会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)保健衛生施設整備費 | |
|
部局等の名称 | (1) | 栃木県 |
(2) | 福岡県 | |
補助の根拠 | (1) | 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号) |
(2) | 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号) | |
補助事業者 | (1) | 栃木県 |
(2) | 福岡県 | |
間接補助事業者 (事業主体) |
(1) | 社団法人地域医療振興協会 |
(2) | 2医療法人 | |
補助事業 | (1) | 第二種感染症指定医療機関施設整備事業 |
(2) | 精神障害者社会復帰施設整備事業 | |
補助事業の概要 | (1) | コレラ、ジフテリアなどの感染症の発生の予防及びそのまん延の防止等を図るため、第二種感染症指定医療機関としての病床の施設整備を行うもの |
(2) | 精神障害者の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、生活訓練施設、精神障害者福祉ホ-ムなどの施設整備を行うもの |
上記に対する国庫補助金交付額 | (1) | 5,375,000円 | (平成12、13両年度) |
(2) | 67,576,000円 | (平成9、13両年度) | |
計 | 72,951,000円 | ||
不当と認める国庫補助金交付額 | (1) | 5,375,000円 | (平成12、13両年度) |
(2) | 32,478,000円 | (平成9、13両年度) | |
計 | 37,853,000円 |
1 補助金の概要
厚生労働省では、都道府県に対して次の補助金を交付している。
(1)保健衛生施設等施設整備費補助金(第二種感染症指定医療機関施設整備事業分)
この補助金は、感染症の発生の予防及びそのまん延の防止を図ることなどを目的として、第二種感染症指定医療機関(注)
の設置者が設置する感染症病床の施設整備に対して都道府県が補助する場合、その補助に要する費用の一部を国が補助するものである。
この補助金の補助対象経費は、保健衛生施設等施設・設備整備費国庫補助金交付要綱(昭和62年厚生省発健医第179号。以下「交付要綱」という。)に基づき、第二種感染症指定医療機関の新設、増設又は改築のために必要な工事請負費等となっている。
(2)保健衛生施設等施設整備費補助金(精神障害者社会復帰施設整備事業分)
この補助金は、精神障害者の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加の促進を図ることなどを目的として、医療法人等が設置する精神障害者社会復帰施設の施設整備に要する費用に対し都道府県が補助する場合などに、その補助等に要する費用の一部を国が補助するものである。
そして、この補助金の交付を受けて医療法人等が取得した不動産等については、交付要綱において、都道府県知事等の承認を受けないで、この補助金の交付の目的に反して使用したり、担保に供したりなどしてはならないとされている。
この補助金の交付額の算定に当たっては、所定の基準額、補助対象経費の実支出額及び総事業費から当該事業に係る寄付金その他の収入額を控除した額のうち最も少ない額を選定するなどして補助対象事業費を算出することとなっている。このうち、所定の基準額は、本工事費、冷暖房工事費など経費の種目ごとに、所定の基準単価と施設整備に要した実際の工事費等に基づき算出する実単価とを比較して少ない方の単価に、整備する施設の面積を乗ずるなどして算出した額の合計額となっている。
2 検査の結果
青森県ほか1府4県の9事業主体について検査した結果、栃木県ほか1県の3事業主体が実施した第二種感染症指定医療機関施設整備事業及び精神障害者社会復帰施設整備事業において、他の補助金と重複して交付を受けていたり、補助事業により取得した建物を県に無断で担保に供したり、補助対象事業費を過大に精算したりしていて国庫補助金37,853,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、いずれの事態においても事業主体において補助制度についての理解が十分でなかったこと、また、栃木県において厚生労働省との連絡調整が十分でなかったこと、福岡県において、事業主体に対し指導、監督が十分でなかったこと、事業主体から提出された実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを事業主体別に示すと次のとおりである。
県名 | 事業主体 (所在地) |
施設の種類 | 年度 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(26) | 栃木県 | 社団法人地域医療振興協会 (東京都) |
第二種感染症指定医療機関 | 12、13 | 10,752 | 5,375 | 10,752 | 5,375 | 重複受給 |
上記の社団法人では、平成12、13両年度に、日光市民病院内に感染症病床4床を整備する第二種感染症指定医療機関施設整備事業を実施することとして本件補助金の交付を受けていた。
しかし、同法人では、12、13両年度に、同病院の建設を医療施設近代化施設整備事業として実施し、上記感染症病床4床も補助対象として含めて医療施設等施設整備費補助金の交付を栃木県を通じて受けていた。
したがって、本件国庫補助金計5,375,000円は交付の要がなく、不当と認められる。
(27) | 福岡県 | 医療法人社団豊永会 (飯塚市) |
精神障害者生活訓練施設 | 9 | 48,194 | 24,096 | 48,194 | 24,096 | 無断処分 |
上記の医療法人では、本件補助事業により取得した精神障害者生活訓練施設の建物を、福岡県に無断で、同法人の事業資金を借り入れるため、補助金の額の確定前の10年6月に金融機関に対して、担保として提供していた。
したがって、同県に無断で処分された精神障害者生活訓練施設に係る国庫補助金24,096,000円が不当と認められる。
(28) | 福岡県 | 医療法人堀川公平会 (久留米市) |
精神障害者福祉ホーム | 13 | 65,221 | 43,480 | 12,574 | 8,382 | 精算過大 |
上記の医療法人では、実績報告書の提出に当たり、施設整備に要した実際の工事費等ではなく交付申請書に記載された計画段階の数値により実単価を算出し、基準額を算定していた。
しかし、実際の工事費等により実単価を算出すると、同法人が基準額の算定に用いた単価よりも少ない額となるため、補助対象事業費が12,574,000円過大に精算されていた。
したがって、適正な補助対象事業費に基づいて国庫補助金を算定すると35,098,000円となり、交付額との差額8,382,000円が過大となっていた。
(26)−(28)の計 | 124,167 | 72,951 | 71,520 | 37,853 |