会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)社会福祉諸費 |
部局等の名称 | 神奈川県ほか2県 |
補助の根拠 | 予算補助 |
補助事業者 | 石川県ほか1県 川崎市(事業主体) |
間接補助事業者 (事業主体) |
市4 |
補助事業 | 在宅福祉事業(在宅介護支援センター運営事業及び介護予防・生活支援事業) |
補助事業の概要 | 在宅の老人等の福祉の向上を図るため、在宅介護等に関する相談に応じるなどの業務を行う在宅介護支援センターを運営するもの及び要介護状態にならないための介護予防や生活支援等のサービスを提供するもの |
上記に対する国庫補助金交付額 | 277,971,000円 | (平成13、14両年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 17,145,000円 | (平成13、14両年度) |
1 補助金の概要
在宅福祉事業費補助金(以下「補助金」という。)は、在宅の老人等の福祉の向上を図ることを目的として、指定都市等が行う在宅介護支援センター運営事業に要する費用、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が行う在宅介護支援センター運営事業又は介護予防・生活支援事業に対して都道府県が補助する事業に要する費用等について、その一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、次のとおり算定することとされている。
ア 在宅介護支援センター運営事業
(ア)指定都市等が行うものについて補助する場合
運営費の上限額として定められている基準額と補助の対象とされている経費(以下「対象経費」という。)の実支出額とを基幹型在宅介護支援センター(以下「基幹型センター」という。)及び地域型在宅介護支援センター(以下「地域型センター」という。)の各箇所ごとに比較し、少ない方の額を各箇所における算定上の基準額(以下「算定基準額」という。)として選定する。
そして、この各箇所における算定基準額の合計額と総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額(以下「差引額」という。)とを比較して少ない方の額を補助対象事業費とし、この額に2分の1を乗じて得た額を補助金の交付額とする。
(イ)市町村が行うものについて補助する場合
基幹型センター及び地域型センターの各箇所ごとに選定した算定基準額の合計額と差引額とを比較して少ない方の額に4分の3を乗じて得た額を都道府県が補助した額と比較し、少ない方の額を補助対象事業費として、この額に3分の2を乗じて得た額を補助金の交付額とする。
そして、基幹型センターには、社会福祉士等のソーシャルワーカー又は保健師のいずれかの資格を有する職員と、看護師又は介護福祉士のいずれかの資格を有する職員を配置することとされており、また、これらの職員の人件費については、基幹型センターの運営業務に従事した分を対象経費の実支出額に含めることができるとされている。
イ 介護予防・生活支援事業
所定の基準額と対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額を差引額と比較し、少ない方の額に4分の3を乗じて得た額と都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額を補助対象事業費として、この額に3分の2を乗じて得た額を補助金の交付額とする。
そして、介護予防・生活支援事業のうち生きがい活動支援通所事業については、これを介護保険法(平成9年法律第123号)に基づき都道府県知事から通所介護に係る事業者の指定を受けた社会福祉法人等に委託する場合、5,000,000円を上限として、同事業を実施するための施設の改修工事等に要した経費を初度設備費として対象経費とすることができるとされている。
2 検査の結果
北海道ほか23都府県の311市町村について検査した結果、石川県ほか1県及び1市の5事業主体において、次のとおり交付額の算定を誤ったため、補助金交付額計277,971,000円のうち計17,145,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において補助金の算定方法等を十分理解していなかったこと、県において実績報告書の審査等が十分でなかったことなどによると認められる。
これを事業別・事業主体別に示すと次のとおりである。
県名 | 事業主体 | 年度 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 |
(31) | 神奈川県 | 川崎市 | 13、14 | 385,015 | 192,507 | 9,462 | 4,731 |
(32) | 静岡県 | 熱海市 | 14 | 15,591 | 10,394 | 1,627 | 1,085 |
(33) | 同 | 藤枝市 | 14 | 20,455 | 13,636 | 1,700 | 1,133 |
上記の3市では、在宅介護支援センター運営事業に係る補助金の交付額の算定に当たり、基幹型センター及び地域型センターの各箇所ごとに基準額と対象経費の実支出額を比較して少ない方の額を各箇所ごとの算定基準額として選定した上で、算定基準額の合計額を算出すべきであるのに、基幹型センター及び地域型センターの各箇所の基準額の合計額と各箇所の対象経費の実支出額の合計額とを比較するなどして算定基準額の合計額を算出していた。このため、補助対象事業費が計12,790,060円過大に算出されていた。
したがって、適正な算定基準額の合計額に基づいて補助金の交付額を算定すると、3市で計216,537,000円となり、計6,949,000円が過大に交付されていた。
(34) | 石川県 | 松任市 | 13、14 | 51,000 | 33,999 | 11,543 | 7,696 |
松任市では、基幹型センター1箇所及び地域型センター5箇所の運営事業に係る補助金の交付額の算定に当たり、基幹型センターに配置することとされている社会福祉士等の有資格職員ではない者の人件費及び保健師の資格を有する職員の基幹型センター運営業務以外の業務に従事した分に係る人件費を対象経費の実支出額に含めていたため、補助対象事業費が11,543,891円過大に算出されていた。
したがって、適正な対象経費の実支出額に基づいて補助金の交付額を算定すると、計26,303,000円となり、計7,696,000円が過大に交付されていた。
(1)の計 | 472,061 | 250,536 | 24,333 | 14,645 |
(35) | 静岡県 | 掛川市 | 14 | 41,153 | 27,435 | 3,749 | 2,500 |
掛川市では、介護予防・生活支援事業に係る補助金の交付額の算定に当たり、社会福祉法人に委託している生きがい活動支援通所事業の実施のために行った施設の改修工事(工事費5,229,350円)について、初度設備費の上限である5,000,000円を対象経費の実支出額に計上していた。しかし、同法人は静岡県知事から指定通所介護事業者の指定を受けていないことから、対象経費に初度設備費を計上することはできないものであり、このため、補助対象事業費が3,749,027円過大に算出されていた。
したがって、上記の5,000,000円を対象経費の実支出額から除外して適正な補助金の交付額を算定すると24,935,000円となり、2,500,000円が過大に交付されていた。
(1)、(2)の計 | 513,214 | 277,971 | 28,082 | 17,145 |