計額とすることとなっているが、これには土地等に係る譲渡所得のうち譲渡の理由等に応じて定められた金額以下のもの(以下「特別控除額以下の譲渡所得」という。)の金額を含めないこととなっている。
また、同一世帯に属する被保険者の所得金額の合計額が別に計算される金額(以下「所得限度額」という。)を超えて高額である世帯(以下「所得限度額超過世帯」という。)がある場合には、当該世帯の所得金額のうち所得限度額を超える部分の額に一定の方法により計算した率を乗じて得た額を、上記一般被保険者の所得金額の合計額から控除して、算定基礎所得金額を算定することとなっている。
そして、介護分の応能保険料額は、介護納付金賦課被保険者について、医療分と同様の方法で算定することとなっている。
(3) 保険料の収納割合が低い場合の交付金の減額
市町村における保険料の収納努力を交付額に反映させるため、保険料の収納割合が所定の率を下回る場合に交付金の交付額を減額するものである。
すなわち、交付金の交付額は、調整対象需要額が調整対象収入額を超える額に別に定める率を乗じて得た額となっているが、徴収の決定を行って納付義務者たる世帯主に賦課した保険料の額(以下「保険料の調定額」という。)に対する収納した額の割合が所定の率を下回る市町村については、その下回る程度に応じて段階的に交付額を減額することとなっている。
そして、この減額の基準となる保険料の収納割合は、一般被保険者に係る前年度分の保険料の調定額に対する前年度の収納額の割合等とすることとなっている。
特別調整交付金は、市町村について特別の事情がある場合に、その事情を考慮して交付するものであり、次のような種類の交付金がある。
(1) 収納割合確保・向上特別交付金
この交付金は、国民健康保険事業に対する経営努力が顕著であるなど事業の適正な運営に積極的に取り組んでおり、保険料の収納割合の確保・向上に努めている市町村に対して、前々年度の一般被保険者に係る保険料の収納割合に比べ前年度の収納割合が所定の伸び率以上となっているなどの場合に交付するものである。ただし、被保険者資格の遡及適用及び保険料の遡及賦課(以下「遡及適用・賦課」という。)を法定どおり実施している市町村に限り交付することとなっている。
そして、この交付額は、別に定める定額となっている。
(2) 保健事業費多額特別交付金
この交付金は、保健事業費対象額が保健事業費基準額を超える場合に交付するものである。
そして、この交付額は、保健事業費対象額から保健事業費基準額を控除して得た額の4分の1の額となっている。
(3) 特別事情特別交付金
この交付金は、国民健康保険の保険者として高い意識を有し、その経営姿勢が特に良好であること、その他特別な事情があることを都道府県が認めて推薦した市町村に交付するものである。ただし、遡及適用・賦課を法定どおり実施していない市町村は、推薦の対象とはならないこととなっている。
そして、この交付額は、年間平均一般被保険者数に1人当たり医療費を乗じるなどして算出した額となっている。
(4) 収納特別対策特別交付金
この交付金は、保険料収納体制の整備及び国民健康保険財政の安定化を図る観点から、国民健康保険制度運営のために実施する通例の事業に加えて、より一層の収納事業に取り組んだ市町村に交付するものである。
そして、この交付額は、収納体制の充実・強化に関する事業、口座振替の促進を図る事業など収納率向上及び保険料賦課事務の適正化に資する事業の実施に要した費用の額(以下「収納特別対策事業費対象額」という。)と被保険者規模に応じて別に定める交付上限額を比較していずれか少ない方の額とされている。
財政調整交付金の交付手続は、交付を受けようとする市町村は都道府県に交付申請書及び実績報告書を提出し、これを受理した都道府県は、その内容を添付書類により、また、必要に応じて現地調査を行うことにより審査の上、これを厚生労働省に提出し、厚生労働省はこれに基づき交付決定及び交付額の確定を行うこととなっている。
2 検査の結果
財政調整交付金の制度は、前記のように複雑であり、同交付金の交付申請額等の計算に当たってはその正確な事務処理が不可欠である。
そこで、普通調整交付金については調整対象需要額の保健事業費及び調整対象収入額の算定基礎所得金額の計算は適正か、また、特別調整交付金については交付要件を満たしているかなどに着眼して、北海道ほか27都府県の275市区町村における財政調整交付金の交付の適否を検査した。
検査の結果、北海道ほか17都府県の47市区町村において、交付金交付額計51,513,515,000円のうち計1,076,975,000円が過大に交付されていて不当と認められる。
これを態様別に示すと次のとおりである。
(1) 調整対象需要額を過大に算定しているもの | |
7市町村 | 78,648,000円 |
(2) 調整対象収入額を過小に算定しているもの | |
30市区町村(注2) | 836,967,000円 |
