会計名及び科目 | 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費 |
部局等の名称 | 厚生労働本省 |
補助の根拠 | 雇用保険法(昭和49年法律第116号) |
補助事業者 (事業主体) |
中央職業能力開発協会 |
補助金 | 技能向上対策費補助金 |
補助金の概要 | 雇用保険の被保険者等の職業能力の開発及び向上を促進するため、職業訓練、職業能力検定等に関する業務を行う団体に対し、その業務に要する経費の一部を補助するもの |
補助対象経費 | 1,158,311,697円 | (平成13年度) |
上記に対する国庫補助金交付額 | 975,263,346円 | |
補助対象経費のうち消費税及び地方消費税の額 | 16,840,981円 | (平成13年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 8,762,961円 | (平成13年度) |
1 補助金の概要
技能向上対策費補助金(以下「補助金」という。)は、雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づき、能力開発事業の一環として、雇用保険の被保険者等の職業能力の開発及び向上を促進するため、職業訓練、職業能力検定等に関する業務を行う中央職業能力開発協会(以下「協会」という。)等に対し、その業務に要する経費の一部を補助するものである。
消費税法(昭和63年法律第108号)によれば、事業者は、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除した額を消費税として納付することとなっている。
そして、同法等によれば、公益法人等である協会等に係る消費税の納付税額の計算に当たり、補助金収入など売上げ以外の収入(以下「特定収入」という。)の額を売上高と特定収入の合計額で除した割合(以下「特定収入割合」という。)が100分の5を超える場合には、課税仕入れに係る消費税額のうち特定収入により賄われる消費税額を課税売上高に対する消費税額から控除することはできないが、特定収入割合が100分の5以下の場合には、特定収入により賄われる消費税額を控除できることとなっている。
このため、技能向上対策費補助金交付要綱(平成13年能発第19号厚生労働省職業能力開発局長通知)では、協会等は、補助事業完了後に、消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)の申告により、補助対象経費に含まれる消費税額のうち課税仕入れに係る消費税額として控除できる金額が確定した場合には、これに係る国庫補助金相当額(以下「補助金に係る消費税仕入控除税額」という。)を速やかに厚生労働省に報告するとともに、当該金額を返還することとなっている。
2 検査の結果
検査したところ、協会では、平成13年度に実施した技能向上対策に係る補助事業について、消費税を含めて補助対象経費を1,158,311,697円と算定して、14年4月に実績報告書を提出し、補助金975,263,346円の交付を受けていた。
そして、消費税については、14年5月に確定申告を行っており、その際、13年度の特定収入割合が100分の5以下であったことから、補助対象経費に含まれると認められる消費税額の全額16,840,981円を課税仕入れに係る消費税額として課税売上高に対する消費税額から控除していた。
しかし、協会では、上記の消費税額16,840,981円のうち補助金に係る消費税仕入控除税額8,762,961円を厚生労働省に報告して返還する措置を執っておらず、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、協会において、補助事業における消費税の取扱いに対する認識が十分でなかったこと、同省において、適正な事務処理の執行についての協会に対する指導や確認が十分でなかったことによると認められる。