会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)精神保健費 |
部局等の名称 | 静岡県ほか2県 |
補助の根拠 | 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号) |
補助事業者 | 静岡県ほか2県 |
間接補助事業者 (事業主体) |
医療法人2、社会福祉法人1、社団法人1、計4事業主体 |
補助事業 | 精神障害者社会復帰施設運営事業 |
補助事業の概要 | 精神障害者の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、精神障害者社会復帰施設を運営するもの |
上記に対する国庫補助金交付額 | 273,491,493円 | (平成12年度〜14年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 16,584,507円 | (平成12年度〜14年度) |
1 補助金の概要
精神保健対策費補助金(精神障害者社会復帰施設運営事業分)は、精神障害者の社会復帰の促進及び自立と社会経済活動への参加の促進を図るため、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)等に基づき、市町村、社会福祉法人等が行う精神障害者生活訓練施設、精神障害者授産施設等の精神障害者社会復帰施設の運営事業に対し、都道府県又は政令指定都市(以下「県等」という。)が補助する場合などにその補助等に要する費用の一部として交付するものである。
この補助金の補助対象経費は、精神障害者社会復帰施設を運営するために必要となる職員の給料、職員手当などの人件費、各所修繕費、需用費、備品購入費等となっている。
そして、各所修繕費は故障や老朽化が生じたものを原状に回復するための費用とされている。また、精神障害者授産施設及び精神障害者福祉工場に係る経費については施設の運営に要する費用や営業事業に要する費用等に区分されており、このうち、施設の運営に要する費用が補助対象経費とされ、営業事業に係る施設整備等の経費や営業事業に要する光熱水費等の費用は補助対象経費には含めないことになっている。
この補助金の交付額は次のように算定することとなっている。
(ア)所定の月額単価を用いるなどして算出される基準額と補助対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
(イ)(ア)により選定された額と県等が補助した額とを比較して少ない方の額を補助対象事業費とし、これに2分の1を乗じて得た額を交付額とする。
2 検査の結果
北海道ほか19都府県及び大阪市ほか1市の38事業主体について検査した結果、静岡県ほか2県の4事業主体が実施した精神障害者社会復帰施設の運営事業に係る補助対象事業費が過大に精算されていて国庫補助金16,584,507円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において補助制度の内容についての理解が十分でなかったこと、県において事業主体から提出された実績報告書の審査、確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを県別に示すと次のとおりである。
県名 | 事業主体 (所在地) |
施設の種類 | 年度 | 補助対象事業費 | 左に対する国庫補助金 | 不当と認める補助対象事業費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(68) | 静岡県 | 社団法人静岡県精神保健福祉会連合会 (静岡市) |
精神障害者通所授産施設 | 14 | 32,734 | 16,367 | 3,176 | 1,588 | 精算過大 |
上記の社団法人では、補助対象経費の実支出額に、当該施設を原状に回復するための費用には該当しない作業場新設等の改修工事の費用を各所修繕費として含めていたため、補助対象事業費が3,176,000円過大に精算されていた。
したがって、適正な補助対象事業費に基づいて国庫補助金を算定すると14,779,000円となり、交付額との差額1,588,000円が過大となっていた。
(69) | 島根県 | 医療法人昌林会 (安来市) |
精神障害者入所授産施設 | 13 | 50,315 | 25,157 | 4,582 | 2,291 | 精算過大 |
上記の医療法人では、補助対象経費の実支出額の備品購入費に、施設の運営に要する費用ではない陶芸棟工事費等を含めるなどしていたため、補助対象事業費が4,582,291円過大に精算されていた。
したがって、適正な補助対象事業費に基づいて国庫補助金を算定すると22,866,387円となり、交付額との差額2,291,145円が過大となっていた。
(70) | 島根県 | 社会福祉法人せんだん会 (安来市) |
精神障害者福祉工場 | 12〜14 | 82,416 | 41,208 | 6,160 | 3,080 | 精算過大 |
上記の社会福祉法人では、補助対象経費の実支出額の需用費等に、営業事業に要する光熱水費等を含めていたため、補助対象事業費が計6,160,016円過大に精算されていた。
したがって、適正な補助対象事業費に基づいて国庫補助金を算定すると計38,128,286円となり、交付額との差額計3,080,008円が過大となっていた。
(71) | 徳島県 | 医療法人清流会 (徳島市) |
精神障害者生活訓練施設 | 12〜14 | 108,025 | 54,012 | 19,250 | 9,625 | 精算過大 |
上記の医療法人では、補助対象経費の実支出額の算出に当たり、備品購入費等の額を過大に計上したため、補助対象事業費が計19,250,708円過大に精算されていた。
したがって、適正な補助対象事業費に基づいて国庫補助金を算定すると計44,387,566円となり、交付額との差額計9,625,354円が過大となっていた。
(68)−(71)の計 | 273,491 | 136,745 | 33,169 | 16,584 |