(ア)政府資金及び公営公庫資金の原資
地方債に充てられる資金をその供給者の面から大別すると国内資金と国外資金に分類され、更に国内資金は、政府資金、公営公庫資金、民間資金及びその他資金に分類される。
このうち、政府資金は、前記のとおり財政融資資金(12年度以前は資金運用部資金)、郵貯資金及び簡保資金であり、公営公庫資金は、公営公庫が政府保証債及び財投機関債を発行して調達した資金等がその原資となっている。
(イ)政府資金及び公営公庫資金の財源手当
国は毎年度予算編成と併行して財政投融資計画と地方債計画を策定している。
財政投融資計画は、国の財政資金等について毎年度の運用計画を定めたものであり、その中で地方公共団体向け財政融資資金と公営公庫の債券発行に係る政府保証等を措置している。また、地方債計画は、地方債の発行見込額とそれに対応する資金手当の内訳を定めたものである。
そして、財政投融資計画に計上される地方公共団体向け政府資金の総額は、地方債計画に計上される政府資金の総額と原則として同額となっており、両計画は密接な関連を有している。
政府資金及び公営公庫資金の貸付額等の推移は表14のとおりとなっており、国の経済対策を受け5年度以降貸付額が増加傾向にある。貸付残高についてみると、政府資金、公営公庫資金共に、14年度末残高は元年度の約2倍となっており、両者を合わせた貸付残高は116兆円に上る。
表14 政府資金及び公営公庫資金の貸付額等の推移
(単位:10億円)
資金 | 区分 | 元 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
政府資金 | 貸付額 | 4,678 | 4,746 | 5,492 | 5,448 | 7,186 | 8,971 | 7,600 |
償還額 | 2,088 | 2,514 | 3,066 | 2,877 | 2,998 | 3,223 | 3,151 | |
年度末残高 | 40,753 | 42,985 | 45,411 | 47,982 | 52,171 | 57,919 | 62,368 | |
公営公庫資金 | 貸付額 | 1,071 | 903 | 1,007 | 1,190 | 1,720 | 1,904 | 1,802 |
償還額 | 435 | 477 | 495 | 538 | 612 | 642 | 685 | |
年度末残高 | 12,296 | 12,717 | 13,228 | 13,880 | 14,988 | 16,245 | 17,357 | |
計 | 貸付額 | 5,750 | 5,649 | 6,500 | 6,638 | 8,907 | 10,876 | 9,403 |
償還額 | 2,523 | 2,991 | 3,562 | 3,415 | 3,611 | 3,866 | 3,837 | |
年度末残高 | 53,050 | 55,702 | 58,640 | 61,863 | 67,159 | 74,164 | 79,726 |
資金 | 区分 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
政府資金 | 貸付額 | 9,545 | 8,828 | 8,524 | 9,616 | 8,437 | 7,626 | 8,102 |
償還額 | 3,262 | 3,585 | 4,113 | 4,455 | 4,634 | 5,124 | 5,542 | |
年度末残高 | 68,651 | 73,895 | 78,306 | 83,467 | 87,270 | 89,772 | 92,332 | |
公営公庫資金 | 貸付額 | 2,120 | 2,136 | 2,094 | 2,117 | 1,947 | 1,785 | 1,717 |
償還額 | 753 | 823 | 909 | 1,011 | 1,117 | 1,124 | 1,240 | |
年度末残高 | 18,725 | 20,030 | 21,212 | 22,318 | 23,148 | 23,809 | 24,286 | |
計 | 貸付額 | 11,666 | 10,965 | 10,619 | 11,734 | 10,385 | 9,411 | 9,819 |
償還額 | 4,015 | 4,409 | 5,023 | 5,467 | 5,751 | 6,249 | 6,782 | |
年度末残高 | 87,377 | 93,925 | 99,519 | 105,785 | 110,419 | 113,581 | 116,619 |
(ウ)地方債残高に占める政府資金及び公営公庫資金の状況
地方債残高に占める政府資金、公営公庫資金等の割合の推移は図13のとおりである。政府資金については元年度の46%から6年度の34%までは毎年減少していたが、7年度以降増加に転じ、13年度には元年度とほぼ同じ水準となっている。公営公庫資金は同時期において4%から7%の間で推移している。
また、公営企業会計等普通会計以外の会計については図14のとおりであり、政府資金は普通会計とは異なり年々増加していて、元年度の49%が13年度には58%となっている。公営公庫資金は27%から29%と普通会計より高い割合で推移している。
図13 普通会計における地方債の借入先別残高の割合
図14 公営企業会計等における地方債の借入先別残高の割合