会計名及び科目 | 一般会計 (組織)中小企業庁 (項)中小企業対策費 |
部局等の名称 | 関東、中国、四国各経済産業局 |
国の貸付金 | 小規模企業者等設備導入資金貸付金 |
貸付けの根拠 | 小規模企業者等設備導入資金助成法(昭和31年法律第115号) |
貸付けの内容 | 小規模企業者等に対し設備資金貸付事業を行う貸与機関へ小規模企業者等設備導入資金の貸付けを行う都道府県に対する資金の貸付け |
貸付先 | 東京都ほか2県 |
都県の貸付先 (貸与機関) |
財団法人東京都中小企業振興公社ほか2財団法人 |
貸与機関の貸付件数 | 3件(3小規模企業者) |
貸与機関の貸付金額の合計 | 51,230,000円 | |
(国の貸付金相当額25,615,000円) | ||
貸与機関の不当貸付金額 | 14,956,000円 | |
貸付けの目的に沿わない国の貸付金相当額 | 7,478,000円 |
1 貸付金の概要
中小企業庁では、小規模企業者等設備導入資金助成法(昭和31年法律第115号)に基づき、小規模企業者(注1)
等の創業及び経営基盤の強化に必要な設備の導入の促進に資するための資金の貸付けを行う都道府県に対して、当該貸付けに必要な資金の2分の1以内の額を小規模企業者等設備導入資金貸付金として無利子、無期限で貸し付けている(注2)
。
都道府県は、国の貸付金に自己資金等を合わせて資金を造成し、当該資金を、小規模企業者等設備導入資金として、各都道府県に設置されている貸与機関(民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人)に貸し付けている。そして、貸与機関は、信用力や資金調達力が脆弱である小規模企業者等に対して設備の設置に必要な資金を無利子で貸し付ける事業(以下「設備資金貸付事業」という。)を行っている。設備資金貸付事業による貸付金額は、設備の設置に必要と認めた資金の額の2分の1以内の額で50万円以上4000万円以下(中小企業経営革新支援法(平成11年法律第18号)に基づき都道府県知事等の承認を受けた経営革新に関する計画に従って設置される設備については3分の2以内の額で66万円以上6000万円以下)となっており、その償還期間は原則として7年となっている。また、借主は、償還が完了するまで、設備を貸与機関の承認を受けないで売却してはならないこととなっている。そして、借主は事業完了後に完了報告書を提出し、貸与機関はこれに基づいて事業の実施状況を確認することとなっている。
(注1) | 小規模企業者 常時使用する従業員の数が20人(商業・サービス業の場合は5人)以下の事業者 |
(注2) | 「中小企業の事業活動の活性化等のための中小企業関係法律の一部を改正する法律」(平成11年法律第222号。以下「改正法」という。)により中小企業近代化資金等助成法(以下「旧法」という。)が小規模企業者等設備導入資金助成法に改正される平成11年度以前において、中小企業庁は、旧法に基づき、都道府県に対して中小企業設備近代化補助金を交付していた。そして、改正法附則第5条の規定により、旧法により交付された補助金等で都道府県が保有している資金は小規模企業者等設備導入資金助成法に基づき国が都道府県に対して貸し付けた資金とみなすこととされており(以下、この資金を「みなし貸付金」という。)、15年度末において国が都道府県に貸し付けている資金はすべてみなし貸付金である。 |
2 検査の結果
宮城県ほか22都府県において、23貸与機関が実施した小規模企業者等設備導入資金による設備資金貸付事業のうち115件の貸付けについて検査を実施した。その結果、東京都ほか2県において、3貸与機関が実施した3小規模企業者に対する3件51,230,000円の貸付けについて、借主が、設備を貸与機関に無断で売却したり、貸付対象事業費より低額で設置したりしていた。このため、14,956,000円の貸付けが不当と認められ、ひいては国の貸付金相当額7,478,000円が貸付けの目的に沿わない結果になっていると認められる。
このような事態が生じていたのは、借主の本貸付制度についての認識が十分でなかったこと、貸与機関の借主に対する指導、事業完了後の確認及び都県の貸与機関に対する指導監督が十分でなかったことなどによると認められる。
これを都県別・貸与機関別・貸付先別に示すと次のとおりである。
都県名 | 貸与機関 | 貸付先 | 貸付年月 | 貸付対象事業費 同上に対する貸付金額
|
貸付対象として適切でない事業費 同上に対する貸付金相当額
|
貸付けの目的に沿わない国の貸付金相当額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(161) | 東京都 | 財団法人東京都中小企業振興公社 | 一般機械器具製造業者 | 14.2 | 25,200 (16,800) |
4,095 (2,730) |
1,365 | 低額設置 |
この貸付けは、ターニングセンタ(注3)
1台の設置に必要な資金25,200,000円の一部として、16,800,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を貸付対象事業費どおりの額で設置したとしているが、この額は契約額を水増ししたもので、実際は、21,105,000円で設置していた。
したがって、この設備の設置に対する適切な貸付金額を計算すると14,070,000円となるので、本件貸付金額との差額2,730,000円が過大な貸付けとなっている。
(162) | 鳥取県 | 財団法人鳥取県産業振興機構 | 再生資源卸売業者 | 13.2 | 22,365 (11,000) |
15,312 (7,656) |
3,828 | 無断処分 |
この貸付けは、油圧式自動故紙梱包機1台の設置に必要な資金22,365,000円の一部として11,000,000円を貸し付けたものである。借主は、この設備を平成12年12月に設置したが、15年8月に貸与機関に無断で売却していた。
したがって、この設備に係る貸付金のうち売却時点での貸付金残高相当額7,656,000円は、貸付けの目的を達成していない。
(163) | 徳島県 | 財団法人とくしま産業振興機構 | 生コンクリート製造業者 | 13.9 | 46,921 (23,430) |
9,140 (4,570) |
2,285 | 無断処分 |
この貸付けは、生コンクリート製造設備一式及び汚水処理設備一式の設置に必要な資金計50,779,500円(うち貸付対象事業費46,921,000円)の一部として、23,430,000円を貸し付けたものである。借主は、これらの設備のうち、汚水処理設備一式9,975,000円(うち貸付対象事業費9,140,000円)を平成13年6月に設置したが、14年3月に貸与機関に無断で売却していた。
したがって、この設備に係る貸付金4,570,000円は、貸付けの目的を達成していない。
(161)−(163)の計 | 94,486 (51,230) |
28,547 (14,956) |
7,478 |