(3) 保険料の収納割合を事実と相違した高い割合としているもの | |
3町村 | 6,702,000円 |
(4) 遡及適用・賦課を法定どおり実施していないもの | |
4市町村(注2) | 135,800,000円 |
(5) 保健事業費対象額を過大に算定しているもの | |
3市町 | 12,138,000円 |
(6) 収納特別対策事業費対象額を過大に算定しているもの | |
1市 | 6,720,000円 |
このような事態が生じていたのは、上記の47市区町村において制度の理解が十分でなかったり、事務処理が適切でなかったりなどしたため適正な交付申請等を行っていなかったこと、また、これに対する北海道ほか17都府県の審査が十分でなかったことによると認められる。
前記の事態を都道府県別交付先(保険者)別に示すと次のとおりである。
都道府県名 | 交付先 (保険者) |
年度 | 交付金交付額 | 左のうち不当と認める額 | 摘要 | |
千円 | 千円 |
(1) 調整対象需要額を過大に算定しているもの
(168) | 富山県 | 富山市 | 14 | 1,907,351 | 2,751 | 保健事業費を過大にしていたもの |
(169) | 愛知県 | 海部郡 立田村 |
12〜14 | 79,664 | 3,234 | 医療給付費を過大にしていたもの |
(170) | 大阪府 | 大阪市 | 14 | 29,516,497 | 49,057 | 保健事業費を過大にしていたもの |
(171) | 同 | 豊中市 | 14 | 1,882,340 | 14,364 | 同 |
(172) | 同 | 柏原市 | 14 | 488,540 | 2,315 | 同 |
(173) | 同 | 泉南郡 熊取町 |
14 | 206,616 | 5,714 | 保健事業費を過大にしていたものなど |
(174) | 宮崎県 | 東諸県郡 国富町 |
14 | 221,675 | 1,213 | 医療給付費を過大にしていたもの |
(1)の計 | 34,302,683 | 78,648 |
上記の7市町村では、普通調整交付金の交付申請等に当たり、保健事業費を過大に算定したり、医療給付費を過大に算定したりしていたため、調整対象需要額が過大に算定されていた。
上記の事態について一例を示すと次のとおりである。
<事例> 保健事業費を過大にしていたもの
大阪市では、普通調整交付金の交付申請等に当たり、保健事業費対象額が保健事業費基準額より少ないことから、保健事業費対象額を保健事業費として調整対象需要額に算入していた。
しかし、同市では、保健事業費対象額の算定に当たり、平成14年度からは、保健事業費支出額から除くこととなっている健康診査事業に係る経費を含めていたなどのため、保健事業費対象額を過大に算定していた。
したがって、適正な保健事業費及びこれを基に算出した調整対象需要額に基づいて普通調整交付金の交付額を算定すると、29,467,440,000円となり、49,057,000円が過大に交付されていた。
(2) 調整対象収入額を過小に算定しているもの
(175) | 北海道 | 釧路市 | 14 | 1,332,259 | 1,269 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(176) | 同 | 苫小牧市 | 14 | 1,142,657 | 1,354 | 同 |
(177) | 同 | 美唄市 | 13、14 | 764,459 | 1,777 | 介護納付金賦課被保険者数を過小にしていたもの |
(178) | 同 | 登別市 | 14 | 480,210 | 1,455 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(179) | 青森県 | 東津軽郡 蓬田村 |
12、13 | 49,882 | 2,177 | 所得金額を過小にしていたものなど |
(180) | 秋田県 | 大曲市 | 11〜13 | 840,090 | 5,434 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(181) | 同 | 鹿角市 | 13 | 402,210 | 4,918 | 同 |
(182) | 同 | 山本郡 二ツ井町 |
12、13 | 230,704 | 2,439 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたものなど |
(183) | 埼玉県 | 川口市 | 10〜14 | 936,532 | 67,624 | 同 |
(184) | 同 | 蕨市 | 14 | 181,430 | 4,446 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(185) | 同 | 北本市 | 14 | 133,630 | 2,574 | 同 |
