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  • 平成14年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第42 東日本電信電話株式会社、第43 西日本電信電話株式会社|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項|
  • (東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社)

光配線盤に設置する光分岐モジュールについて、回線が開通していないものを転用することなどにより、購入費の節減を図るよう改善させたもの


(1)(2)光配線盤に設置する光分岐モジュールについて、回線が開通していないものを転用することなどにより、購入費の節減を図るよう改善させたもの

会社名 (1) 東日本電信電話株式会社
(2) 西日本電信電話株式会社
科目 (1) 設備投資勘定
(2) 設備投資勘定
部局等の名称 (1) 東日本電信電話株式会社本社
(2) 西日本電信電話株式会社本社
光分岐モジュールの概要 加入者光ファイバケーブルと局内光ファイバケーブルとを接続するため収納箱と組み合わせて光配線盤に設置される部品
光配線盤に設置されていた数量 (1) 240,957個
(2) 176,242個
購入数量 光分岐モジュール(左のうち収納箱付光分岐モジュール)
(1) 83,748個(22,162個)
(2) 69,700個(17,618個)
購入費 (1) 35億0222万余円(平成14年度)
(2) 29億2928万余円(平成14年度)
上記のうち転用可能と認められた数量 (1) 594個
(2) 1,042個
収納箱のない光分岐モジュールで足りた数量 (1) 19,779個
(2) 16,367個
節減できた購入費 (1) 3940万円
(2) 6270万円

1 設備の概要

(光分岐モジュールの概要)

 東日本電信電話株式会社(以下「NTT東日本」という。)及び西日本電信電話株式会社(以下「NTT西日本」という。)では、光ファイバケーブルを使用した、IP通信網サービス(注1) 、第2種総合ディジタル通信サービス(注2) 、高速ディジタル伝送サービス(注3) など(以下これらのサービスを「光サービス」という。)を加入者に提供している。
 そして、両会社では、光サービスを提供するため、加入者と設備センタビルとを結ぶ加入者光ファイバケーブル(以下「加入者光ケーブル」という。)を敷設して、加入者光ケーブルと設備センタビル内の伝送装置を結ぶ局内光ファイバケーブル(以下「局内光ケーブル」という。)とを同ビル内に設置した光配線盤において接続しており、この接続箇所には提供する光サービスの種類に応じた光分岐モジュールを設置している。この光分岐モジュールは、加入者光ケーブルのテープ心線の接続部分を保護するための収納箱と組み合わせて取り付けられている(参考図参照)

(光分岐モジュールの設置)

 光分岐モジュールの設置は、両会社本社制定の「電気通信技術標準実施方法 光加入者線路 設計編」等に基づき次のように行うこととされている。

(ア) 加入者光ケーブルを新たに敷設する工事(以下「敷設工事」という。)においては、加入者からの申込みなどにより回線を開通させる工事(以下「開通工事」という。)を併せて行う必要がある心線には光分岐モジュールと収納箱が既に組み合わされているもの(以下「光分岐モジュール<箱アリ>」という。)を、それ以外の心線には収納箱のみをそれぞれ設置する。

(イ) 既設の加入者光ケーブルで、収納箱のみが設置され未使用となっている心線に回線を開通させる場合には、光分岐モジュール単体のもの(以下「光分岐モジュール<箱ナシ>」という。)を当該収納箱に組み合わせて設置する。
 そして、既設の加入者光ケーブルを使用している回線を他の加入者光ケーブルの心線に切り替える工事(以下「切替工事」という。)を行う場合は、切替えに伴う光サービスの中断時間を短時間とするためにあらかじめ、回線の切替工事後に使用する加入者光ケーブルが接続される光配線盤に光分岐モジュールを設置している。この切替工事後に使用されなくなる光分岐モジュールは、回線が開通していない状況(以下、このような状況を「非現用」という。)となる。

(参考図)光分岐モジュールの設置の概要(概念図)

(参考図)光分岐モジュールの設置の概要(概念図)

(設置工事の実施体制)

 両会社では、支店が発注する光分岐モジュールの設置を伴う工事の実施に当たり、利活用物品の検索等の物品要求補助業務、工事設計・施工管理などの工事管理補助業務等を委託している。
 当該業務の委託を受けた会社(以下「受託会社」という。)では、各支店が発注する敷設工事、切替工事及び開通工事において、工事を受注した請負業者が選定・算出した光分岐モジュールの種類、数量等の内容を確認し、物品の調達業務を行っている両会社本社のそれぞれの資材調達部門へ物品を要求し、請負業者に支給する業務を行うこととなっている。
 各支店では、上記の各工事において、受託会社が作業完了確認を行い作成した完了報告書に基づきその内容を確認するほか、敷設工事及び切替工事においては、受託会社が確認した工事設計内容について工事開始前に承認を行うこととなっている。

2 検査の結果

(検査の着眼点)

 両会社における近年の光サービスの契約数は、IP通信網サービスでは増加している一方で、第2種総合ディジタル通信サービス及び高速ディジタル伝送サービスでは共に減少していることから、光分岐モジュールの購入が光サービスの需要動向や設備の使用状況を考慮した適切なものになっているかに着眼して検査した。

