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  • 平成14年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第12 環境省|
  • 不当事項|
  • 補助金(261)−(264)

環境保全施設整備費補助金の経理において、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの


(261)(262)環境保全施設整備費補助金の経理において、仕入税額控除した消費税額に係る補助金を返還していないもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)環境省 (項)環境保全施設整備費
部局等の名称 長野県
補助の根拠 予算補助
補助事業者 長野県
間接補助事業者
(事業主体)
有限会社ふじもりほか1山小屋経営者
補助事業 山岳環境浄化事業
補助事業の概要 自然環境の保全を図るため山岳における排水・し尿処理施設等の整備を行うもの
補助対象経費 98,068,000円 (平成12年度)
上記に対する国庫補助金交付額 49,034,000円  
補助対象経費のうち消費税及び地方消費税の額 4,669,850円 (平成12年度)
不当と認める国庫補助金交付額 2,334,925円 (平成12年度)

1 補助金の概要

(補助金の概要)

 環境保全施設整備費補助金(山岳環境浄化事業分)は、自然環境の保全を図るため山岳における排水・し尿処理施設等の整備について、都道府県が行う事業、又は市町村、民法法人及びその他環境大臣が適当と認める者が行う事業に対して都道府県が補助する事業を交付対象とするものである。
 このうち、都道府県が補助する事業に対する補助金の交付額は、環境保全施設整備費補助金交付要綱(平成11年環自国第533号、環水企第501号環境事務次官通知。以下「交付要綱」という。)等に基づき、次のように算定することとなっている。
(ア) 環境大臣が必要と認めた額と、排水・し尿処理施設等の本工事費、付帯工事費等の実支出額とを比較して少ない方の額を選定する。
(イ) (ア)により選定された額と総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に2分の1を乗じて算出した額と、都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額を交付額とする。

(補助事業における消費税の取扱い)

 消費税法(昭和63年法律第108号)によれば、事業者は、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除した額を消費税として納付することとなっている。そして、課税期間における課税売上割合(総売上高に占める課税売上高の割合)が95%以上のときなどは、課税仕入れに係る消費税額の全額を課税売上高に対する消費税額から控除(以下「仕入税額控除」という。)できることとなっている。
 このため、交付要綱により、補助事業の事業主体は、補助事業完了後に、消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)の申告により補助対象経費に含まれる消費税額のうち課税仕入れに係る消費税額として控除できる金額が確定した場合には、これに係る補助金相当額(以下「補助金に係る消費税仕入控除税額」という。)を速やかに報告するとともに、当該金額を返還することとなっている。

2 検査の結果

 検査したところ、2事業主体において、消費税の確定申告等に当たり、課税売上割合が95%以上であるとして、補助対象経費計98,068,000円(国庫補助金計49,034,000円)に含まれる消費税額計4,669,850円全額を仕入税額控除しているのに、当該補助金に係る消費税仕入控除税額計2,334,925円を報告して返還する措置を執っておらず、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、両事業主体において補助事業における消費税の取扱いに対する認識が十分でなかったこと、同県において適正な事務処理の執行についての指導や確認が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを事業主体別に示すと次のとおりである。

  県名 事業主体 年度 補助対象経費
うち消費税及び地方消費税の額
左に対する国庫補助金 消費税仕入控除税額
地方消費税分を含む
不当と認める国庫補助金相当額
        千円 千円 千円 千円
(261) 長野県 有限会社ふじもり 12 50,544
(2,406)
25,272 2,406 1,203
(262) 山小屋経営者 12 47,524
(2,263)
23,762 2,263 1,131
(261)(262) の計     98,068
(4,669)
49,034 4,669 2,334