会計名及び科目 | 一般会計 (部)雑収入 | (款)国有財産利用収入 |
(項)国有財産貸付収入 |
部局等の名称 | 大阪税関 |
使用を許可した物件の概要 | 大阪税関関西空港税関支署庁舎の一部317.4m2 |
許可の相手方 | 関西国際空港株式会社 |
許可年月日 | 14年3月29日(平成14年度) |
15年3月31日(平成15年度) | |
使用料 | 8,330,082円(平成14年度) |
6,664,065円(平成15年度) | |
低額となっている使用料 | 2,705,995円(平成14、15両年度) |
1 税関庁舎の使用許可の概要
大阪税関では、関西国際空港旅客ターミナルビルのCIQ施設(注)
(延べ面積26,972.9m2
。以下「CIQ施設」という。)内の関西空港税関支署庁舎の一部317.4m2
について、関西国際空港株式会社(以下「関空会社」という。)に旅客用手荷物カート置場等としての使用を許可している。そして、その使用料として平成14年度8,330,082円、15年度6,664,065円を関空会社から徴収している。
一方、関西空港税関支署庁舎が入居しているCIQ施設の敷地は関空会社から賃貸されているもので、同税関では、その負担分として14年度206,409,473円、15年度206,336,576円の賃借料を関空会社に支払っている。
国の庁舎の使用を許可する場合の使用料は、「国の庁舎等の使用又は収益を許可する場合の取扱の基準について」(昭和33年蔵管第1号大蔵省管財局長通達)に定める使用料算定基準(以下「算定基準」という。)に基づき、毎年度算定することとなっている。
そして、庁舎の使用を前年度から引き続いて許可する場合の使用料は、算定基準によると、使用許可する建物に係る使用料(以下「建物使用料」という。)と、この建物の敷地に係る使用料(以下「土地使用料」という。)の合計額とすることとなっている。
このうち、土地使用料は、使用許可する建物の建て面積に相当する土地の使用料(以下「建て面積使用料」という。)に、建物の延べ面積に占める使用許可部分の面積の割合(以下「許可面積割合」という。)を乗じて算出する。そして、建て面積使用料は、前年度の建て面積使用料にスライド率(消費者物価指数(変動率)と地価変動率の平均値)を乗じて算出する。ただし、これは使用許可する建物が国有地上にある場合の算出方法であり、当該建物が民有地上にある場合には、建て面積使用料に代えて地代相当額によって算出することとなっている。
そして、建物使用料と土地使用料を合計した使用料が前年度の使用料と比較して8割に満たない場合には、前年度使用料の8割の額をもって当該年度の使用料とすることとなっている。
なお、一つの建物を複数の官庁の庁舎として使用している合同庁舎の場合には、当該建物全体の面積、建て面積使用料等に基づいて使用料を算定することになっている。
2 検査の結果
検査したところ、14、15両年度の使用料の算定において次のような事態が見受けられた。
すなわち、同税関では、14年度の使用料の算定に当たり、民有地上にある庁舎の土地使用料の算出には、地代相当額である賃借料を用いるべきであるのに、誤ってCIQ施設が国有地上にあると仮定した場合の前年度のCIQ施設に係る建て面積使用料を5,213,289円と算出し、これにスライド率を乗じた5,187,222円に許可面積割合(317.4m2
/26,972.9m2
)を乗じて、土地使用料を61,057円と算出していた。
そして、上記の土地使用料に建物使用料を加算した金額が前年度使用料の8割に満たないことから、前年度使用料の8割である7,933,412円に消費税等相当額を加算して、14年度の使用料を8,330,082円と算定していた。
また、15年度においても、14年度と同様の算定方法により、14年度におけるCIQ施設の建て面積使用料5,187,222円にスライド率を乗じて算出した5,938,591円に許可面積割合を乗じて、土地使用料を69,901円と算出するなどして、使用料を6,664,065円と算定していた。
しかし、CIQ施設の敷地は、関空会社から賃借している民有地であることから、土地使用料をCIQ施設が国有地上にあると仮定した場合の建て面積使用料により算出したのは誤りであり、この場合には、これに代えてCIQ施設の敷地の賃借料を用いて算出すべきであった。
そこで、14、15両年度の使用料をCIQ施設の敷地の賃借料を用いるなどして修正計算すると、適正な使用料は14年度分8,965,223円、15年度分8,734,919円となる。
したがって、本件使用料14年度8,330,082円、15年度6,664,065円は、これに比べて14年度635,141円、15年度2,070,854円、計2,705,995円が低額となっていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同税関において算定基準の内容を十分理解していなかったことなどによると認められる。