(検査の対象)

 NTT東日本の東京支店ほか16支店(注4) 及びNTT西日本の大阪支店ほか15支店(注5) において、平成15年7月時点で光配線盤に設置されていた光分岐モジュール(NTT東日本で240,957個、NTT西日本で176,242個)を対象としてその使用状況を検査するとともに、14年度に購入した光分岐モジュール(同83,748個(購入金額35億0222万余円)、同69,700個(購入金額29億2928万余円))を対象にその必要性等について検査した。

(検査の結果)

 検査したところ、次のような事態が見受けられた。

ア 光分岐モジュールが未転用となっているもの

 15年7月時点で光配線盤に設置されていた光分岐モジュールについては、NTT東日本で43,338個、NTT西日本で42,494個が非現用となっていた。これらの光分岐モジュールは、切替工事や回線の廃止等により非現用となった時点で光配線盤に設置しておく必要がなくなるので、新たに同一種類の光分岐モジュールを設置する必要が生じた箇所に転用することができるものである。
 上記の非現用となっていた光分岐モジュールのうち、14年度に実施された回線の切替工事の実績から非現用となった時期等が特定できたものが、NTT東日本で615個、NTT西日本で1,047個あった。これらのうち、NTT東日本では594個について、NTT西日本では1,042個について、支店内又は各会社の支店間で転用することにより、それぞれ東京支店ほか12支店(注6) 及び大阪支店ほか13支店(注7) において購入費の節減を図ることができると認められた。

イ 収納箱の要否の検討が不十分なもの

 14年度に購入した光分岐モジュール<箱アリ>(NTT東日本で22,162個、NTT西日本で17,618個)のうち、NTT東日本の19,779個及びNTT西日本の16,367個は、既設の収納箱を取り外した上で既に敷設された加入者光ケーブルが接続している光配線盤に設置する工事に使用されていた。
 しかし、既に敷設された加入者光ケーブルが接続している光配線盤には収納箱が設置されているのであるから、それを使用することとし、光分岐モジュール<箱ナシ>を購入して設置すれば足りると認められた。

(節減できた購入費)

 本件について、次のような方法により、経済的、効率的な設備構築を行うこととすれば、光分岐モジュールの購入費をNTT東日本で約3940万円、NTT西日本で約6270万円節減できたと認められた。
(ア) 前記アの事態については、切替工事によって非現用となった時期等が特定できた光分岐モジュールを支店内及び各会社の支店間で転用する。
(イ) 前記イの事態については、既に敷設された加入者光ケーブルが接続している光配線盤には、光分岐モジュール<箱ナシ>を購入し、設置する。

(発生原因)

 このような事態が生じていたのは、両会社において次のようなことによると認められた。
(ア) 本社及び支店において、非現用の光分岐モジュールの利活用を図ることに対する認識が十分でなかったこと
(イ) 受託会社が、収納箱の有無を十分確認しないまま物品選定・要求等の補助業務を行っていたにもかかわらず、支店において、受託会社に対する指導が十分でなかったこと

3 当局が講じた改善の処置

 上記についての本院の指摘に基づき、両会社では、15年10月に、各支店に対して次のような内容の指示文書を発し、光分岐モジュールの購入及び設置について経済的、効率的な設備構築を行うことにより、その購入費の節減を図る処置を講じた。
(ア) 本社及び支店において、受託会社に対して光分岐モジュールの現況の把握や物品要求時における利活用物品の有無の確認を行うよう指示し、サービスの需要動向に十分配慮し非現用の光分岐モジュールの適切な転用を行うこと
(イ) 本社及び支店において、受託会社に対し、収納箱の有無を十分に確認して、物品選定・要求等の補助業務を適切に行うよう周知徹底すること

(注1) IP通信網サービス 主としてデータ通信の用に供することを目的としてインターネットプロトコルにより符号の伝送交換を行うための電気通信回線設備を使用して行う電気通信サービス
(注2) 第2種総合ディジタル通信サービス 1本の契約者回線で23本の情報チャネル(64キロビット/秒)と1つの信号チャネル(16キロビット/秒)を利用するタイプと、信号チャネルをほかの信号チャネルなどと共用し、24本の情報チャネルを利用するタイプがあり、企業ユーザや大容量の通信を対象としたサービス
(注3) 高速ディジタル伝送サービス 音声、画像及びデータを統合した高度な総合通信ネットワークなど幅広い用途で利用できる専用サービスで、伝送速度192キロビット/秒以上のものは光ファイバケーブルを使用する。
(注4) 東京支店ほか16支店 東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨、長野、新潟、宮城、福島、岩手、青森、山形、秋田、北海道各支店
(注5) 大阪支店ほか15支店 大阪、京都、兵庫、名古屋、静岡、岐阜、三重、金沢、広島、岡山、山口、愛媛、福岡、熊本、鹿児島、沖縄各支店
(注6) 東京支店ほか12支店 東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、群馬、長野、新潟、宮城、福島、岩手、山形、北海道各支店
(注7) 大阪支店ほか13支店 大阪、京都、兵庫、名古屋、静岡、岐阜、三重、金沢、広島、岡山、愛媛、福岡、熊本、鹿児島各支店