会計名及び科目 | 一般会計 (組織)厚生労働本省 (項)水道施設整備費 |
平成11年度以前は、
(組織)厚生本省 (項)環境衛生施設整備費 |
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部局等の名称 | 厚生労働本省(平成13年1月5日以前は厚生本省) |
大阪府、島根県 | |
補助の根拠 | 水道法(昭和32年法律第177号) |
予算補助 | |
補助事業者 (事業主体) |
県1、市3、計4事業主体 |
補助事業 | 水道水源開発等施設整備事業、簡易水道等施設整備事業 |
補助事業の概要 | 水の安定供給を図るため、多目的ダム等の水道水源開発施設の整備に要する費用を負担したり、配水管等の水道施設を整備したりするもの |
国庫補助基本額 | 1,240,124,000円 | (平成5年度〜12年度) |
上記に対する国庫補助金交付額 | 434,072,000円 | |
国庫補助基本額のうち仕入税額控除した消費税及び地方消費税の額 | 38,669,959円 | (平成5年度〜12年度) |
不当と認める国庫補助金交付額 | 13,650,152円 | (平成5年度〜12年度) |
1 補助金の概要
水道施設整備費補助金は、水道法(昭和32年法律第177号)等に基づき、清浄にして豊富低廉な水の供給を図るため、地方公共団体が行う水道事業の用に供する多目的ダム等の水源開発施設や配水管等の管路施設などの整備に要する費用に対して補助するもので、水道水源開発等施設整備費国庫補助金と簡易水道等施設整備費国庫補助金がある。
これらの補助金の交付額は、水道水源開発等施設整備費国庫補助金交付要綱(昭和63年厚生省生衛第877号厚生事務次官通知)並びに簡易水道等施設整備費国庫補助金交付要綱及び簡易水道等施設整備費国庫補助金取扱要領(昭和44年厚生省環第405号厚生事務次官通知)(以下、これらを「交付要綱等」という。)により、次のように算定することとなっている。
(ア)本工事費、附帯工事費、用地費等補助金の交付の対象となる事業費の額(事業主体以外の者が実施する多目的ダム等水源開発施設の整備事業に対する負担額を含む。)と当該事業に要する総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額とを比較していずれか少ない方の額を国庫補助基本額とする。
(イ)(ア)により選定した国庫補助基本額に、補助事業の区分ごとに定められた補助率を乗じて得た額を交付額とする。
消費税法(昭和63年法律第108号)によれば、事業者は、課税期間における課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除した額を消費税として納付することとなっており、地方公共団体が特別会計を設けて行う事業については、その特別会計ごとに事業者とみなされる。
そして、同法等によれば、特別会計に係る消費税の納付税額の計算に当たり、補助金収入など売上げ以外の収入(以下「特定収入」という。)の額を売上高と特定収入の合計額で除した割合(以下「特定収入割合」という。)が100分の5以下の場合には、特定収入により賄われる消費税額は、課税仕入れに係る消費税額として課税売上高に対する消費税額から控除できることとなっている。そして、この場合、特定収入により賄われる消費税額は特別会計において負担されないことになる。
このため、交付要綱等により、補助事業の事業主体は、補助事業完了後に、消費税(平成9年度以降は地方消費税を含む。以下同じ。)の申告により、国庫補助基本額に含まれる消費税額のうち課税仕入れに係る消費税額として控除できる金額が確定した場合には、これに係る国庫補助金相当額(以下「補助金に係る消費税仕入控除税額」という。)を速やかに厚生労働省(13年1月5日以前は厚生省)に報告するとともに、当該金額を返還することとなっている。
2 検査の結果
北海道ほか20府県の875事業主体について検査したところ、栃木県ほか3府県の4事業主体において、水道事業に係る特別会計の消費税の確定申告に当たり、特定収入割合が100分の5以下であったことから、国庫補助基本額に含まれる消費税額計38,669,959円を課税売上高に対する消費税額から控除しているのに、その補助金に係る消費税仕入控除税額計13,650,152円を厚生労働省に報告して返還する措置を執っておらず、不当と認められる。
上記の事態について一例を示すと次のとおりである。
<事例>
鹿児島市では、鹿児島県が施行した万之瀬川川辺ダム建設事業に対し水道水源の開発に要する費用を負担する事業について、平成5年度から7年度までの間に、消費税を含めて国庫補助基本額を計654,400,000円と算定して、各年度の補助事業完了後に実績報告書を提出し、補助金計218,133,000円の交付を受けていた。
上記の補助事業は同市の特別会計(水道事業特別会計)において経理されており、同会計に係る消費税については、各年度の翌年6月までに確定申告を行っていた。その際、同市では、消費税の課税期間である5年度から7年度までの特定収入割合がいずれも100分の5以下であったことから、国庫補助基本額に含まれる消費税額計17,817,394円を課税仕入れに係る消費税額として課税売上高に対する消費税額から控除していた。
しかし、同市では、上記の消費税額計17,817,394円のうち補助金に係る消費税仕入控除税額計5,939,130円を厚生労働省に報告して返還する措置を執っていなかった。
このような事態が生じていたのは、事業主体において補助事業における消費税の取扱いに対する認識が十分でなかったこと、厚生労働省及び府県において適正な事務処理の執行についての指導や確認が十分でなかったことなどによると認められる。
これを府県別・事業主体別に示すと次のとおりである。
府県名 | 事業主体 | 年度 | 国庫補助基本額 (うち消費税及び地方消費税の額) |
左に対する国庫補助金 | 消費税仕入控除税額 (地方消費税分を含む) |
不当と認める国庫補助金相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||
(129) | 栃木県 | 栃木県 | 7 | 216,000 (6,027) |
72,000 | 6,027 | 2,009 |
(130) | 大阪府 | 箕面市 | 5、8、9 | 199,324 (6,749) |
87,139 | 6,749 | 3,010 |
(131) | 島根県 | 江津市 | 10〜12 | 170,400 (8,075) |
56,800 | 8,075 | 2,691 |
(132) | 鹿児島県 | 鹿児島市 | 5〜7 | 654,400 (18,897) |
218,133 | 17,817 | 5,939 |
(129)−(132)の計 | 1,240,124 (39,749) |
434,072 | 38,669 | 13,650 |