ページトップ
  • 平成15年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第3 都市基盤整備公団|
  • 不当事項|
  • その他

送電線路等の移設補償契約に係る補償費の支払に当たり、工事予定金額に基づき補償費を精算していたため、支払額が過大となっているもの


(184)送電線路等の移設補償契約に係る補償費の支払に当たり、工事予定金額に基づき補償費を精算していたため、支払額が過大となっているもの

科目 (都市基盤整備勘定) (項)都市整備事業費
部局等の名称 都市基盤整備公団(平成16年7月1日以降は独立行政法人都市再生機構)茨城地域支社
契約名 葛城地区一体型特定土地区画整理事業に係る特別高圧架空電線路の移設に関する平成14年度の補償契約
契約の概要 土地区画整理事業の施行に伴い支障となる特別高圧架空電線路の移設補償を行うもの
契約金額 102,623,840円
契約の相手方 東京電力株式会社
契約 平成14年4月1日
支払 平成14年6月20日(概算払)
  平成15年4月21日(精算払)
不当と認める補償費  6,118,357円

1 契約の概要

 都市基盤整備公団(平成16年7月1日以降は独立行政法人都市再生機構)茨城地域支社(以下「支社」という。)では、つくば市内の葛城地区で宅地開発及び鉄道整備を一体的に整備するなどの一体型特定土地区画整理事業において、東京電力株式会社(以下「東電」という。)所有の鉄塔及び架空送電線並びにこれらに付属する工作物等(以下「送電線路等」という。)に対する移設補償を行っている。
 支社では、当該移設補償に関し、東電との間で締結した基本協定等に基づいて、14年4月に、葛城地区一体型特定土地区画整理事業に係る特別高圧架空電線路の移設に関する平成14年度の補償契約を締結している。補償契約等によると、補償費は送電線路等の移設等の工事に係る費用とされ、東電が工事を実施することとなっている。また、補償費の支払については、支社は補償契約締結後に補償費概算金額の5割相当額を概算払として支払い、東電は工事完了後速やかに補償費の精算書を支社に提出し、支社がその内容を確認して残額を支払うこととなっている。
 そして、支社では、次のとおり補償費を支払っていた。
〔1〕 補償契約において、補償費概算金額を、送電線路等移設費113,794,000円、既設送電線路等撤去費24,550,000円、計138,344,000円としていることから、支社では、この補償費概算金額の5割相当額である69,172,000円を、概算払として14年6月20日に東電に支払っていた。
〔2〕 東電では、工事終了後、補償費の精算金額を、送電線路等移設費76,911,153円、既設送電線路等撤去費25,712,687円、計102,623,840円と算定し、これから概算払金額69,172,000円を差し引いた33,451,840円を、残支払額として要求する精算書を支社に提出した。そして、支社では、これを了として同額を15年4月21日に東電に支払っていた。

2 検査の結果

 検査したところ、本件補償費の支払は次のとおり適切でなかった。
 すなわち、補償費の精算金額102,623,840円のうち既設送電線路等撤去費25,712,687円は、実際に要した工事費ではなく東電が移設等工事を発注するために算定した工事予定金額であり、正しくは19,091,220円であった。
 したがって、補償費は、この額により精算金額を確定し支払うべきであったと認められる。
 このような事態が生じていたのは、支社において、東電が算定した補償費の精算金額についての審査、確認が十分でなかったことによると認められる。
 上記により、補償費を修正計算すると、過小となっていた送電線路等移設費503,110円を考慮しても、補償費総額は96,505,483円となり、本件補償費はこれに比べ6,118,357円が過大に支払われていて、不当と認められる。