科目 | 消費税等還付収益 | |
部局等の名称 | 自動車検査独立行政法人本部 | |
過小となっていた課税仕入れの額 | 158,014,870円 | (平成14事業年度) |
不足していた消費税の還付額 | 3,022,988円 | (平成14事業年度) |
1 消費税の確定申告の概要
自動車検査独立行政法人(以下「検査法人」という。)は、従来、自動車検査登録特別会計で行っていた自動車の検査に関する事務の一部を行うことにより、自動車の安全性の確保及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図ることを目的として、平成14年7月1日に設立された法人である。
そして、検査法人では、上記の業務を行うため、国土交通省の札幌運輸支局ほか92運輸支局等と同一の所在地に、北海道検査部ほか92検査部等の地方機関を配置している。
消費税法(昭和63年法律第108号)によれば、消費税の課税事業者は、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除した額を消費税として納付することとなっている。また、課税仕入れに係る消費税額が課税売上高に対する消費税額を上回る場合には、この差に相当する額の還付を受けられることとなっている。
検査法人では、設立年度の14事業年度(14年7月1日から15年3月31日まで)から消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)の確定申告を行っていて、同事業年度は、下表のとおり、課税売上げが173,487,890円、課税仕入れが14,185,921,302円であるとして、これらに基づき消費税202,441,773円の還付を受けている。
区分 | 項目 | 金額 |
課税売上げ (消費税込み) |
水道光熱費等立替収入 その他の収入 |
158,126,972円 15,360,918円 |
合計 | 173,487,890円 | |
課税仕入れ (消費税込み) |
水道光熱費 その他の支出(注) |
198,073,180円 13,987,848,122円 |
合計 | 14,185,921,302円 |
地方機関である検査部等と国の機関である運輸支局等は同一の敷地内に所在していることから、水道、電気等を共同で使用しており、また、メーターが一つしかないため、その使用料は消費税を含め水道事業者等からまとめて検査法人に請求されている。検査法人では、請求額全額を水道事業者等へ支払った後に、運輸支局等の使用料をあん分計算により算出し、これを国から徴収している。そして、消費税の申告に当たって、この徴収額を水道光熱費等立替収入として課税売上げに計上し、水道事業者等に支払った使用料のうち検査法人の負担分を水道光熱費として課税仕入れに計上している。
2 検査の結果
検査したところ、消費税の計算に当たり、水道事業者等に支払った後に国から徴収した使用料については、水道光熱費等立替収入として課税売上げに計上するとともに、同額を水道光熱費等立替支出として課税仕入れにも計上すべきであるのに、これを課税仕入れに計上していないなどのため、課税仕入れの額を過小に算出するなどしていた。
したがって、適正な課税売上げ及び課税仕入れの額を算出すると、下表のとおり、それぞれ173,488,628円及び14,343,936,172円となる。
区分 | 項目 | 金額 |
課税売上げ (消費税込み) |
水道光熱費等立替収入 その他の収入 |
158,127,710円 15,360,918円 |
合計 | 173,488,628円 | |
課税仕入れ (消費税込み) |
水道光熱費等立替支出 水道光熱費 その他の支出 |
158,127,710円 198,073,180円 13,987,735,282円 |
合計 | 14,343,936,172円 |
このような事態が生じていたのは、検査法人において、消費税の取扱いについての理解が十分でなかったことなどによると認められる。
上記により、消費税の還付額を修正計算すると205,464,761円となり、当初の還付額との差額3,022,988円が不足していたと認められる。