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  • 平成14年度|
  • 第4章 特定検査対象に関する検査状況|
  • 第18 地方公共団体に対する財政資金の流れについて|
  • 2 検査の状況|
  • (6)地方の財政負担及び地方財政に係る国の財政負担の動向等

地方の財政負担及び地方財政に係る国の財政負担の動向


イ 地方の財政負担及び地方財政に係る国の財政負担の動向

 これまでの地方財政の財源不足の補てん措置の推移は前記(3)カ(イ)のとおりであり、交付税特会に対する国及び地方の後年度負担は、同(3)カ(イ)及び(ウ)のとおり、14年度末において、国の負担20兆8476億円、地方の負担30兆7243億円となっている。そして、国においては、交付税特会の借入金の国負担分15兆9317億円は償還時に一般会計から繰り入れることが法定されており、一般会計の交付税特会への繰入れの繰延分と併せ、将来の一般会計歳出の圧迫要因になると思料される。また、地方においては、交付税特会の借入金の地方負担分30兆7243億円は地方交付税を原資として償還することとなるため、将来の地方財政の圧迫要因になると思料される。
 さらに、13年度から15年度までの間に措置された臨時財政対策債については、地方交付税から振り替えられたものであり、将来各地方公共団体に交付される地方交付税に影響を与えると思料される。
 地方公共団体においては、少子・高齢化の進展等に伴って今後も様々な行政需要が増加していくことが見込まれ歳出の増加要因になるとともに、地方債残高が累増していることから引き続き公債費が重い負担となり、地方財政を圧迫することが想定される。そして、これらが地方の財源不足額等の拡大要因となり、国が交付する地方交付税の算定に影響することも考えられる。
 一方、地方公共団体に対する補助金等については、毎年度交付額が多額に上っているだけではなく、原資の一部が公債によっている部分もあり、国はその償還の負担を負うことになる。また、今後、補助金等の削減等の見直しを推進するに当たっては、必要な事業については、補助金等の交付額の減額に伴い財源措置の検討が必要になると思料される(なお、エで後述する閣議決定「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」においては、廃止する国庫補助負担金の対象事業の中で引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては、基幹税の充実を基本に税源移譲するとされている。)。
 このように、地方財政の厳しい状況を反映して、これに係る国の財政負担もまた厳しい状況が続くことが見込まれる。