(186) | 同 | 八潮市 | 12〜14 | 95,585 | 10,729 | 所得金額を過小にしていたものなど |
(187) | 同 | 三郷市 | 14 | 208,776 | 19,940 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたものなど |
(188) | 東京都 | 文京区 | 13、14 | 260,994 | 199,933 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(189) | 同 | 世田谷区 | 12〜14 | 377,944 | 270,759 | 所得金額を過小にしていたものなど |
(190) | 同 | 杉並区 | 12〜14 | 326,603 | 9,545 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(191) | 同 | 八王子市 | 12〜14 | 1,361,374 | 105,647 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたものなど |
(192) | 同 | 三鷹市 | 12〜14 | 95,662 | 27,797 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(193) | 同 | 昭島市 | 13、14 | 517,075 | 1,856 | 同 |
(194) | 同 | 狛江市 | 12〜14 | 56,380 | 4,417 | 介護納付金賦課被保険者数を過小にしていたものなど |
(195) | 同 | 稲城市 | 11〜14 | 144,529 | 52,217 | 所得金額を過小にしていたものなど |
(196) | 神奈川県 | 平塚市 | 11〜14 | 686,912 | 2,668 | 所得金額を過小にしていたもの |
(197) | 福井県 | 福井市 | 11〜13 | 2,872,171 | 1,144 | 同 |
(198) | 山梨県 | 東八代郡 境川村 |
14 | 13,619 | 1,739 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(199) | 大阪府 | 池田市 | 13、14 | 620,418 | 5,602 | 所得金額を過小にしていたもの |
(200) | 兵庫県 | 神崎郡 福崎町 |
12、13 | 164,582 | 1,472 | 介護納付金賦課被保険者数を過小にしていたもの |
(201) | 同 | 揖保郡 太子町 |
12、13 | 234,797 | 5,156 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(202) | 鳥取県 | 鳥取市 | 14 | 668,445 | 2,390 | 所得金額を過小にしていたもの |
(203) | 同 | 倉吉市 | 12〜14 | 929,930 | 14,086 | 所得金額の計算上控除される金額を過大にしていたもの |
(204) | 沖縄県 | 島尻郡 豊見城村 (注3) |
13 | 719,670 | 4,403 | 同 |
(2)の計 | 16,849,529 | 836,967 |
上記の30市区町村では、普通調整交付金の交付申請等に当たり、所得限度額超過世帯がある場合に算定基礎所得金額の計算上控除される金額を過大にしたり、保険料の賦課期日現在一般被保険者である者の前年における所得金額等を過小に計算したり、介護納付金賦課被保険者数を一部漏らして集計したりなどしていた。このため、算定基礎所得金額や介護納付金賦課被保険者数が過小に計算されるなどし、その結果、調整対象収入額が過小に算定されていた。
上記の事態について一例を示すと次のとおりである。
<事例> 介護納付金賦課被保険者数を過小にしたり、所得金額の計算上控除される金額を過大にしたりしていたもの
八王子市では、平成12年度の年間平均介護納付金賦課被保険者数の算定に当たって、退職被保険者等の介護納付金賦課被保険者数を含めていなかった。また、13、14両年度の所得限度額超過世帯の所得金額の算定に当たって、特別控除額以下の譲渡所得の金額を所得金額に含めていたことにより、所得限度額を超える部分の額を過大に算定していた。その結果、12年度においては、介護納付金賦課被保険者数が過小に計算され、また、13、14両年度においては、所得限度額超過世帯がある場合に算定基礎所得金額の計算上控除される金額が過大となり、算定基礎所得金額が過小に算定されるなどしていた。
したがって、適正な介護納付金賦課被保険者数及び算定基礎所得金額並びにこれらを基に算出した調整対象収入額に基づいて普通調整交付金の交付額を算定すると、計1,255,727,000円となり、計105,647,000円が過大に交付されていた。
