IT社会の形成は、上記のとおり、国家戦略として多額の予算を投じて進められている重要な施策であり、今後も施策の進展に伴い更なる予算の増こうが予想される。そして、電子商取引や申請、届出等手続のオンライン化、ワンストップサービスなどの行政の情報化は国民生活にも密接に関係している。
そして、これらの施策に伴う事業の実施に当たっては、国の機関に従来の事務手続の見直しや情報通信技術に関する高度な専門知識の活用が要求される場合が少なくない。しかし、情報通信技術の進歩が急速であることなどから、国の機関がこれらの対応を十分になし得ていないおそれがある。
また、施策の実施に伴い必要となる情報システムの調達(ソフトウェア及びハードウェアから構成される情報システムの設計、開発、改良、保守、運用等のための物品等及び役務の調達をいう。以下同じ。)に係る契約に関しては、競争性、透明性及び公正性が確保されないまま契約が継続されていたり、極端な安値落札により契約が締結されていたりするなどの事態が各方面から指摘されている。