(3) 保険料の収納割合を事実と相違した高い割合としているもの
(205) | 青森県 | 上北郡 百石町 |
13 | 56,259 | 1,046 | 保険料の調定額を過小にしていたもの |
(206) | 鳥取県 | 八頭郡 佐治村 |
14 | 3,000 | 3,000 | 同 |
(207) | 宮崎県 | 宮崎郡 清武町 |
14 | 130,992 | 2,656 | 保険料の調定額を過小にしていたものなど |
(3)の計 | 190,251 | 6,702 |
百石町及び清武町では、普通調整交付金の交付申請等に当たり、また、佐治村では、収納割合確保・向上特別交付金の交付申請等に当たり、保険料の調定額を過小にしていた。このため、保険料の収納割合が事実と相違して高くなっていた。
上記の事態について一例を示すと次のとおりである。
<事例> 保険料の調定額を過小にしていたもの
清武町では、前年度調定額の計算に当たり、調定額に含めるべき遡及適用被保険者に係る保険料の調定額を誤って控除して過小にしていたため、保険料の収納割合が事実と相違して高くなるなどしていた。そして、適正な収納割合は、所定の率を下回ることから、普通調整交付金の更なる減額の対象となる。
したがって、適正な収納割合に基づき普通調整交付金の交付額を算定すると、128,336,000円となり、2,656,000円が過大に交付されていた。
(4) 遡及適用・賦課を法定どおり実施してしないもの
(208) | 青森県 | 西津軽郡 深浦町 |
12 | 4,000 | 4,000 | 遡及適用・賦課を法定どおり実施していなかったもの |
(209) | 群馬県 | 勢多郡 新里村 |
13 | 6,000 | 6,000 | 同 |
(186) | 埼玉県 | 八潮市 | 12、13 | 116,000 | 116,000 | 同 |
(210) | 鳥取県 | 東伯郡 泊村 |
11、12、14 | 9,800 | 9,800 | 同 |
(4)の計 | 135,800 | 135,800 |
深浦町、新里村及び泊村では、収納割合確保・向上特別交付金の交付申請等に当たり、また、八潮市では、特別事情特別交付金の交付申請等に当たり、被保険者資格の届出が遅延した者について、保険料の遡及賦課を行っておらず、遡及適用・賦課を法定どおり実施していなかったため、交付金の交付要件を満たさないものであった。
上記の事態について一例を示すと次のとおりである。
<事例> 遡及適用・賦課を法定どおり実施していないもの
八潮市では、特別事情特別交付金について、遡及適用・賦課を法定どおり実施しており交付要件を満たしているとして、県の推薦を受け交付申請等を行っていた。
しかし、同市では、被保険者資格の届出が遅延した者について、現年度内の保険料の遡及賦課は行っていたものの、前年度以前分については行っておらず、遡及適用・賦課を法定どおり実施していなかった。このため、県の推薦の対象とはならず、交付金の交付要件を満たさないものであった。
したがって、特別事情特別交付金計116,000,000円は交付の要がなかった。
(5) 保健事業費対象額を過大に算定しているもの
(211) | 北海道 | 滝川市 | 10、 12〜14 |
10,453 | 6,914 | 保健事業費支出額を過大にしていたもの |
(212) | 栃木県 | 塩谷郡 藤原町 |
13 | 4,139 | 4,139 | 同 |
(213) | 和歌山県 | 海草郡 美里町 |
14 | 2,987 | 1,085 | 同 |
(5)の計 | 17,579 | 12,138 |
上記の3市町では、保健事業費多額特別交付金の交付申請等に当たり、保健事業費支出額に保健事業費から除くこととされている市の職員の人件費を含めていたり、保健施設の建設に要した費用を含めていたりなどしていたため、保健事業費対象額が過大に算定されていた。
したがって、適正な保健事業費対象額に基づき保健事業費多額特別交付金の交付額を算定すると、計5,441,000円となり、計12,138,000円が過大に交付されていた。
(6) 収納特別対策事業費対象額を過大に算定しているもの
(214) | 栃木県 | 小山市 | 13 | 17,673 | 6,720 | 対象経費を過大にしていたもの |
小山市では、収納特別対策特別交付金の交付申請等に当たり、収納率向上及び保険料賦課事務の適正化に資する事業に係る経費とは認められない普通調整交付金等の交付申請等に必要な電子計算システムの修正に係る業務委託費を含めていたため、収納特別対策事業費対象額が過大に算定されていた。
したがって、適正な収納特別対策事業費対象額に基づいて収納特別対策特別交付金の交付額を算定すると、10,953,000円となり、6,720,000円が過大に交付されていた。
(1)〜(6)の合計 | 51,513,515 | 1,076,975 |